ApplePayが抱える日本市場での問題点はフェリカ7億2800万個の普及。
おそらく、Appleが、日本市場だけ特別にという戦略はとらないだろう。
日本でのiPhone比率は69%と高いが、Appleの売上世界シェア比率で考えると明らかに停滞しているからだ。
アップル2014年第3四半期(2014年4〜6月)
https://www.apple.com/pr/pdf/q3fy14datasum.pdf
…とすると通信規格「TypeA/B」のリーダーの普及次第と言える。フェリカ7億2800万個との勝負だ。
まずは、コンビニエンスストアでの「TypeA/B」リーダーの設置が問題となると、「ファミリーマート」が「ApplePay」の先陣を切る可能性が高い。
それにしても、日本が世界に先駆け、独自のFeliCaが進化しすぎたことによって、国際世界と、また違った歩みを取らなくなりそうだ。
◯米国では10月から、マクドナルドやサブウェイといった飲食チェーンや百貨店のメイシーズなど約22万店で使えるようになる。
◯アップルと手を組んだのは、三大決済事業者のビザ、マスター、アメリカン・エキスプレスと、大手の銀行10行など
◯アップル側は決済ごとにカードの発行人(金融機関など)から、0.15%の手数料を得る仕組みになっているといわれている。事実であれば、音楽や映画、有料アプリのダウンロードで3割の仲介手数料を得てきたiTunesの「金融版」が生まれることになる。
◯国内のクレジットカード決済の約70%を支えている金融システムの「キャフィス(CAFIS)」。運営をしているNTTデータは一切公表していないが、すでにビザやマスターといった決済大手の幹部たちと、暗号化したデータの照会方法やシステム設計についての交渉を始めているもようだ。普及のボトルネックになるのが通信規格だ。アップルは、新型iPhoneでの決済に「NFC(近距離無線通信)」と呼ばれる技術を採用。搭載するNFCチップは、オランダの半導体大手NXPセミコンダクターズが供給しており、通信規格は国際標準の「TypeA/B」とされている。
一方、日本国内で東日本旅客鉄道(JR東日本)の「スイカ」や、セブン&アイ・ホールディングスの「ナナコ」、イオンの「ワオン」をはじめ、電子決済の通信規格で圧倒的なシェアを誇っているのは、ソニーの非接触ICチップ技術「フェリカ(FeliCa)」だ。チップの累計出荷数は、昨年末時点で7億2800万個に上る。
TypeA/Bもフェリカも、同じ近距離無線通信技術ではあるものの、相互運用はしておらず、決済にはそれぞれの規格に対応した、読み取り端末(リーダー)が必要となる。そのため、フェリカが主流の日本では、多くの小売店や飲食店で、TypeA/Bの規格に対応したリーダーを、新たに設置するコストが発生してしまう。
最大の障壁は、全国に約5万1400店あり、電子決済の利用が最も多いコンビニエンスストアだ。セブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートの大手3社のうち、レジにあるリーダーでTypeA/Bの規格に対応しているのは、ファミマだけだ。
引用元: アップルが狙う決済の新秩序 日本上陸に向けて広がる波紋 (ダイヤモンド・オンライン) – Yahoo!ニュース BUSINESS.