企業と顧客における『ジョハリの窓』心理学マッピング

ジョハリの窓とは…

自分から見た自分の認識と、他人から見た自分の認識レベルを下記4つに分類することで、自己理解を深める手法

I 「開放の窓」 自分も他人も知っている自己 公開された自己 Open Self
II「盲点の窓」 自分は気がついていないが、他人は知っている自己 Blind Self
III「秘密の窓」 自分は知っているが、他人は気づいていない自己 Hidden Self
IV「未知の窓」 誰からもまだ知られていない自己 Unknown Self

※1955年夏にアメリカで開催された「グループ成長のためのラボラトリートレーニング」席上で、サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリー・インガム (Harry Ingham) が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」のことを後に「ジョハリの窓」と呼ぶようになった。 ジョハリ (Johari) は提案した2人の名前を組み合わせたもの。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョハリの窓

あくまでも心理学的なパーソナルな自己の認識と相手の認識、そしてそれらの齟齬と、既知と未知の世界のポジショニングマップだ。しかし、このマッピングは、企業と顧客や社会との関係にもうまく収まるのだ。

企業と顧客における『ジョハリの窓』

この『ジョハリの窓』を企業の自己認識に勝手ながらあてはめてみた…。

I ブランド「開放の窓」 自社も顧客も知っているブランドイメージ
Brand
II 噂 「盲点の窓」 自社は気がついていないが、顧客は知っているイメージ
Rumor
III 隠蔽「秘密の窓」 自社は知っているが、顧客は気づいていないHidden Self
Hide Cover
IV 機会 「未知の窓」 自社も顧客も知らない自社の機会
Opportunity

I:ブランド

まずいちばん簡単なのは、自社も顧客も知っているイメージ…。すなわちブランドだ。
自社が思われたい、自社の目標、自社が掲げるヴィジョンどおりに社会は顧客や潜在顧客が認知している状態。
この公開されている自社イメージが一致すればするほど好ましい。

II:噂

問題はこの第II象限だ。
自社が知らないの、ユーザーでの噂、社会の評判。アンコントローラブルな噂の象限。
これはIのブランドイメーの食い違いや、IIIの隠蔽していたイメージなどからの影響を受けやすい
この象限は早く、第I象限へ移動させたい。すでに社会や顧客にしられているので、第IIIの隠蔽は難しい。

III:隠蔽

企業で一番多く、ソーシャル時代で一番嫌われる、自社で認識していながら、顧客や社会には隠しているイメージ。
これが大きければ大きいほど、中にはいってみてがっかり…。外面だけの企業ということがよくわかる。ステイクホルダーやグループ会社もこの第III象限に加担しているケースがあるので、将来的に大きなリスクが伴う。出来る限り、第I象限に移さないと、第II象限の噂へと飛び火していき、致命的な問題となる可能性がある。

IV:機会

企業にとって、一番の機会となり危機となるのが、この第IV象限の機会だ。
自社のIのブランドイメージやIIの噂、IIIの隠蔽を分類整理することによって、はじめて自社で築くチャンスとなる。もちろん、Iのブランドイメージに即する機会もありだが、大きく舵をとり、新たなブランド構築できるのものこの第IV象限なのだ。

Webで診断するジョハリの窓

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4人くらいでテストをすると、自分の「未知の窓」が見つかりそうです

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自社の経営会議で『ジョハリの窓』を考える意味

企業がジョハリの窓を考えるメリットは、第IV象限の:機会を考えることにある。
自社も社会も顧客も認識していないことは、今まで、考えようともしなかったからだ。

そう、認識していないイメージについて考えることは不可能だ。しかし、認識しようとしてみたら何なのか?と考えることが必要だ。実は、すでによくも悪くも噂になっていることもあるだろう。新規事業を考えるにあたり、第IV象限の:機会はとても重要なのだ。