Apple Car Apple WATCHに関する気になる情報アップデート

自動車市場について

❏Jean-Louis Gassée(AppleのOB、Be創業者)は、自動車と携帯電話端末(スマートフォン)の市場規模や利益率などを比較して「iPhoneほどもうからない自動車の分野にわざわざAppleが参入するものか」などといった趣旨のエッセイを公開。Gasséeはこのブログ記事のなかで、Benedict Evans(現Andreessen HolowitzのVC、元々は携帯端末分野を専門とするアナリスト)が発した下記のTweetを紹介している。

❏Gasséeはブログ記事のなかで「前四半期の売上がAppleは600億ドル超、それに対してGMのそれは400億ドル程度」と記している(正確にはAppleが746億ドル、GMが396億ドルだったそうだ)。

❏General Motorsで2014年まで最高経営責任者(CEO)を務めていたDan Akersonという人物も、「自動車の世界は皆が思っているよりは大変だ」「『経営者として携帯通信端末と自動車のどちらをとるか?』といわれたら、販売台数も断然多く、利益率も高い携帯通信端末のほうをとる」などとBloombergにコメントしていた(この記事中には、AkersonがGMの再建を引き受ける前、MCIやNextelといった通信業界大手で社長やCEOを務めていた、という説明書きがある)。

❏WSJあたりでは「iPhone依存の脱却狙い」でAppleが電気自動車開発に着手したのだろう、といった記事をいまだに見かける。また「Appleがバッテリメーカーの米A123 Systemsから開発部門の主要メンバー4人を引き抜き、そのせいでA123 Systemsから訴えられた」というニュースも出ていたので、Appleが電気自動車関連の人材を集めているのも事実かと思われる。

❏Appleは「他人がつくったインフラにのっかる」のがとても上手だった。そういう「機に乗じる巧みさ」は、例えばiPhoneの本格的成功のきっかけとなった「iPhone 3G」投入時にも見られたし、最近の「Apple Pay」にしても同様だろう(米国でのクレジットカード取り扱い責任に関する法律の変更や、それに合わせた新型POS端末への切り替えの流れなど)。これを裏返すと、「Appleは割の良くないインフラ整備などはまだやったことがない」ということにもなる。

 

❏「無料で急速充電できるスーパーチャージャーステーション(Supercharger station)の数が、米国の150カ所、欧州の120カ所に対し、中国にはまだ52カ所(20都市)しかない」「Model Sに対応する充電スタンドを備えた施設の数も約70都市に800カ所程度(スーパーチャージャーステーションは含まず)」「中国の特に都市部では集合住宅に住む人も多く、Tesla製の急速充電装置(おそらく電圧を高めるための変圧器を含む)を設置しようと思っても一戸建ての場合のように簡単にはいかない(自宅にガレージがある場合も多い米国とは事情が異なる)」「しかたがないので、Model Sのオーナー同士が『QQ』『Weixin』などのチャット(SMS)を介して情報交換したり、充電装置を融通しあっている」「Telsaの社員でさえ、遠方の街に出張してバッテリ切れになりかけ、QQで助けを求めた(幸い別のTeslaオーナーが近くで見つかり、充電させてもらうことができた)」等々のエピソードなどが並んでいる。

❏「いま中国で10万ドル以上もするようなModel Sを買うのは、お金持ちのアーリーアダプター層」「何台もクルマを所有できるから、Teslaの充電インフラの問題などはさほど気にしていない」、そして「中央政府でも電気自動車の普及に積極的だから、充電インフラの問題が解決するのも時間の問題だろう」といったオーナーの見方も紹介されている。なお、中国政府の掲げる電気自動車(プラグインハイブリッド車を含む)の普及目標台数は、今年が50万台、そして2020年には500万台となっている。

❏自動車産業のシェア

iPhone6は2015年の第一四半期(2014年10,11,12月)だけで7,450万台を売り上げた。Appleの年間連結での売上(2013年)は、1709億1,000万ドル(※17兆910億円)

米国全体の自動車の保有台数は約2億5,000万台、そしてそのうちの約5%強が毎年更新(逆算すると耐用年数は20年弱)すると、クルマの需要1,500-1,600万台のうち1,300万台程度は買い替え需要である。
買い替え市場だけでも、1台あたり中古自動車150万円ならば、年間で、19兆5000億円市場となる。

