「環境を変えて刺激を求めたいという強い思いが芽生えてきました」イチローの言葉、マリナーズからヤンキースへ
朝、突然、イチローがテレビで会見し、シアトル・マリナーズからニューヨーク・ヤンキースへ移籍すると発表があった。
野球選手としての38歳は、もう引退直前といってもいい年齢だ。
それでもなおかつ、「環境を変えて刺激を求めたいという強い思いが芽生えてきました」とイチローに言わせたことは、野球がチームプレイであるからだろう。
現在のヤンキースは、絶好調であり、イチローですらレギュラーの座を確保できるかどうかはわからない。
近年の成績は3割打者の名を返上してしまっている。
そこで、イチローは、自分にムチ打ち、タテラインのユニフォームで出直そうとしている。
野球をあまり見ないボクでさえも、イチローのモチベーションはどこにあるのかと常に彼を見る度に感じていた。
地位も名誉も財産も、引退して日本に戻れば、どんな仕事でも簡単にこなせるだろう。役者にだってなれるほどの演技力まである。
古畑任三郎での演技は役者としか思えなかった…。
やはり、イチローのモチベーションは松井選手と同じで、野球をすることが大好きなのだ。体が自由に動かなくても、精神力と経験力で野球をできる時間を延命している。
その時期に、環境を変えて、一からスタートするという選択肢を選ぶ人は少ない。
しかも、一番の競合ライバルがウヨウヨしているレッドオーシャンに飛び込むのだ。
これほど、刺激的なことはないだろう。
あえて、高い目標を設定し、課せることによって、自らの力と残りの野球人生の、最後のしずくまでもを振り絞ろうとしている。
イチローの縦ストライプのユニフォームでの活躍は、たとえ数年でも瞼に焼き付けておきたい。
それは、きっとイチローからの野球人としての日本へのメッセージでもある。
がんばろう!とか、一生懸命とか、努力ではなく、ただ、自分の本能に火をつけようとしている男がそこにはいた。
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE86N01120120724
[シアトル 23日 ロイター] 米大リーグ(MLB)マリナーズからヤンキースへの移籍が発表されたイチロー外野手(38)が23日、シアトルで記者会見に臨み、ファンへの感謝の気持ちを伝え、移籍を決断した理由などを語った。
スーツにネクタイ姿で会見したイチローは、「ファンの方と同じ時間、思いを共有したことを振り返り、自分がマリナーズのユニホームを脱ぐと想像した時に大変寂しい思いになったし、今回のこの決断は大変難しいものだった」と、今の思いを打ち明けた。
移籍を決断した理由については、「自分なりに考え出した結論は、20代前半の選手が多いこのチームの未来に来年以降、僕がいるべきではないのではないかということ。僕自身も環境を変えて刺激を求めたいという強い思いが芽生えてきた」と説明。