「大人のシリーズ」×「俺のシリーズ」=ヒットの方程式 

いたるところで、「大人の」とか「俺の」のついた商品を見かけるようになった。(2014/04/16)

「大人のきのこの山 厳選ブレンド」
「大人のたけのこの里 厳選ブレンド」なる製品を見つけた。

内容量64g
http://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2013/detail/20130912_01.html

 

そして、従来の「きのこの山」82g と「たけのこの里」 77g

値段は、本体価格的には、200円と199円と1円違い。某都内コンビニ。なのに消費税込み価格は2円違う。

当然、「大人の」を買う。子供用のパッケージがいやだし、「大人の」しかも「厳選」なのだから…。子供でも、こちらを買うだろう。

そういえば、「大人のシリーズ」の最初は、永谷園の「おとなのふりかけ(1989年)」だったと記憶している。

丸美屋の「のりたま」に代表されるように「ふりかけは子供の食べ物」の概念をくつがえした。
https://www.youtube.com/watch?v=yXJHVItLkfY

当時の「大人の」というのは、ふりかけが12歳をきっかけに食べなくなるという、子どもと大人の明確なマーケティングの違いからだった。

しかし、近年の「大人の」は「大人の科学(2000年〜)」に代表されるように、もはや大人ではなく、ノスタルジーあふれる初老ターゲットだったのかもしれない。

JR東日本は、完全に「大人の休日倶楽部」では、「大人=50歳以上」と定義づけているくらいだ。

そう考えると、今の「大人」というのは、人口のボリュームゾーンが増えてきて、20歳以上ではなく 、「シニアの」と考えたほうがよさそうだ。

そして、20歳以上、シニア未満(50歳未満)の属性をカバーしはじめたのが、

「俺のシリーズ」なのではないだろうか?

シニア層には高級イタリアンも高級フレンチもバブル期から当たり前のようにハレの日、特別な日には利用する習慣がある。

しかし、今の20歳以上シニア未満には、そんな機会がなかった。

だからこそ、高級食材で高級料理だけど、立ち喰い高回転の「俺のフレンチ」、「俺のイタリアン」が外食業界のイノベーターとして席巻してきた。それに釣られて、「俺の和食」などになると、「大人のシリーズ化」へのバリエーションがはかられてきた。

「男前豆腐」もその一貫だ。「波乗りジョニー」に「番長シリーズ」「スンドゥプ野郎」「べっぴん豆腐」…。豆腐界のヌーベルヴァーグの大旋風だ。
しかし、社名は、株式会社三和豆水庵なんて誰もしらない。それでいいんだ。

製品名がわかれば、社名はいらないくらいだからだ。

今度は、その「俺のシリーズ」が、コンビニでも見受けられるようになった。
「俺の大衆化」がはじまった!

これが「俺の草団子」ファミリーマート
http://www.family.co.jp/topics/2014/140401_05.html

これぞ、「俺の」×「草団子」で、目に止まってしまった!!
なんと和菓子に「俺の」がつくだけで、気になるのだ。
和菓子嫌いなボクでさえ。

だけど、甘くない「俺のエクレア」だったら絶対に即買いだった!

「甘くない」「男子も好きな味」が「俺の」の2文字で表現できるのは、いいアピールとなることだろう。

 

「俺の豚玉」。

しかし、こうなると、例外のパターンだ?

「俺の豚玉」 「俺の」×「豚玉(豚タマゴのお好み焼き)」のシナジーが見えてこない。頭の中で味が想像できない。

スーツの3人組のイメージとお好み焼きの関西イメージが融合しないのだ。

このように、「大人の」と「俺の」 が商標が取れない(社会通念上認知されている言葉)ことによって、「大人の=シニア」「俺の=20以上シニア未満男子」のこだわりの、記号化がぶれはじめてきたといえる。

安易な、「大人」と「俺の」乱用は、ヒットの方程式を崩してしまうことだろう。業界全体に、流行とヒットのコンテクストは大事に育てるべきではないだろうか?

なんと、ファミマでは、「俺のエクレアII」があるそうだ!
http://www.family.co.jp/goods/recommend/ore/index.html

 

 

 

 

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