藤沢市ブランドのゴミ袋から考えたこと


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湘南IT生活、一ヶ月目。

住所が神奈川県藤沢市の鵠沼海岸になったことによって、今までの生活と大きな違いに驚いた!

管理会社のプリズミックさんから、携帯に留守電が残っていた。「神田さん、ゴミが藤沢市指定の袋ででておらず、市の清掃局から苦情が…」というメッセージ
だ。ボクのゴミだということで”アシがつく”ということは、ゴミの中身から本人を確認までしているということだ。恐るべし藤沢市清掃局!

今まで、東京でも、都指定のゴミ袋とかあるのは知っていた。しかし、マンション側が普通のゴミ袋で問題がないところばかりだったので、45リットル袋を
200円以下で買い、山ほど入っている物を使っていた(何枚か忘れるほど、気にならなかったからだ)。あえて考えるのは、燃えるゴミと燃えないゴミの違い
だ。

しかしである! 指摘されたことにより、藤沢市指定のゴミ袋を購入しにいって唖然としてしまった…。

40リットル、ゴミ袋10枚入りで800円であるのだ!。むむむ! 1枚80円もするゴミ袋!!!。

ヴィトンでもシャネルでもない、藤沢市指定のピンクの袋が80円もする。20リットルだと40円。10リットルでも20円。5リットルで10円……かなりしつこいが、ゴミを包む代物が高いのだ。これは「藤沢ブランド袋」だ。

この日から、当然ながら、ゴミに対する感覚が大きく変わった。ゴミを捨てるのに金がかかるという感覚だ。

藤沢市に、なぜこんなにゴミ袋が高いのか? と怒りの電話をなげかけると、「ゴミ減量のためと、ゴミ処理の費用の補填うんぬん」と答えられる。なるほど、
値段が上がれば、それにふさわしいゴミの出しかたを考えるようになるからか…。まんまとその戦略にはまってしまった自分がそこにいた…。

ガソリンが上がると、クルマで出かける意味を考えはじめるのと同じ構造だ。しかもゴミ袋10枚で800円は、ボクにとっては1リットルガソリンで500円クラスの驚きだ(ボクの体感価格)!。

しかしだ、他の自治体は税金でまかなっているのに、藤沢市はゴミ税の二重取りで、かなり「がっちりマンデー」になっているのではないだろうか?

まず、引っ越し後の荷物をできるだけ出さないようにしなければならない。すべて平気で捨てていたら、とんでもないことになってしまう。

また、藤沢市の分別は、環境大国のドイツよりもはるかに厳しい!!
いや、厳しすぎる。
*http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kankyo-j/page100003.shtml

なんでも、捨てていた生活が、ガラガラと音を立てて、変わる。職場の渋谷までゴミを持っていって捨てよう! と一度は計画したが、ゴミ袋と一緒に出勤して
いる自分をイメージすると、生活がすさみそうでやめた。そこで、ゴミを出さない生活を考えるようになった。基本的な日常のゴミの種類は三種類。

1)燃えるゴミ
2)燃えないゴミ
3)プラスチック製包装容器

1と2は、40リットル80円の「藤沢ブランド袋」で捨てなければならない。3は再利用できるので、透明な袋で捨てればいいようだ。

今まで、24時間365日、いつでもゴミが捨てられる環境から、1は火曜日と木曜日、2と3は水曜日だけ、という不便な生活は、その前夜に捨てるという変なスケジュール感覚が身に付くようになった。

月曜日の「Change!」を見たら燃えるゴミ、火曜日の「ガイアの夜明け」を見たら燃えないゴミという、まるでパブロフの条件反射実験のような捨て方で習慣を身につける。録画を翌日に見るとまずいことになりそうだ。

そして、一番の変化は買い物だ。出かける前に、エコバッグをカバンのすみに忍ばせる。スーパーに行く時には、サランラップも…。

スーパーでの買い物が終わると、自分でパッキングする際にできる限り、その場でゴミを解体するのだ。ぜひ、商品の梱包解体コーナーも作ってほしい。

かさばる商品は捨てるにも金がかかるからだ。少し前なら、なんだか、自分がオバサン化しているようでイヤだったが、今はエコはとてもクール! な時代になっているから、オバサン化していても恥じることがないのがいい。

