iPhoneダウンロード課金のジレンマを解決する最善の方法

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iPhoneダウンロード課金のジレンマを解決する最善の方法

 

米国時間2009年9月28日に米アップルは、「App Store」におけるダウンロード数が20億件を突破したことを発表した。 

2009年4月の累計が10億ダウンロード、7月で15億ダウンロード、そしてこの2ヶ月間で、約5億件づつ増加していることとなる。毎月2.5億件もアプリケーションがネットからダウンロードされているのだ。

世界中で今日もまた、1日833万件、1分あたりでも5,800本もダウンロードされ続けてきている。

 

さ らにダウンロード可能なアプリケーション数は8万5,000本以上となり、登録しているプログラム開発者も、12万5000人以上となった。平均一人あた り0.68本開発していることとなる。変な例えだが、大阪府の箕面市の市民全員(12万5162人)が、アップルのデベロッパーと同数ということになる。

 

iPhoneの累計出荷台数は全世界77カ国で約3,000万台。

そして、ダウンロードできるiPodTouchの出荷台数は2,000万台。

この2つを合計すると、世界で5,000万台のアプリケーションがダウンロードできるアップルの携帯端末市場が存在している。

単純に出荷台数で割ると、1台のiPhoneやiPodTouchに、累計約40本のアプリがダウンロードされた計算だ。

これはなんとなくイメージできる数だと思う。ボクからすると少ないくらいだ。

 

問題は、その中での無料のアプリ、115円程度のアプリと、そしてそれ以上の金額のアプリとの割合だろう。

個人的には、6:3:1くらいの割合だが、皆さんはいかだだろうか?

 

一方、iPhone/iPod touch用のゲーム・エンターテインメントのタイトル数は、21,178本(comScore調査)となり、iPhoneアプリケーション全体で見ると約28%(発表された当時の7万5,000本から推測)のシェアである。

 

し かし、この驚くことにたったの28%であったとしても、ニンテンドーDS(累計1億台)のタイトル数の5.8倍(3680本)、PSP(累計5,000万 台)の34.8倍(607本)が、iPhone/iPod touch携帯端末から利用することができるのである。5年かけて蓄積してきたDSやPSPに対して、iPhoneはまだ3年弱である。

 

も はや、これはある人にとっては、iPhoneではなく、もうこれは、「iGame」といってもいいゲーム端末なのではないだろうか?もちろんゲーム機能の 処理は専用機には及ばないが、ゲーム機の側面から見ると、Wi-Fi、電話回線や加速度センサー、方向センサー、カメラ、そして音楽にビデオ、メール、 SNSという、無限の広がりは、エンターテインメント端末としての魅力にあふれているといっていいだろう。

 

暇つぶしを求めている人にとっては、最良の友となり、情報収集ツールとして使いたいビジネスマンにとっては、情報の収拾が全くつかないツール状態になっている可能性も高い。iPhoneの使い方スクールがあってもいいと思う。

 

さて、そのダウンロードアプリだが、気になることがある。

実 際に、App Storeでいくら無料と言われても、インストールして起動して動くまでに、2分~5分程度の時間を要する。そして、使い方がわからなくて放置している間 に、また興味あるアプリをダウンロードしてしまう。すでに無料アプリが、たくさんボクのiPhone 3GSにはたまっている状態だ。心理的には、食欲はあるがおなかいっぱいで、また食べる。そして消化不良のアプリケーションのメタボ状態が続いている。時 間のある時に…と思っている時間は永久にやってこないものだ。

 

そこで、ちょっと気になるアプリがあった。価格は115円。無料のソフトで も、しばし考えてしまうのにさらに115円支払ってまでと考える。うーん考える。考える。考える…。ちょっと頭を切り換えようと、自動販売機で、120円 の缶コーヒーをSUICAで購入して、飲みながら115円のアプリの購入を考えている自分がそこにはいた。あれれ…なんか変だぞ!

 

115円のアプリは障壁が高く、120円の缶コーヒーは障壁が低い。このジレンマはいったい何なんだろう?

