Cristal Intelligence DeepResearch SB OpenAI Japan設立

Cristal Intelligence

ソフトバンクとOpenAI、大企業AI「クリスタル」を日本先行導入 合弁会社設立

まずはソフトバンクグループが“クリスタル”を導入し、ソフトバンクやLINEヤフー、ZOZOなどグループ各社に導入する。その費用は1年間で4,500億円で、OpenAIに支払われる。

孫氏は、「OpenAIは大変な設備投資で赤字だとか言われるけど、たった一社の契約で4,500億入ります。10社で4.5兆。世界にソフトバンクグループ規模の会社は100社あるので、各社がクリスタルを入れると、年間3B(30億)ドル、45兆円になる。十分な利益を生む。その1社目となるのがソフトバンクグループ」と語った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3403f3a0bae1c4e6c7ee529eb5c6fd872cfec2ac

SB OpenAI Japanには、ソフトバンクグループからセールスエンジニアが1,000名規模で移籍。OpenAIからもスタッフが参加予定とする。クリスタル・インテリジェンスの開発機能は米国となるが、トレーニングやファインチューニングのインフラは日本に設置する。(米国でトランプ大統領が発表した78兆円規模の投資)「Project Stargateの延長として、Stargate Japan的に設置する」とした。孫氏は「これからぜひ楽しみにしてほしい。必ず大きな、これからの100年、200年、300年、人類の未来に影響を与えるプロジェクトになる」と強調した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3403f3a0bae1c4e6c7ee529eb5c6fd872cfec2ac

50分バージョン 日本語版  孫正義×サム・アルトマン 対談
2025/02/03

 

 

【スターゲート発表が示す新たなコンピュート革命】

先日の対談では、スターゲートの発表が、今後のAI開発における計算能力拡大の重要性を改めて浮き彫りにした。発表者らは、「多ければ多いほど良い」というシンプルな理念に基づき、従来の限界を超えるコンピュート能力の獲得と、それに伴うモデルの知性向上を強調。急速な技術進歩により、AIは次第に二次曲線的な進化を遂げ、より複雑で高性能な処理を実現する見込みだ。


【高速処理と低遅延で実現するリアルタイム対話】

対談では、リアルタイム性の向上に向けた取り組みが詳細に語られた。具体的には、エッジ環境の活用により、100~200ミリ秒という人間に近い応答速度が実現される点が強調されている。これにより、音声や映像、表情といったマルチモーダルなデータが統合され、ユーザーとの自然な対話が可能となる。今後、各国や地域ごとに適したローカル展開も進められ、セキュリティやプライバシーへの配慮がなされた運用が期待される。


【多様なAIエージェントが切り拓く企業競争力】

AIエージェントの開発に関する議論では、シングルタスクのエージェントから、企業のニーズに応じたジェネティックエージェントまで、多岐にわたるアプローチが紹介された。数億単位のシンプルなタスクを各エージェントに割り当てることで、従来のツールとの差は、電力の有無や自動化の普及に例えられるほどの大きなインパクトをもたらすと指摘される。これにより、業務効率が飛躍的に向上し、企業の競争力が大幅に強化される見込みだ。


【長期記憶と感情認識:AIが人間の文脈を深く理解する未来】

対談参加者は、AIに長期記憶機能を持たせる取り組みについても言及した。音声、映像、表情、さらには感情のトーンまでも数値化し、圧縮した情報として保存することで、次の対話や交渉に活用する仕組みが検討されている。こうした技術革新により、従来のテキストベースの対話を超え、より深い文脈理解と人間らしいコミュニケーションが実現される可能性が高い。


【サイバーセキュリティとイノベーションの両立】

一方で、技術の進展に伴い、サイバー攻撃や不正利用への懸念も一層深まっている。発表者らは、常に1%の悪意ある攻撃者が存在する現実を踏まえ、防御技術の強化と、健全な規制の整備が不可欠であると強調した。イノベーションを阻害しない範囲での適切なルール作りが、今後のAI社会において重要な課題となるだろう。


【医療・教育分野への応用と未来へのビジョン】

医療やヘルスケア分野においては、AI技術が診断、治療、さらには健康管理の革新をもたらすと期待されている。対談では、医療現場での難病治療や健康管理の課題解決に向けた取り組みが強調された。また、教育分野においては、かつては禁止論が唱えられたチャットボットの利用が、今では学習意欲を向上させるツールとして再評価され、今後も積極的な活用が進む見通しだ。いずれも、人々の生活の質向上に直結する技術革新として、未来社会への大きなインパクトが予測される。


