勝手広告が広告を変える?


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スターバックスの勝手広告

すでに20万PVもたたきだしている。

2年前のブログTVでCGCMとして紹介


ドキュメンタリーでは、「視聴者目線」が一番リアリティを持っている。

「ブレアウィッチプロジェクト」のハンディカメラのブレは、映画の世界を日常レベルに落とし込んだ怖さを生み出し、「クローバーフィールド」では、計算されつくした臨場感を演出している。
この2作品の特徴は、カメラの撮影者として、観客を映画に参加させるからだ。

通常、映画の世界では、肩越しショットで、関係性を見せるために、そこにはいない神の目線で状況を客観的に見せている。だから、観客は、冷静に関係性を見つめながら映画を見ることができる。
しかし、カメラマンの視点になったとたんに、等身大で、映画の世界に観客は引き込まれてしまうという法則性が生まれた。

また、映画の文法的には、必ず映画では、最終的にタネあかしをすることが、お約束だったのが、解説がされなくなってきている映画が増えてきた。

スピルバーグの「宇宙戦争」では、何も状況がわからず、逃げ回るだけ。「クローバーフィールド」もどうしてこんなことになったのかがまったく説明されない。

ナイト・シャラマンの「ハプニング」も事件の原因について一切説明されない。

パニックの現場では、懇切丁寧に説明されるわけがないというのが、米国市民も「911」以降、それを理解した。
マスメディアや解説者の解説も、政府の発表も本当に真実であるという確証をコンシューマーは得る方法を持ち得ていないからだ。
むしろ、下手な解説よりも、事象で何が起きたかを読み取らなくては成らないほうが真実らしくなってきているからだとも言えよう。

そして、それをコマーシャルの世界に置き換えてみたらどうだろうか?。

日用品ならいざ知らず、高額商品をコマーシャルだけで購入する人はすでに皆無になっている。
まず、購入する前にネットで検索してみるという行動をとるはずだ。
そこでも、当然、数社のサイトから、個人のブログ、関連する映像と、購入する前の調べ作業から、すでにショッピングという楽しみはスタートしている。

サイトを検索する中で、競合製品を知り、値段の価格を知り、すでに購入したユーザーたちの意見を参照し、もしも飽きたら、オークションで売ればいくらくらいで売れるのかまで…。

テレビのコマーシャルで見たというのは、すでに、ブランド感や、企業の認知、アテンションまでの仕事までなのかもしれない。

そんな中で、最近、視聴者が作るCGA(Consumer-Generated Ad)という傾向が気になったきた。

以前から、勝手広告とかマッド広告という名で、著作権侵害をしながらというのは多々あったが、メーカー公認というスタンスがふえはじめた。

一番最初の展開は、「不都合な真実」の著者でもあり、元米国副大統領であり、アルバート・ゴア氏の「CURRENT.TV」である。 
http://current.com/

CATVとネットの融合であるこのサイトでは、企業公認の勝手広告を推奨しており、勝手広告コンテストを何度も開催している。

自然環境に関する広告コンテストでは、キャメロン・ディアスがプレゼンターをつとめた。
http://jp.youtube.com/watch?v=SqDdGmAc-k8

そして番組はCATVでオンエアーという出口があるので、「VCC(Viewer Created Content)」
http://current.com/uploads
が登場した。
同様にCNNでも視聴者投稿型ニュースとして、CNN iREPORTER
http://www.ireport.com/
を作る。
さらに、CURRENT.TVは、コマーシャルまで作ることができる「VCA(Viewer-Created Ads)」
http://current.com/ads

が登場している。

文章はブログの登場によって、誰もが、毎日膨大な文章を書く事によって、プロ顔負けの文章家が登場したように、映像の世界も近いうちに、
プロ以上のクリエイティブを持った映像作家が登場してもおかしくないだろう。

現在は、広告主や広告代理店がコントロールしやすいような形で、メディアでの公開となっているが、近い将来その障壁は、正しいものが勝つという論理に変化するかもしれない。

いい製品はあがめ立てられ、広告やマーケティングの力で売れている製品はひきずり落とされるという構図だ。

人々は、検索エンジンでキーワードを打ち、企業サイトよりも、購入した人のコメントや、解説記事を好んで読み、その製品やサービスを購入した後の自分の姿により近い情報を好んで得るようになっている。

2007年から、全米最高額のスポット料金である、スーパーボウルのCMに流れるのが、コンテストで有償した素人の映像だ。

フリトレー社のドリトスの勝手広告だ。
http://jp.youtube.com/watch?v=HUFvJNQ0bnM
3億円もの放映料金を支払って流されたCMだが、話題を呼ぶ事には成功したようだ。

さらに最近の傾向として、顕著なのが、企業からのレスポンス(CM)動画である。

動画共有サイトでのユーザーの勝手な投稿に、プロが答えるという動画である。CMというカテゴリーではないが、結果としてはCMと同じ効果を及ぼすので、
ボクはレスポンスCMと呼びたい。

タイガーウッズのゲームのバグに対して、タイガーウッズまでひっぱりだした EA Walk on Water TigerWoods
http://jp.youtube.com/watch?v=FZ1st1Vw2kY

サムソンの携帯のパッケージを開ける時のワクワク感を表現したSamsung Omunia Unboxing
http://jp.youtube.com/watch?v=QQlzX7EyIwU

これらは、企業からの回答を見せてくれる。

YouTube連動型コマーシャルだ。

テレビメディアを介さないという企業からの勝手広告だ。

日本でもシマンテックが、中川翔子でネットムービーをアップしだした。

永谷園の生姜部では、専務以下、社員が演者として登場し、YouTubeではレシピを公開中

テレビ広告業界が電波料をいただけない、ビジネスモデルがすでにスタートしはじめた。

2008年09月30日、CEATECのPanasonicブースで、ビエラで、YouTubeを視聴した。
マウスで見るYouTubeと違い、リモコンで見るYouTubeは、自動再生で、テレビよりも面白いと思った。

専用ボタンで切り替えるのでなく、チャンネルのひとつにYouTubeが選択されるようになると(絶対にならないが)、
テレビの放送枠ビジネスは本当に考えなければならなくなるのかもしれない。

1  3  4  5  6  7  8  9 10  BS CS DVD YouTube  (世界のなべあつ風にテレビ業界が変わる…)

企業は動画共有プラットフォームと自社サイトへの誘導があれば、CM効果と同じことが低予算で生めることを学習しはじめた時、テレビの一流クリエイターたちは何をなすべきなのか?

日本の最高級のポジションにある地上波放送のステークホルダーたちが、米国のCATVに駆逐された時と同じ状態が、インターネットの中で起きないとはいえなくなってきた。

CMの未来はどうなっていくのだろうか?

クライアント視点を、消費者視点にどれだけ向けられるのかが、一番大切なポイントであることは確かである。テレビ業界はこの現状を視聴率でなく、トラフィックと本当のアイボールでとらえなければならない。

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