今後、メーカーは簡易包装でないとユーザーに選択されないのかもしれない。そう、精肉も笹の葉で、野菜は新聞で、袋は風呂敷でという、石油依存を少しでも緩和する工夫と努力が必要かもしれない。

ゴミをできるだけ出さないように考えれば、ビールも瓶ビールを宅配してもらう方法を考えたほうがいい。しかし、麦ビールではなく、発泡酒の瓶入りはあるの
か? それを宅配すればどうだろう? 送料が無料になるアマゾンプライムでビールを取り扱えばどうだろう? などいろいろ便利でエコなサービスは考えられ
る。

そういえば、AdobeのCS3のパッケージはかなりエコになっていてビックリした。マニュアルは、もうPDFで検索して読むほうがいいだろう。あとはPDFを高速フォトリーディング法で、速読できるようなブラウザを開発しなければならない。

エコとIT、石油を使わないツール開発など、新規事業のアイデアは、藤沢ブランド袋のおかげで火がついた。少なくとも世界で一番高いゴミ袋分くらいは、この地で稼ぐぞ!

この後、藤沢市の担当者様からご連絡をいただきました。ありがとうございます!

藤沢市環境事業センター担当者さんのお答えです。正式取材でないので氏名はだせないのですが…。正式取材だと広報課とかいろんな段階を隔てるので、時間がかかってしまいますが、誰にでも同じ回答がなされるので、今回は取材ではなく、国民からのお伺いということにしました(ボクは神戸市民ですが…)。

【Q1】

どうして、藤沢市のゴミ袋はこんなに高く、その費用は何に使われているのですか?

【A1】

「この制度は、平成19年度(2007年度)から開始となり、年間で6億500万円の歳入がありました。今年度(平成20年度2008年)は7億9000万円の歳入見込みです。

この40リットル10枚800円はゴミ袋の値段ではなく、あくまでも100%「ゴミ処理手数料」の金額として計上されております。

この費用はすべてゴミ処理費用として使用され、いわば、ゴミの特定財源のようなものとなっております。

(※藤沢市民40万人で割ると、一人あたり1512円、20年度は1975円、しかし、1512円だと、800円10枚が、年間1.89枚しか買えない
ぞ!!!ここはかなり謎…。すべてが4人家族だとすると、10万世帯で6050円、7.6袋分。つまり1袋10枚なので、76枚を365日で割ると4.8日にたったの40リットル一袋分。これって、
4人家族では少なすぎるよ。購入していない家庭が多いとか、もっと実は歳入があったりしているのかな?このあたりは、市議会などにも問い合わせみたいと思います)

【Q2】

 なぜ800円という価格になったのですか?また、事業所、会社、法人は10枚3000円と異常に高額ですね?

【A2】

実施前のアンケートでは、月額500円という回答が市民の皆様から得られ、結果として800円という手数料設定となりました。

ゴミに対しての抑止力効果を考え、人口が増える藤沢市の最終処分場の効率をあげるためでもあります。

事業所用のゴミ袋(ゴミ処理手数料)が、高めの設定なのは、廃棄物処理法の原則で、事業所はすべて自社で業者に委託し、処分することが前提となっていますが、それが難しい方のための価格設定となっています。

【Q3】

自宅で仕事をしている事業者のゴミかどうかはどうやって見分けるのですか?

【A3】

SOHOや自宅で事業をされている方は、事業用のゴミと家庭用のゴミを分別していただき、所定のゴミ袋を利用いただくこととなります。

時折、中身の調査をしており、分別されているかの確認をおこなっております。

【Q4】

ゴミの中身を見られて、電話がかかってきたのですが、中身を見るって、プライバシーや情報漏洩になりませんか?

【A5】

調査をするのは公務員ですので、業務上で知り得たことを外部に漏らすことは原則的にありえませんのでご心配なく。

電話一本でかなり、ゴミの事情通になれました。

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