波乱万丈の東京都知事選挙候補。政党の推薦だけで都知事を決めてよいのか?


2016/07/12

参議院選挙が終わり、都内1.4万ヶ所での選挙ポスター板が変わる。たった1人の都知事を選ぶために、また50億円かけた選挙が始まる。
東京都内では、参議院選挙のポスター板を撤去して、東京都知事選挙のポスター板となった。使いまわしできなかったのだろうか?

野党統一候補としての鳥越俊太郎氏

2016年7月12日火曜日、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が、参議院選挙の国政の結果を受け、急遽、都政の都知事選挙に出馬するという。出馬の決意は、昨日決めたそうだ。
まず、参院選の選挙結果の改憲が多数という理由で出馬という時点で視点が都民の為となっていない。

野党統一推薦予定の古賀茂明さんと協議するつもりが、急遽、今日になって鳥越さんと協議となった、宇都宮候補。
民進党は、古賀さんよりも、鳥越さんのほうが勝てる候補と見込んでの、急遽戦略の変更だった。なんとドライな判断なんだ。古賀さんも積極的に鳥越さんを支援するとのオトナな対応をおこなった。

民進党は、宇都宮氏が、「小池百合子化」することを懸念しながらも宇都宮候補への辞退要請。
しかし、3度にもわたり、都知事選挙で戦い。98万票を獲得してきた次点候補としての実績のある宇都宮氏。おいそれとは引き下がれないのだ。しかも2日後には公示日だ。とんだドタバタ劇に巻き込まれる。

できるものならば、すんなりと宇都宮さんに辞退をのんでほしいと思うが、じっくりと準備を進めてきている宇都宮さんも、昨日突然、決めたばかりの候補といきなり交代という訳にもいかない。そう、選挙は支援してくれる組織もあり、母体もあるので、候補者といえども一存で決められない。

もしも、筆者が野党統一の幹部ならば、宇都宮さんにもメリットのある辞退方法を提示するしかないと思う。それは、鳥越さんを補佐する副知事として、鳥越さんと一緒に選挙を戦ってもらえないかという要請なのではないだろうか?それであれば、宇都宮さんの政策としての立場や組織は報われる。宇都宮さんのメンツも一応は保てる。

しかし、たったの一日でそんな即席で都知事コンビを作られても東京都民は困る。党が推薦するということは、全責任を持って推薦してもらわないと困るのだ。とりあえず勝てないとことには、はじまらないと考えているとしか思えない。

現在の党の判断は、勝てる候補なら誰でも擁立したいというのが本音だろう。しかし、この根本的な発想がとてもおかしい。都知事にふさわしい候補を勝てせてこそ、党の擁立し、推薦する候補でなければならないのだ。

誰が為の政党なのだろうか? 都民の為に動いているとはとても思えない。今いちど、自党の政策は都民の為のものになっているかを自問自答していただきたい。

メディアが主要候補を勝手に決めてよいのか?

TBSのNスタでは、さっそく都知事注目の4人がスタジオ生出演 と題した対談をおこなった。
さきほど、声明した鳥越候補も含まれている。

この対談の中で、宇都宮候補は、公示日までに出馬の意向を仲間と相談すると発言した。この時点で、報道されるべき候補者といえるのかどうかが怪しくなっている。
テレビで、注目や主要とかのラベルづけで公示日前から、他の候補と差をつけるのはかなりの問題があると考えている。
泡沫候補を決めるのはメディアではなく有権者だと思う。都政について政策を自由に語ってもらい、有権者がその発言から判断すればよいのだ。
メディア側で、討論会を開くのであれば、供託金300万円を支払い、選挙管理委員会から許可をえた候補者はきわめて平等に公平に扱うべきだ。それでないと、メディアそのものが、一部の候補者の利益供与に繋がる電波の寄付行為で、公職選挙法違反ではないだろうか?

そもそも、選挙報道は、有権者が候補者を決めるための情報提供であり、メディアはできるかぎりすべての候補者の情報を正しく伝える義務がある。

視聴率を稼げるワイドショーではなく、選挙としての報道は、バラエティと一線を画すべきだ。
そして、都知事を決めるのも政党ではない。政党の推薦された候補だけを本当に選んで、都政は本当に改善されるのだろうか?

本当に都知事になってもらいたい人かどうかを、推薦やメディアに左右することなく自分の意思で選んでいただきたいと思う。