米国の自動車産業だけで、Appleの売上とほぼ同等の市場がそこには顕在している。
AppleWATCHが狙える時計産業市場規模は、全世界の時計産業は、466.5億ドル(4兆6650億円)~600億ドル(6兆円)でしかない。Appleの年間売上の35%でしかない。この時計市場の10%のシェアを確保しても3.5%しか売上に貢献しない。

❏今後の自動車産業を考えた場合、2020年(5年後)以降をピークとして、化石燃料であるガソリン車の需要は下降し、ハイブリッドから電気自動車へと変化しつつある。

長いスパンの市場で見ると、2050(35年後)年には、ガソリン車は50%を切るそうだ。

2020年がガソリン車のピークその後は減少する
2020年がガソリン車のピークその後は減少する

IEA/ETP2012経済産業省自動車戦略2014(仮)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20150216-00043077/

Tesla MOTORSについて

❏「Apple Car」に関するこのWSJ記事が出る前日に、Tesla Motors(Tesla)の決算発表のニュースが流れていた。「Model S」の2014年10-12月期の販売台数が自社の目標より約1300台ほど少ない9834台にとどまり、「投資家筋をがっかりさせた」といった見出しの記事がいろいろなところに出ていた。またこれと前後して、Teslaが「大きな期待外れ」となっている中国拠点の人員整理に着手したといった話も流れ、なかには「3カ月間で120台しか売れなかった」という話もあった(人員整理=幹部の解雇も当然の措置といった状況らしい)。
❏「Model S」の中国への輸出台数は「累計で約3500台」とBloomberg記事にはあるので、販売開始(受注スタートは2014年春)当初はそれなりの数(少なくとも1四半期あたり数千台)の注文があったということが推測される。また後述するNYTimes記事のなかには、「初年度の目標台数が5000台」だったという一節もある。

❏方向転換(「ピボット」)をTeslaが自動車の分野でもする可能性がはたしてあるのか。もう少し具体的にいうと、Teslaが最終製品(電気自動車)ビジネスでの犠牲をある程度覚悟してでも、GigaFactoryへの投資を生かそうとするような判断を下す局面がくるのか……。Apple Carの可能性を考える上で、そのあたりのTeslaの動きは注目点の1つとなるかもしれない

❏電気自動車の分野を携帯通信分野にたとえれば、「まだ基地局がぼちぼち建ち始めている段階」といったところになろうか。TeslaがSupercharger station(「基地局」に相当)を自前で展開しつつあるのは前述したとおりで、Appleが本気で電気自動車をやるとなれば、この面倒なインフラの展開まで自分たちでやるか、それとも他者による展開がある程度進んで製品投入の「機が熟す」のを待つか、ということになるはず。

❏Apple-Teslaという組み合わせは一部のシリコンバレー関係者のツボにはまるものらしく、Jason Calacanis(2000年代前半にWeblog Incを創業、のちにAOLに売却。現在はエンゼル投資家)あたりは「Appleが18ヶ月以内に750億ドルでTeslaを買収する」という希望的観測をMediumに設けた自分のブログに書いていたりする。

❏TESLAの買収というアイデアがあっても良いだろう。時価総額で比較してみると…
Appleの時価総額Market Cap: 740.21B
7400億ドル ※74兆円

TESLAの時価総額Market Cap: 25.57B
250億ドル  ※2.5兆円

AppleはTESLAの30倍の企業規模なのだ。Appleの時価総額比率でいうと3.4%である。これは35年後の市場を考えた場合の投資価値は非常にあると考えられる。逆に今なら買えるが今後はTESLA株の上昇によっては買収できなくなる簿価をつけるかもしれない。200ドル前後のTESLA株なら30%出資でも75億ドル(※7500億円)だ。
Appleにとっては四半期の純利益84億ドル(※8,400億円)と大差がない。独自にEV市場を狙うよりも、TESLA&Appleブランドの次世代カーコンセプトは期待値も上がるのではないだろうか?
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20150216-00043077/

ソーラー電池事業について

❏Telsaに関する話題でもうひとつ目を引いたのは、同社が据え置き型蓄電装置(stationary battery)の普及にさらに力を入れる考えを示しているというもの。Muskが会長を務めるSolarCityという太陽光発電関連のベンチャーが、家庭や小規模な事業所向けにTesla製のバッテリを提供していること、またTelsaが「GigaFactory」と称する巨大なバッテリ工場の建設を計画していることは以前に触れていた通りだが、12日付のBloomberg記事には同社がこのstationary batteryに関して「ほぼすべての電力会社(utilities)と話し合いをしている」とするTeslaの最高情報責任者(CTO)のコメントが載っている。