 

缶コーヒーはSUICAで駅で購入した。財布を出して、お金を入れて、おつりをまた、財布に戻す手間がないだけにとても簡単に購入できる。iPhoneも現金を出す必要がなく、ボクの場合はクレジットカードに課金されている。

 

この状態はSUICAもiPhoneも同じはずだ。

 

缶 コーヒーはその場で飲み干しておしまい。缶の捨て場所くらいしか気にならない。缶コーヒー120円とお小遣い帳につける大人はいない。iPhoneアプリ はインストールされていつでも起動すればいい。バックアップも自宅に戻れば、自動でiTunesから管理ができる。しかも、メールには、金額がいくらでし たというエビデンスが届いている。

 

ジレンマの原因が月末に理解できた。それは、クレジットカードの明細だった。

毎月のクレジット カードの請求書に毎月数百円のiTunesからの引き落としが、目で確認できてしまうからだった。つまり、「これって何のソフトを買ったんだっけ?」と記 憶を毎月反芻していたのである。一ヶ月後に、たった数百円のための記憶をさかのぼり、そしてその価値を消費できたかと自問自答し、反省を感じる。このくり かえしだ。

この心理的な負担は、1万円以上の買い物をするのと、記憶の反芻作業は全く同じだから割が合わない。

 

ある日、その経験をもとに、クレジットカードからの引き落としにするのではなく、AppleのギフトカードをサンクスのEddyで割引できるキャンペーンがあったので、iTunesギフトカードを自分のために購入してみた。

ギフトカードの裏面の銀の皮膜を10円玉でこすって、あらわれたカード番号を打ち込む(これも本当は面倒くさい)。

 

iTunes に、1500円の金額が表示された。実際にアプリや楽曲を購入してみる。いままでの購入する際のジレンマをあまり感じなくなった。どうやら、これは購入し た後に、1. 覚えておいて 2.確認して 3.反省してしまう という負の連鎖が発生しにくい状態になったからだと自己分析ができた。

 

1500 円使い切った後は、クレジットカード課金に切り替わるのだが、そうなると、購入を控えてしまう。これは1500円のギフトをコンビニで購入した時点で、ク レジットカードヒストリーに残らない金額、つまり消費し終わった金額になので、覚えるコストが発生しない消費なのだ。ボクの場合のダウンロード課金のジレ ンマは、その消費が忘れられるかどうかがとても重要だったのだ。

 

また、ある日、iPhoneユーザーでもあり、ジャーナリストである松村太郎さん http://www.tarosite.net/

に 講演を依頼して交通費を現金で渡す機会がなかなかなかったので、iTunesギフトで支払わさせていただいた。メールアドレスさえわかれば、送ることがで きる。これは便利だ。そこで、彼にとっては、もうiTunesギフトにおけるポイントはもう現金と同じ状態なんだと感じた。

 

すると、ボク のようなダウンロード課金にすーっとジレンマを感じている人には、iTunesストアのポイントを積極的に利用させるべく方向転換すべきなんではと思いは じめた。iTunesストアにある程度の金額がチャージされている状態であると、消費に積極的になるのではという仮説だ。立証するには、どのようにすれば いいのか?

 

ボクがスティーブ・ジョブズならば、あと一ヶ月しか生きられないといつも自分に言い聞かせているから、まず、「タブレット型コンピュータ」で本と雑誌の未来を変えることと、もう一つは、iTunesのポイントビジネス化で、お金の未来を変えることだと勝手に妄想する。

 

日 本人の4人に1人は、TUTAYAが運営するTポイントを保有している(53企業・約29000店舗共通ポイントで、Tカード会員数は現在3231万人 2009年9月)。簡単なのは、このiTunesのポイントをCCCと提携して、iTunesStoreのポイントと変換できるとどうだろうか?

Appleが、3,200万人が使っているこのカードで2年間の包括提携で試してみる。

牛角で食べて、ENEOSでガソリンを入れると、すでに、iTunesに数百円のチャージ。それですぐに新曲を2~3曲の購入だ。これなら、ダウンロード課金のジレンマは皆無だ。

iTunesのダウンロードプラットフォームで、AppleがAmazon化することも可能だろう。

 

Appleならば、77カ国で独自の世界的なiTunesストアによる、Appleポイントの展開も当然、考えるだろう。

日本のマーケットだけでない視点は、一番日本人にはイメージしにくいビューポイントだ。

 

ジョブズが、マーケティング上有利だからということでCCCとの提携は選ばないだろう。「世界で通用する理想を追求したビジネスモデル」という壮大なヴィジョンに人々を共鳴させることに彼のモチベーションはあるからだ。

 

すると、世界で通じる巨大なポイント・プラットフォームを作りあげてから、有利な条件で各国の大手のポイント業者と提携することだろう。そこではじめて、シナジーが活かせるだろう。

 

すると、iPhoneゲームでポイントを稼げば、Appleポイントがたまり、iPhoneをかざせばお買い物や支払いを代行できるという経済圏の創造が期待される。もちろん、蓄積されたAppleポイントは、iPhoneやiMacの購入時にはダブルポイントとなる。

 

完全な勝手な妄想ではあるが、自分がもしもジョブズだったら?と考える「妄想力」のトレーニングは、新たなIT社会の未来が見えてくる方法なのかもしれない。

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