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劇場で3Dで見るべき数少ない映画だと思うが、後の祭り。
Apple TVで400円で48時間のレンタルができるようになった。TSUTAYAでブルーレイで見ることも可能だが、新作なので一泊二日と視聴条件は同じ。 ただし、レンタルとはいえ、特典映像がAppleTVでは視聴できない。やはり、CG満載のこの映画では、特典映像で周辺情報を知っておきたい。
ボクは基本的に3D映画は好きではないけれども、「アバター」と「ライフオブパイ」こそはす3Dで視聴すべき映画だった。
前半1時間は、ややあまり重要なくだりではないが、実際にタイタニックばりに漂流してからが凄い。
シマウマとオランウータンとハイエナとベンガル虎と一緒に狭いボートの中で漂流したとしたら…。
特に、ハイエナの演技が凄いと感じる。船酔いしながらも本能のおもむくままに弱った動物にこそ襲いかかる。そこへ、ベンガル虎のリチャード・パーカーの圧倒的な登場によって瞬時に消え去ることに。
そこからリチャード・パーカーとの漂流生活こそが、この映画の醍醐味だ。
自らの危険からボートではなく、手作りのイカダで共生を考える。ベンガル虎とのシェアライフは悲惨な生活だ。海からは別の危機がせまりくる。生き延びる為にパイは何度となく、神と対話し、いかなる時にも感謝の念を忘れない。
きっと、神はひたむきな彼に対して、向上させるための試練を与え、彼の信仰心を試しておられたと思うしかない。目撃者のいない不思議な体験は信じるに値しない。そんなことよりも、リチャード・パーカーとの別れがあまりにもそっけなさすぎる。
ファンタジーならではの別れの儀式の文脈があるだろう。振り向きもしないトラにしょせん、トラでしかないと思ってしまった。あれだけ極度の体験を共有すれば、たとえ動物でも心がかようはずだ。それを証拠にリチャード・パーカーは、パイに服従したのだから。
無人島にたどり着き、ミーアキャットとの暮らしにハマらなかったのも彼の向上心からだと言えるだろう。極限状態を生き延びていくためには、生きる生への執着心が必要だ。
何の為に生き抜くのか、苦労をしてでも生き延びる姿に、爽やかさと同時に疲れも出る。そこまでして生き延びた本当の意味を問いただしたくなる。動物のCGにもはやここまでくると感動と同時に何も信じられなくなる空虚さえも感じた。
この映画は、見る人の生への執着心によって感じ方が変わる映画だろう。