米国には大小あわせて2000社くらい電力会社があるという話も聞いたことがあり、この場合の「ほぼすべて」がどの程度の規模の事業者を指しているのかはよく分からない。

❏ただカリフォルニア州を筆頭として電力会社に再生可能エネルギーの達成数値を具体的に定めているところも複数ある――例えば加州大手の1つであるPG&Eでは、2020年までに約1.3ギガワット(100万世帯分)分の蓄電装置購入が義務づけられている、という一節もBloomberg記事中にあるので、Teslaとしてはそうした客筋もしっかり押さえて「GigaFactory」の稼働率を確保したい、ということだろう。

❏ SolarCityは、基本的に既存の電力、ガス会社と顧客を奪い合う競合関係にある。SolarCityのビジネスを「分散型の発電所」とする見方・評価の仕方も目にした覚えがある。その点を考えると、Teslaが電力、ガス会社に据置型蓄電装置を供給するというのは、かなり大きな方向転換にも思われる。また、20億〜30億ドルともいわれる莫大な投資をして「GigaFactory」を実現させるとなれば、それくらいの柔軟性も持ち合わせていなくてはならない、という解釈もできるかもしれない
http://japan.zdnet.com/article/35060702/

Apple TAITAN member

❏Appleの自動車部門のトップ、Steve Zadeskyの下に集まった社員の中には、ダッシュボード情報提供ソフトウェアのCarPlayの改良版を作ったり、将来のMacノートパソコンやiOSデバイスで使うためのリチウムイオン電池の改善に必要な範疇はるかに超える才能の持ち主が含まれていいた。

雇用者リストには、自動車に強く特化して応用の可能性が比較的小さいスキルの持ち主が見つかった。たとえば、Robert Goughは以前AutoLivの設計責任者として自動車の「能動的安全」技術に関わっていた。Hugh Jayは、モータースポーツ、商用車、および航空製品の変速機とギアポックスに関わっていた。Mujeeb Ijaz(最近のA123システム訴訟に名前が挙がっている)は、元A123システムの自動車製品責任者で、Fordでは電気および燃料電池自動車技術の責任者だった。David PernerもFord出身で、新型自動車のエンジニアリングに関わっていた。そして、Fernando Cuhnaは、GMで内装およびトリムのデザインを担当していた。

http://jp.techcrunch.com/2015/02/20/20150219apple-car-new-hires/

AppleWATCH の機能制限?

❏WSJ(Wall Street Journal)が関係者からのリークとして伝えた報道によれば、血圧を測定できたり、ストレスレベルの診断まで可能になるとされていた、数々のApple Watchの高機能センサーが、ユーザーの体質や着用スタイルによって測定値に誤差が生じる問題を克服できなかったため、4月に発売される初期出荷モデルには非搭載とせざるを得なかったと言われています。すでに他社製のスマートウォッチでも幅広く採用されている、心拍数や歩数などを測れる簡易センサーのみが搭載される仕様に落ち着くそうですよ。

❏この複数センサーの非搭載決定によって、高性能ヘルスケアキットとしての位置づけは厳しくなってしまうApple Watchは、単なるiPhoneのコンパニオン端末を超える存在になれるのかという大きな課題が突きつけられることにもなりますが、それでもWSJは、アップルが4月の発売時に500万台から600万台を用意し、好調な売上げを予測しているとする関係者の談話も伝えています。

http://www.gizmodo.jp/2015/02/apple_watch_38.html

AppleWATCH EDITIONの値段は50万円以上?

❏Apple Watchですが、その販売価格はいまだにはっきりとしていません。一番廉価なスポーツモデルが349ドル(約4万2000円)なことだけはわかるんですけどね…。

そんな中、ウォール・ストリート・ジャーナルがApple Watchのゴールドモデルは4000ドル以上(約47万6000円)にもなると報じているんです。うーん、コレはちょっと高いぞ。僕には50万円を用意する金策が思い浮かびません。でも、「高級腕時計が約50万円」と聞けば、そんなものかなぁと思ってしまうのも事実。人とは違うものがほしい、セレブリティな方には決して無茶な価格設定でもなさそうです。
http://www.gizmodo.jp/2015/02/apple_watch_gold_model.html