【全人類への恩恵を目指す壮大なビジョン】

最後に、対談の締めくくりとして、創業者自身の情熱と信念が語られた。彼らは、単に技術的な進歩を追求するのではなく、「全人類に恩恵を届ける」という壮大なビジョンを掲げ、AIを通じて人々を守り、支援することに注力している。未来に向けた持続可能な成長と、技術革新が生み出す新たな価値が、社会全体に広がることを確信している。

 

質問番号 質問内容 回答内容
1 スターゲートの発表とその意義について、どのように評価されていますか? 発表は非常に素晴らしく、より多くのコンピュート能力が得られることにより、モデルの知性や効率が飛躍的に向上する点が重要と評価されています。
2 以前のAGIに関する質問で、「コンピュートが多ければ多いほど良い」との回答がありましたが、具体的な考えは? コンピュート能力の拡大により、より小さいモデルでも高い知性が実現可能となり、同一予算内でチップ性能を大幅に向上させることができると考えています。
3 モデルの改善速度についてはどのように捉えられているのでしょうか? モデルは年ごとに概ね10倍の改善が進んでおり、計算能力向上とアルゴリズムの効率化により、急激な(いわゆる二次曲線的な)進歩を遂げていると認識されています。
4 スターゲート導入に伴うキャペックス(投資額)への懸念に対しては? 初期投資は大きいものの、知性の向上に伴うリターンも二次曲線的に伸びるため、十分な価値があり、さらなる容量拡大が不可欠とされています。
5 日本を含む各国への展開計画についてはどのように考えられているのか? 日本のインフラにもスターゲートを拡延し、各国のセキュリティや規制を尊重しながら、グローバルな展開を進める方針です。
6 膨大なソースコードの読み込みやリアルタイム処理についての技術的自信は? 自社グループの2500以上のシステムソースコードを含む大規模なデータ読み込みが可能であり、十分な計算能力と低遅延(100~200ミリ秒程度)の実現に自信を持っています。
7 長期記憶機能(会話や感情、映像情報の蓄積)はいつ実現する見込みですか? 2023年中、またはそれ以前に長期記憶機能が実現される可能性があり、感情やマルチモーダル情報の圧縮・インデクシングがキーとなると考えています。
8 人間の感情やマルチモーダルな情報をAIが理解・記憶する仕組みについて教えてください。 音声、映像、表情などの感情情報を数値化・インデックス化し、必要に応じて圧縮を抑えた形で長期記憶に取り込み、次の対話や交渉に有用なコンテクストとして活用する仕組みです。
9 リアルタイムコミュニケーションにおける低遅延の実現方法は? ユーザーの近くにエッジ環境を配置することで、ほぼ人間同等の応答速度(100~200ミリ秒程度)を達成し、円滑な対話を実現します。
10 ローカル展開(国や企業ごとの配置)についてはどのように考えていますか? 各国の安全保障や個人情報保護を考慮し、必要に応じてローカルにモデルを稼働させるなど、地域に密着した運用を行う方針です。
11 AIエージェントの役割とその多様性について説明をお願いします。 シングルタスクから複雑なカスタマイズタスクまで、各企業やユーザーのニーズに応じたエージェント(ジェネティックエージェントなど)を多数展開し、個別のタスクを効率的に遂行させる計画です。
12 AI統合による企業の競争優位性の具体的な効果は? AIエージェントの導入により、業務効率や生産性が飛躍的に向上し、従来のツールとの差は電力や自動化の有無に例えられるほど大きくなると考えています。
13 AIによる仕事の変革や新たな職種創出についての展望は? 従来の単純作業はAIが担う一方、人間はより高次の創造性や戦略的判断が求められる新しい職種にシフトし、全体として社会の生産性が向上すると見ています。
14 サイバーセキュリティや悪意ある攻撃に対する取り組みは? 悪意ある攻撃者への対策は不可欠であり、防御技術の強化と継続的な改善を行うことで、AI技術の健全な利用と安全性を確保します。
15 AIが科学的発見など新たな知識を創出する「イノベーター」としての機能とは? AIは既存の情報を統合するだけでなく、人間の思考プロセスを模倣し、試行錯誤を繰り返すことで、これまで発見されなかった新たな知識や技術を創出する役割を担います。
16 複数のエージェントが連携して作業する仕組みについては? 数億単位のシンプルなタスクを担うエージェントが、各自の専門知識や情報を共有し連携することで、総合的なパフォーマンスを向上させる仕組みを構築しています。
17 医療やヘルスケア分野におけるAIの貢献については? AI技術は、診断や治療、健康管理の革新を通じて、難病の治療や医療サービスの普及など、全人類に対して大きな恩恵をもたらすと期待されています。
18 AIとロボット技術の融合について、今後の展開は? 近い将来、ヒューマンアンドロイドや高度なロボットが実現し、生活や産業、仕事のあり方に大きな変革をもたらすと考えられています。
19 教育分野におけるAI活用について、従来の禁止措置に対する見解は? 当初は禁止論もあったが、実際にはAIとの対話やディスカッションが脳を活性化し、学習意欲や創造性を高めるため、今後は積極的な活用が推奨されるとされています。
20 AIが将来的に感情を理解・あるいは自身で感情を持つ可能性については? 現段階では完全な理解は難しいが、今後数年~10年のうちに、AIが人間の感情を十分に理解し、場合によっては感情を持つようになる可能性があると考えられています。
21 AIが人類に対して脅威ではなく、守る側として機能する理由は? AIは人間を守り、支援するために設計されており、エネルギー源や動作原理が人間と異なるため、人類に対して攻撃的な行動を取る必要はないと説明されています。
22 プロジェクト開始の背景と、創業時の想いはどのようなものだったのか? 創業者は長年にわたりAIに強い関心と信念を持っており、当時は「クレイジー」と思われるほどの挑戦でしたが、その情熱と信念に基づきプロジェクトを始動し、結果として成功を収めています。
23 今後のビジョンや、最終的な目標についてのメッセージは? 人々を幸せにし、全人類に恩恵を届けることを使命とし、情熱をもって技術革新を進め、未来に向けた持続的な成長を目指すという強い信念が示されています。

