インドのスタートアップ20選 (Forbes JAPAN) 


❏デリヒブリー(DELHIVERY)EC向け物流サービス。2010~11年のインドEC勃興期に乗じて急成長、1.2億ドルを調達。高度なシステムの提供もウリ。2011年創業。

❏フリップカート(FLIPKART)企業価値110億ドル(国内最大)、インド・ユニコーンの筆頭。当日・翌日配送、30日保証、代引を導入した国内ECの草分け。2007年創業。

❏ゾマト(ZOMATO)レストラン検索&レビューサイト。国外拠点も5つあり、インド発ECのユニコーンとしては黒字化する最初の企業と目される。2008年創業。

❏ワン97コミュニケーションズ(ONE97COMMUNICATIONS)インドの電子決済最大手。モバイル決済プラットフォーム「Paytm」を運営するユニコーン。アリババなどが出資。2000年創業。

❏金融インフラの整っていない新興国ほど、FINTECHの恩恵は大きい。インドの農村部や地方では銀行の支店やATMは少なく、銀行口座をもつ国民は全体の6割ほど。クレジットカードの普及率も5%以下といわれる。いまだ現金取引が中心のインドにおいて、決済手段として普及し始めているのが「Paytm」。スマートフォンのアプリなどを使い、実店舗での買い物、携帯電話代や公共料金の支払、また送金もできる。銀行口座がなくても、現金でのデポジットが可能だ。利用者は日本の人口と並ぶ1億2,000万人、月間トランザクションは9,500万件。

❏オヨルームズ(OYO ROOMS)低価格ホテル予約サイト。厳しい基準を満たしたホテルにのみOYOブランドを与え、サイト掲載。CEOは22歳、調達額225億ドル。2013年創業。

❏ドゥルーバ(DRUVA)シリコンバレーで急成長中のインド発クラウド型データ保護企業。全世界4,000社以上にサービス提供。日本法人も。2008年創業。

❏ドックスアップ(DOCSAPP)医師によるオンライン診察、それにもとづく薬の注文や検査予約までできる医療アプリ。調達総額1,200万ドル。2013年創業。インドの医療インフラは問題山積。ゆえに医療にまつわるスタートアップが多く生まれており、インドのヘルスケア企業1,100社のうち半分は、ここ5年の間に創業したとされる。主要な問題のひとつは、地方や農村部の絶対的な病院・医師不足。この社会課題の解決を目指すのがドックスアップだ。彼らによると、72%の健康問題はオンライン診断で対処できるという。現在500人以上の医師が登録しており、平均15分以内に診察可能。チャットや写真の送信などで診断を受けたあとは、ワンタップで薬が買えたり、3,000を超える提携検査機関が予約できる。

❏ミューシグマ(MU SIGMA)ビッグデータ解析の大手。在インド3,500名のデータサイエンティストが消費者動向などを即時解析。調達額2億ドルのユニコーン。2004年創業。社是は「DO THE MATH」。世界のトップ大学や大学院を卒業した優秀な人材が、日本や欧米諸国と比べると低コストで分析業務にあたるという「オフショア型」のメリットを生かす。ミューシグマは彼らを「データサイエンティスト」ではなく「ディシジョン(意思決定)サイエンティスト」と呼ぶ。

❏米ウォルマート、マイクロソフト、ファイザーを含め、世界の有力企業「フォーチュン500」のうち140を超える企業を顧客にもち、大企業の意思決定を左右する高度な分析を担う。現CEOは創業者である夫の会長就任に伴い現職となったAmbiga Dhiraj(40)。

❏ワークインディア(WORKINDIA)スマホの位置情報をもとに、工場・技術系の人材と企業をマッチングするマーケットプレイスを提供。BEENEXTなどが出資。2015年創業。

❏グレイオレンジ(ROBOTICS GREYORANGE)物流倉庫に特化したロボット技術メーカー。仕分けロボ「ソーター」と搬送ロボ「バトラー」で昨年から世界市場にも進出。2011年創業。

❏「ネットスーパー」アプリや配車アプリも

❏ドゥルーム(DROOM)インド最大の新車・中古車マーケットプレイス。二輪から中古車への乗り換え動向に乗じて急成長。4,300万ドルを調達。2014年創業。経済成長に伴いインドの自動車市場が好調だ。とくに中古車販売台数の成長率は新車を上回り、12年には販売台数ベースで同規模となったと試算されている。中古車購入は二輪からの乗り換え層が6割を超えるとされ、中間層の拡大が顕著だ。この波に乗るサービスのなかでも最大手がドゥルーム。

