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「情報は自由になりたがる」スチュワート・ブランド Information want to be free by Stewart Brand 1984

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Stewart Brand, futurist

一方において、情報は高価になりたがる。なぜなら、非常に価値のあるものだからだ。適切な場所に置かれた適切な情報は、人々の人生を変え得る。またその一方で、情報は無料になりたがる。なぜなら、それを得るコストは次第に縮小していくものだからだ。つまり相反する2つの方向性が存在しているのである。

On the one hand information wants to be expensive, because it’s so valuable. The right information in the right place just changes your life. On the other hand, information wants to be free, because the cost of getting it out is getting lower and lower all the time. So you have these two fighting against each other.
1984 Hackers’ Conference  

そしてクリス・アンダーソン氏は上記の全文を、次のように置き換えてみてはどうかと提案しています:

Commodity information (everybody gets the same version) wants to be free. Customized information (you get something unique and meaningful to you) wants to be expensive.

(誰もが同じバージョンを手にする)コモディティな情報は無料になりたがる。(ある人にとって価値のある姿をした)カスタマイズされた情報は高価になりたがる。

さらにもう少し短くしたバージョンも:

Abundant information wants to be free. Scarece information wants to be expensive.

ありふれた情報は無料になりたがる。希少な情報は高価になりたがる。
http://akihitok.typepad.jp/blog/2009/07/information-wan.html

 

これは、言い換えれば、「お金のとれる情報」と「とれない情報」として考えることができる。それと、同時に、前者は金を生む、もしくは必要とし、後者は、金を生まない、金を必要としない

The right information in the right place 

VS

cost of getting it out is getting lower and lower all the time

 

Commodity information   VS   Customized information

 (everybody gets the same version) (you get something unique and meaningful to you) 

Abundant information             VS           Scarece  information 

 

情報はデータと置き換えることもできる。

いや、あえて、情報は希少(Abundant)であり、データは潤沢(Scarece)であると考えることもできる。適材適所にある高価な情報も、誰もがアクセスできることによって高価でなくなってくる。また、データが潤沢にあることによって、希少な情報が再生産される可能性もあるのではないだろうか?

今から30年前は子どもだったオトナたちが、wikipediaに接していたら、スマートフォンに接していたら、googleを知っていたら、今ごろ、どんなオトナになっているだろうか?

それと同じことが30年後に起きうる。

情報は有料でも無料でもなく、本当の意味での自由になろうとしている。

 

 

 

 

スチュワート・ブランドは、スティーブ・ジョブズが引用した「Stay Hangry,Stay Foolish.」の言葉でも有名になったホール・アース・カタログの発行人であった。

若きジョブズは、このカタログから多くの生き方を学んだ。ウォズとジョブズが通ったホームブリューコンピュータクラブの主催者のフレッド・ムーアは、スチュワート・ブランドから協賛を得ていた。

この実物が、東京都立中央図書館が保管しており閲覧できるが、大判でありカタログというよりも、美術書サイズといったほうがよいほどだ。

 

ジェフ・ベゾスの1万年時計

ロング・ナウ時計の目的は、一万年の間人間の力が最小限で動作する時計を建築することである。時計は奪われることなく、破壊しないように、耐久性のある素材でつくられ、修理するのが簡単であり、時計についての知識が失われる、あるいは、それが個人または可能な将来の文明に価値がないと考えられる場合に備えて、主に価値がない材料でできている。その動力源(または源)は再生可能なエネルギーでなければならないが、同じように、盗まれないようなものでなければならない。時計の試作品は1999年12月31日に起動して、ロンドンサイエンス・ミュージアムで現在展示されている。 財団は、ネバダ州にあるイーリー(Ely)の近くに時計を造ることを望んでいる。 

アマゾンCEOのジェフ・ベゾスは、スチュワート・ブランドの「Long Now Foundation(http://longnow.org/clock/)」に4200万ドル(42億円)寄付をした。

そのプロジェクトが1万年時計

ベゾス以外にも賛同者がいる。

・ミッチェル・ケイパー(協会理事・ロータス創業者)
・ジェイ・ウォーカー(プライスライン・ドット・コム創業者)
・ビル・ジョイ(サン・マイクロシステムズ共同創業者)の協力で、約180エーカー(約73ヘクタール)の敷地を購入。

 

1997年、アマゾンが初めて株主に対して発表したレポートの中で、ベゾス氏は、次のように書いている。

「私たちは長期的な視点にフォーカスしているため、他の会社とは異なる意思決定をするかも知れません。」

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も、1996年に出版された彼の著書「The Road Ahead」の中で、次のように語っている。

「私たちは、次の2年で起こる変化を過大評価しがちである。そして、次の10年で起こる変化を過小評価しがちである。」

 

http://www.asahi.com/tech/sj/long_n/01.html 

●砂漠で動き続ける振り子

 ――「時計」の現状を教えてください。

 「全長9フィート(約2.7メートル)の最初のプロトタイプはすでに(99年末に)完成して、ロンドンの科学博物館に収蔵され、実際に動いている。2番目のプロトタイプはやや大きくて、今年中には完成するはず。いずれも(スーパー・コンピューターの開発者)ダニエル・ヒリスの設計だ。今度は米国内の博物館と話をしようと思っている」

 ――その後のスケジュールは?

