AppleがTESLAを買収するシミュレーション

株主総会で相次ぐ質問! アップルの次なる狙い、テスラ買収はあるか?
http://www.gizmodo.jp/2015/03/post_16686.html

Apple、高級EVテスラを買収か?米地元紙が報道
http://news.livedoor.com/article/detail/8544691/

Appleが電気自動車で、自動車産業に参入するのは、それほど難しいものではない。むしろ参入した後の展開だ。複雑な販社の仕組みやイノベーション、電気ステーションなどのインフラ整備。電気自動車は作ることよりも、環境を育てることのほうが問題なのである。

しかし、今後の自動車産業を考えた場合、2020年(5年後)以降をピークとして、化石燃料であるガソリン車の需要は下降し、ハイブリッドから電気自動車へと変化しつつある。

長いスパンの市場で見ると、2050(35年後)年には、ガソリン車は50%を切るそうだ。

2020年がガソリン車のピークその後は減少する
2020年がガソリン車のピークその後は減少する

IEA/ETP2012経済産業省自動車戦略2014(仮)

この長期的な試みを考えた場合、TESLAの買収というアイデアがあっても良いだろう。時価総額で比較してみると…

Appleの時価総額Market Cap: 740.21B

7400億ドル ※74兆円

TESLAの時価総額Market Cap: 25.57B

250億ドル ※2.5兆円

AppleはTESLAの30倍の企業規模なのだ。Appleの時価総額比率でいうと3.4%である。これは35年後の市場を考えた場合の投資価値は非常にあると考えられる。逆に今なら買えるが今後はTESLA株の上昇によっては買収できなくなる簿価をつけるかもしれない。200ドル前後のTESLA株なら30%出資でも75億ドル(※7500億円)だ。

Appleにとっては四半期の純利益84億ドル(※8,400億円)と大差がない。独自にEV市場を狙うよりも、TESLA&Appleブランドの次世代カーコンセプトは期待値も上がるのではないだろうか?

そして、テスラモータースを買収すると、逃げられた150名のApple元社員を取り戻せる可能性も強い。少なくとも、イーロン・マスクCEOを取締役に招くと、さらに、サンフランシスコとロサンゼルスをむすぶ超音速列車「ハイパーループ」や「スペースX」などのオプションももれなくついてくることだろう。

Appleが、イーロン・マスクを共同CEOクラスで招くというような強力な提携を超えたリクルーティングならばM&Aで、自動車業界を席捲する可能性は非常に大きくなる。

かつてジョブズは、Appleの役員にこんな言葉を浴びせたことがある。

君はわかっていないよ。テスラは中身の構造が非常に美しいんだ。それにあれは単なる自動車としてとらえるべきではない。すべてのプラットフォームがテスラの手になるものなのだから

ティム・クックCEOがその場で聞いていたかどうかは不明だ。

自動車産業のシェア

iPhone6は2015年の第一四半期(2014年10,11,12月)だけで7,450万台を売り上げた。Appleの年間連結での売上(2013年)は、1709億1,000万ドル(※17兆910億円)

米国全体の自動車の保有台数は約2億5,000万台、そしてそのうちの約5%強が毎年更新(逆算すると耐用年数は20年弱)すると、クルマの需要1,500-1,600万台のうち1,300万台程度は買い替え需要である。

買い替え市場だけでも、1台あたり中古自動車150万円ならば、年間19兆5000億円市場となる。

米国の自動車産業だけで、Appleの売上とほぼ同等の市場がそこには顕在している。

AppleWATCHが狙える時計産業市場規模は、全世界の時計産業は、466.5億ドル(4兆6650億円)~600億ドル(6兆円)でしかない。Appleの年間売上の35%でしかない。この時計市場の10%のシェアを確保しても3.5%しか売上に貢献しない。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20150216-00043077/