個人、ディーラー、ブローカーが入り交じるマーケットプレイスだ。モバイルとの親和性、評価やレビューはもちろん、信頼性を担保する機能を数多く搭載して急成長。月間流通総額は1,200万ドル、モバイルアプリのダウンロード数は累計300万件を超える。

❏ディップタブベンチャーズ(DIPTAB VENTURES)オンラインで24時間手配できるBtoB/BtoCトラック物流サービス「Letstransport」を運営。正確さ、安さ、簡易なUIで急成長。2015年創業。

❏スナップディール(SNAPDEAL)後発ながらモバイル層を取り込みフリップカート(B)、Amazon.inに並ぶ大手ECサイトに。ソフトバンクが6億ドル出資。2010年創業。

❏プラクト(PRACTO)医師検索&予約サービス。独自のアルゴリズムとレビューによるレーティングも。アジアほかブラジルなど5カ国で展開。2008年創業。レジーラド(LAZYLAD)ご近所の店からモノが届く「ネットスーパー」アプリ。食品や日用品を4クリックで注文、90分以内に宅配。調達総額50万ドル。2014年創業。

❏レジーラドは、いわゆる「fugalinnovation」を体現したスタートアップといえる。最少の資源とコストで、最大の価値を機敏に生むイノベーションのことだ。彼らは自らのモデルを、「Eコマース、Mコマースを超えた、N(Neighbourhood)コマース」と呼ぶ。

❏大型調達・買収を続けたローカルデリバリー「PepperTap」が設立1年半で経営破綻し、同「localbanya」が規模を縮小するなか、高度なテクノロジーによって、より地域に即した持続可能性のあるイノベーションを叶えつつあるLAZYLADに、投資家たちは大きな期待を寄せている。

❏ハッカーアース(HACKEREARTH)インド最大のエンジニアデータベース&マッチング。Eラーニングの提供やコンペにより正確なスキル評価が可能。2012年創業。

世界のソフトウェアエンジニアは1800万人、そのうち270万人がインドにいるといわれる。そんな理系人材の宝庫において、エンジニアのスキルを正確に査定し、ギャップのない企業マッチングを目指すのがハッカーアースだ。

オンラインで問題を解くことによってスキルが査定され、企業はその情報をもとにエンジニアにコンタクト。採用が決定したらフィーを払う仕組みだ。企業独自のコンテストによる特定のスキルの見極めも可能。また、世界中のエンジニアによる練習問題やチュートリアルなどが大量に共有されており、教育の場としての機能も。

❏ショップクルーズ(SHOPCLUES)マーケットプレイス型のECの国内パイオニア。GIC(シンガポール政府投資公社)などから1.3億ドルを調達したユニコーン。2011創業。

❏クイカール(QUIKR)個人や零細企業が物やサービスを売買するための広告を、無料で出せるクラシファイドサイト。2008年創業のユニコーン。

❏ノーブローカー(NOBROKER)モバイルに特化したC2C不動産マーケットプレイス。仲介手数料無料で賃貸・売買ができる。調達総額1,300万ドル。2014年創業。

❏ANIテクノロジーズ(ANI TECHNOLOGIES)タクシー配車アプリ「Ola cabs」を運営するユニコーン。ソフトバンクやセコイアなどから10億ドル以上を調達。2010年創業。

各国を席巻したUBERがインドに進出したのは2013年。高級車送迎が浸透しなかったため庶民向けサービスにシフトし、2015年には10億ドルを追加投入した。結果はどうか。市場価値50億ドル企業「Ola cabs」のシェアの半分すらも勝ち得ていないのだ。「Ola cabs」は11年の設立から5年で100都市を網羅し、車両40万台を保有。特長のひとつは、充実したドライバー支援プログラムだ。車両の少額リースや低金利ローンなどを用意し、英語が話せないドライバーのために貸与デバイスを9つの現地言語に対応させた。また、電子決済サービスも好調。

情報源: 世界が注目!インドのスタートアップ20選 (Forbes JAPAN) – Yahoo!ニュース