 「はるかに時間がかかるのが、(全長60フィート・約18メートル程度の巨大な建造物になる予定の)『マウンテン・クロック』の方だ。設置するのはワシントン山といい、グレート・ベイジン国立公園に隣接しているかつての鉱山。おそらく10年以内にはでき上がるだろう」

 「マウンテン・クロックの特徴は、なかなかたどり着けない、という点だ。この場所自体が、周辺の大きな町からは200マイル(約320キロ)以上離れている。さらに、見に行くには(標高1万フィート・約3000メートルの)ワシントン山を登るしか道はない。丸1日がかりだ。だがその山頂の景色、最古の木と言われる美しいブリストルコーン・パインの森、さらに『時計』がある地下に降りてからの体験、などを味わうことができる。ホテルはないから、キャンプをすることになる」

 ――「時計」は、どのような仕掛けなのですか。

 「誤差は2000年で1日、と精密だ。電気は使わない。動力には気温の変化を使う。場所はネバダの砂漠。しかもほとんどが晴れ間で、日中と夜間の温度差が極めて激しい。この温度差によって伸縮する2種類の金属を使い、『時計』の振り子を動かすことができる。これは極めて少ないエネルギーでまかなえるが、これとは別に、今、何時かを示すディスプレイの動力は、はるかに大きな動力が必要。ネジを巻くとか、人が飛び乗るとか、何らかの人間の力が必要になる」

 「(英国ミュージシャンの)ブライアン・イーノが1万年の間、毎日変化するベルの音色をデザインし、CDとしてもリリースした。10本のベルの音色を組み合わせるアルゴリズムを使っており、これが実際の『時計』のベルの音になるかもしれない」

 ―― 一体いくらかかるのでしょう。

 「マウンテン・クロック自体は、1000万ドル(約11億円)から1億ドル(約110億円)の間。まず、これが一番費用がかさむと思うが、山の地下のスペースを掘削しなければならない。通路や展望、地下で観覧する際の安全対策の施設整備も必要だ。その他には、最初のプロトタイプが80万ドル(約8800万円)、いま製作中のものは100万ドル(約1億1000万円)を超すと思う」

 「マウンテン・クロックに関しては、ミッチェル・ケイパー(協会理事・ロータス創業者)、ジェイ・ウォーカー(プライスライン・ドット・コム創業者)、ビル・ジョイ(サン・マイクロシステムズ共同創業者)からの寄付で、約180エーカー(約73ヘクタール)の敷地を購入できた。だが、『時計』の製作にかかる費用の調達は、これからだ」

●「我々には未来への責任がある」 

ロンドン科学博物館に収蔵されている「時計」のプロトタイプ=ロング・ナウ協会提供

 ――これは、博物館みたいなものになるんですか。それとも、ワシントンのリンカーン記念堂のようなモニュメントに類するものですか?

 「富士山と自由の女神の組み合わせかな。富士山の地下に大仏が鎮座しているイメージでもいい。遥かな時と未来に対する責任ということを考える、そのきっかけを与えてくれるようなものだ。マウンテン・クロックが自由の女神や大仏と違うのは、それが静かにではあるが動いている、という点だ」

 ――時計をどう維持していくか、という点で、約1300年続く伊勢神宮の式年遷宮を参考にしていますね。

 「人々が愛情をもって維持していくことで、正常に機能し、美しい場所であり続ける、そのようなシステムとしての伊勢神宮を参考にしている。例えば米国では、国立公園システムが自由の女神や、4人の歴代大統領の顔を山肌に彫ったラシュモア山を管理しており、これに頼るというのも一つの手だろう。だが、今後数千年にわたってこのシステムが続くかというと、おそらくそれは期待できない。となると、『時計』を維持する人々、組織が改めて必要になる。伊勢神宮は、国としての日本というものが無くても維持されていくだろうか? おそらくはイエス、だと私は考えている。伊勢神宮を維持してきた日本の人々の心の有りようが、それを可能にするのではないか」

 ――このプロジェクトに関し、99年には「THE CLOCK OF THE LONG NOW」という本を出版されていますね。「ロング・ターム・シンキング」という言葉が、やや理解しにくいのですが。

 「約1万年前にさかのぼる農耕文明からこれまで、多くの事柄は、遥かな時間の枠組みで考えられてきた。例えば宗教。宗教はあらゆる世代にわたって、伝統とともに自らの祖先とのつながりを考えさせる。ほとんどの宗教はこのような遥かな時間の枠組みをもっている。だが、その時間軸がやや過去に偏る傾向がある」

 「一方で、現代の我々はより多くの科学的知識を手にしている。例えば地球規模の気候変動や天文学上の変化、といった知識。これらは遥かな時間の中で起こる事象だ。だが生態系や気候や遊星に、将来にわたって一体、何が起きるのか、かなりの程度まで知ることができる。それがわかっている以上、我々には未来に対する責任が生じ、責任ある行動が求められることになる。それこそが、この文明が行き着いた考え方だ。遥かな未来に対する責任。それを考える手助けをするのが、ロング・ナウ協会の仕事だ。『時計』は新たな1万年に向けて、『ロング・ターム』を実体化したツールだ」

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