「人生を左右する18歳のメディア体験」がMediaSaborに掲載されました。
インターネット紀元前世代(1976年以前の生まれの人)と
インターネット紀元後世代(1976年以降の生まれの人)
という大きな2段階に分けていましたが、さらに1986年以降の生まれの人が社会に影響を与え始め、さらに1996年以降の人がネット上で大活躍しはじめています。
そんな社会を読み解く鍵は、実はティーンネイジャーに慣れ親しんだメディアにあるのではないかという仮説をもとに寄稿しました。
誰もが体験する18歳。しかしそんな18歳のころに、慣れ親しんだメディアこそが、自分が生涯を終えるまでの主役メディアになっていたとは…。
マイケルジャクソンの「スリラー(1982年12月1日)」が発売されてから、なんと25年もの時が経ってしまっている。つまり1/4世紀が経過しているわけだ。
http://michaeljackson.com/
「ベストヒットUSA」を毎回タイマーでセットし、録画したソニーのBetaテープを擦り切れるほど見て、知人と集まりダンスを練習していた。そしてみん
なで一斉にステップを覚えてディスコへ踊りに行く。ビデオの登場によって、難しいダンスもみんなで踊れるようになった。21歳の大学生のボクがそこにはい
た。
それが今では、何の苦労もせずに、「マイケルジャクソン.com」
http://michaeljackson.com/mythrillervideo/
で写真を3枚登録するだけで、自分がマイケルジャクソンになって「スリラー」を踊るビデオを生成でき、知人に知らせたり、自分のブログに貼り付けることができるようになった。集められた素人写真参加ビデオは、YouTubeの公式チャンネルにも晒されているという構図だ。
http://jp.youtube.com/user/mythrillervideo32
元・ディープパープルのボーカリスト、イアン・ギランは、「スモーク・オン・ザ・ウォーター・コンテスト」 http://www.gillansinn.com/contest.php
を
開催した。MP3のカラオケをダウンロードさせ、ユーザーがギターやボーカルを録音し、それをアップロードし、サイトでランキングを競いあう。サイトで
は、いろんなバリエーションの「スモーク・オン・ザ・ウォーター(1972年発表)」を聴いて楽しむことができる。そして優勝者は、イアン・ギランと一緒
のステージでこの曲を演奏することによってこのキャンペーンは終了した。
ジャーニー(1980年代に活躍)のギタリスト、ニールショーンは、バンドのメインボーカルを探していた。ある日、YouTubeに勝手にジャーニーの楽曲をアップロードしているフィリピンのコピーバンド「The Zoo」を発見した。http://www.youtube.com/watch?v=88nfiZ-yy5Q
その時彼は、マネージャーに「このボーカリストをぜひオーディションに呼びたい!」と指示したそうだ。そして、めでたく今では、ジャーニーのボー
カリストには、フィリピン人のアーネル・ピネダ(Arnel
Pineda)が正式メンバーとしてツアーに参加し、レコーディングにものぞんでいる。きっとYouTubeに違法なアップロードがされていなければ彼の
デビューはなかったことだろう。
ボクのティーンネイジャーだったころの音楽たちが、インターネット時代を迎えて大きく変革してリバイバルしている。さらに今年からは、自分で演奏し
たアーティストの楽曲をYouTubeやニコニコ動画、eyeVioにアップロードしても、JRCやJASRACの委託楽曲であれば、違法ではなくなるの
だ。自分が歌うことによって、アーティストに著作権料を還元できるという新しいリスペクトの仕方も生まれることとなった。すごい時代になり始めている。
インターネットの影響力は、デジタルネイティブな人たちが増えることによってさらに増幅されることだろう。それを理解するためには、まず自分の18歳の頃のメディア遍歴をたどってみるとよくわかる。
続きはこちらへ… http://mediasabor.jp/2008/04/18_1.html