 

 

 

OpenAIの新AI「Deep Research」、驚異的な進化も課題あり

米OpenAIが新たにリリースした「Deep Research」は、同社の最新最強モデル「O3」を基盤とするエージェントであり、特に「経済的に価値のあるタスク」の処理能力が注目されている。本記事では、その実力と課題を検証した。


驚異的な進化、検索機能で圧倒的な知識収集力を発揮

「Deep Research」は、非常に高度な検索能力を持ち、特に希少な情報を見つけ出す能力に長けている。
例えば、「人類最後の試験(Humanity’s Last Exam)」と呼ばれる難解な知識試験において、ウェブ検索機能を活用した場合に大幅なパフォーマンス向上を記録。人間が92%の正答率を誇る「Guia Benchmark」でも、「GPT-4 with Search」が15%にとどまる中、「Deep Research」は67〜72%を達成した。
9か月間で15%から72%への飛躍的向上を見せており、この成長スピードは驚異的だ。


欠点:「質問攻め」「事実誤認」「人間には及ばず」

しかし、課題も浮き彫りになった。

  1. 「質問攻め」が止まらない
    モデルは頻繁に「確認質問」を繰り返し、時には5回以上の質問を投げかける。その結果、回答を得るまでに時間がかかることが問題視されている。
  2. 基本的な「常識問題」に弱い
    「空間認識」や「常識的な判断」が求められるテストでは、人間に比べて大きく劣る結果となった。例えば、「Cassandraは移動可能か?」という単純な質問にも適切に回答できなかった。
  3. 事実誤認(ハルシネーション)のリスク
    高度な検索機能を持つ一方で、出力された情報が「事実かどうか」の検証には依然として課題がある。例えば、プログラミングベンチマーク「Code ELO」について、「O3 Miniが人間の下位20%にとどまる」と誤った情報を提示した。実際には「O1 Miniですら90%の上位に入る」ため、事実とは大きく異なる。

比較:「Deep Seek R1」や「Gemini Deep Research」との優劣

「Deep Research」は、他の最新AIと比較しても圧倒的な実力を誇る。

Deep Seek R1との比較

  • 「Deep Research」は、「Deep Seek R1 with Search」よりも優れた検索能力を発揮。
  • しかし、Deep Seekは「確認質問」が少なく、ユーザーのストレスが低い。

Geminiの「Deep Research」

  • 「Signal to Noise」ニュースレターの解析では、「Deep Research」は正確な情報を抽出できたが、Geminiの「Deep Research」は情報を全く見つけられなかった。
  • 全体的に精度が低く、比較対象から外れるレベル。

結論:「最強」だが、まだ人間には及ばず

「Deep Research」は確かに現時点で最高レベルのAIリサーチエージェントであり、「知識収集」に関しては驚異的な能力を発揮する。しかし、「事実誤認」と「質問攻めの多さ」という課題が残っており、完全な信頼には至らない。

「針を見つける力」は強いが、「針とネジの区別」がまだ苦手な状態。

それでも、進化のスピードを考えれば、数年以内に「ホワイトカラー職の大部分が自動化される未来」が訪れる可能性は十分にある。
AIの進化が人間の知的労働をどう変えるのか、その行方を見守る必要がありそうだ。