任天堂、マリナーズ株を売却 10%残し、かつては55%所有。

91年に経営が立ち行かなくなり身売りを検討していたマリナーズを、周囲の反対を押し切ってポンと約110億円を出して救ったのが当時、任天堂社長だった山内溥氏だった。以降、25年にわたってマリナーズの55%の株式を保有し、筆頭オーナーとして経営を支えてきたが、その山内氏が3年前に他界。任天堂本体の経営が右肩上がりではなくなった状況も手伝って、保有株を手放すことになった。メジャー関係者が言う。

「山内さんは現場にほとんどモノを言わぬオーナーとして有名でしたが、日本人選手に関してだけは別でした。イチローがポスティングでマリナーズに入団したのも山内さんの指令で、11年半プレーしたのも山内さんの意向。イチローはオフに帰国すると必ず山内さんのもとを挨拶に訪れていました。日本人初のクローザーとなった佐々木主浩氏(48)、日本人初のメジャー捕手となった城島健司氏(39)らの入団も、日本人が世界で活躍する場を提供したい、という山内さんの意向でした。その山内さんが生前に周囲に漏らしていたのが、メジャーで『イチロー監督』を誕生させるという悲願。しかし任天堂が筆頭オーナーではなくなったことで、その夢も消えました。00年以降、とだえたことがなかった日本人選手も今後、消えることになるでしょうね」

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任天堂は22日、過半数を保有していた米大リーグ・シアトルマリナーズ運営会社の株式について、10%の保有分を残して6億6100万ドル(約660億円)で地元の既存出資者に売却したと発表した。任天堂は1992年から24年間続いた筆頭オーナーから外れる。マリナーズの最高経営責任者(CEO)、ハワード・リンカーン氏が退任の意向を示したため、球団が地元にとどまることなどを条件に売却の方針を固め、交渉を開始していた。現地時間の20日までに大リーグのオーナー会議の承認を受け、正式な売却の手続きが完了したという。売却益は特別利益として計上する見通しだが、業績への影響は精査中。任天堂は「ビジネスの拡大に活用したい」(広報室)としており、スーパーマリオのアニメ映画といった映像事業や、新型ゲーム機の開発などに振り向けるとみられる。

情報源: 任天堂、マリナーズ株を売却 10%残し : 京都新聞