20世紀フォックスが21世紀フォックスとなり、マードックが新聞を見捨てる時がやってきた

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20世紀フォックスを傘下に持つ、ニューズコーポレーションが分社化した。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE96001P20130701 

好調なエンタテインメント事業と不振な出版事業を明確に2つの企業に分けた。

20世紀フォックスなどのエンタテイメントは、21世紀フォックスとなる。

2013年05月24日、分社化が取締役会で承認され、07月01日より、21世紀フォックスとニューズコーポレーションと分社化された。

2012年1~3月期のニューズの売上高は84億200万ドル、営業利益は13億1200万ドル。
売上高に占める新聞・出版事業の割合は24%、営業利益に占める割合は10%にとどまっている。
つまり売上および利益のほとんどが エンタテインメントだった。

一方、エンターテインメント部門を切り離されたのが、本体のニューズコーポレーションだ。

ロンドン証券取引所(LSE)への上場を計画していたが上場廃止している。

ウォール・ストリート・ジャーナル
ダウ・ジョーンズ経済通信
書籍出版のハーパーコリンズ
オーストラリアと英国の出版数社などが集まる

新聞・出版部門 CEOにウォールストリートジャーナル編集長
ロバート・トムソン(Robert Thomson)編集長(52) http://www.afpbb.com/article/economy/2915114/9940480

※WSJを発行するダウジョーンズ社は、51億6000万ドル(5100億円)でニューズ社に買収される(2007年)
iPad(アイパッド)向け電子新聞「ザ・デーリー(The Daily)」は2012年廃刊 

 

 

両社の会長でもあり、最大株主であり、オーナーである、ルパート・マードックは、利益の90%を生み出すエンターテインメント部門を21世紀フォックスとして誕生させた。

不採算部門であった新聞・出版をロバート・トムソンCEOにあづけ、いつでもバイアウトできる体制を取ったようにも思える。マードックの先代からの生業である新聞出版業をついに見切りをつけたのかもしれない。ただ、ニュース媒体という意味では、FOX TVやウェブ媒体とのシナジーもあるから簡単に切り離しは難しい。しかし、コストのかかるジャーナリストの人員カットはこれでさらに加速化されるのは明確だ。「プレス」という商売がますます成り立たなくなるだろう。

むしろ、一般人の投稿記事で成り立つようなメディアになってしまうのかもしれない。それはそれで広告費用と出版コストが合うのであれば良いという判断をするのかもしれない。新たな新聞・出版の時代になりつつある。 

 

エンターテインメント部門との分社化の話では、ソニーが、ソニー株7%を保有する大手株主の米ヘッジファンドのThird Point社からの提案を受けている。

しかし、平井一夫社長は、取締役会で慎重に協議を重ねると5月から同じ返答のままだ。Third Point社のダニエル・ローブ氏は資産規模130億ドルを運用しており、音楽や映画などのエンターテインメント事業を分社化し、米国で上場することにより、株価を160%あげることが可能と説いている。

そして、生業のハードウェエアやメカトロニクス部門はどうなるのか?

すでにソニーは、ネットワーク部門や、コンテンツとハードウェアとのシナジー戦略に大きく遅れを取っているのであれば、上場益で再度、エレクトロニクスで勝負できる体制をつくるのもひとつの方法だと思う。利益を他で稼いでもらう体質が、従来のソニーらしさを生めない原因かもしれない。

 





 

 

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