UMGがMySpace.comを嫌う理由

Universal Music Group(UMG)は米国時間11月17日、膨大な数の音楽やビデオの著作権を侵害しているとして、ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)のMySpace.comを提訴した。
ユニバーサル ミュージック、著作権侵害でマイスペースを提訴 – CNET Japan

ユーザーが自由にエンベッド(埋め込みタグ)できるメディアが増えている。
YouTubeやMySpaceがその代表だ。UMG(ユニバーサルミュージックグループ)は、今回、Myspace.comに対しての著作権侵害の提訴しているが、YouTubeに対しては、他のNBC、CBS、SONY BMGらと同様にコンテンツ配信で提携している。

UMGは、YouTubeに対しては、「コンテンツ識別アーキテクチャ」なるライセンス管理を活用することにより、ユーザーに一部の楽曲の利用まで考えているほどだから、CGMで活用されることに対しての効能は十二分に理解しているはずだ。

YouTube.comが良くて、Myspace.comがダメな理由を考えてみた。

YouTubeは良くも悪くも、色のつきにくいGoogle傘下となっている。メディア企業にとって、Googleは単に検索サイトではなく、ネット上では25%以上のシェアを持つ大手広告代理店なのである。つまり、メディアから見るとクライアントとなる。
かたやMyspace.comは、ルパート・マードック率いるニューズコーポレーション傘下であり、映画、テレビ、ネットと躍進が続き、音楽産業だけが「フェスティバル・マッシュルーム・レコーズ社」などで脆弱であり、強化したいと考えるのは当然だろう。

すでにMyspace.comは若年層の知人サイトにおいては、カスタマイズされてジュークボックス化しているといっても過言ではない。音楽産業から見ると、すべての音楽がエンベッドされて利用されているだけという見え方もしないではない。

エンベッド先からワンホップで戻れるYouTubeとも違い、MySpace.comのCSSをフルに活用したインタフェースでは、エンベッデッドされたコンテントなのかどうかがわかりにくいことが原因だと思う。それに、ニューズの勢力に対する政治力的なものと伺うことができる。

しかしだ。Web2.0時代が「競争」ではなく、「共創」する時代に突入している中、巨大勢力には、利用されているフリをしているほうが、結果としては利を得るということをUMGは理解していないようだ。

仏ヴィヴェンディ社は、150年前に設立された水道屋さん。たった10年前にメディアに参入したばかり(水道事業は2000年に売却)。ユニバーサル映画を手中におさめたが、4年後にNBCに売却し、現在は音楽のUMGのみとなっている。

2004年、仏ヴィベンディから袂をわけてユニバーサルエンターテインメント(ユニバーサル映画など)は、「NBCユニバーサル」として新たな道を歩んでいる(ハリウッドメジャーでHDDVDを唯一支持する)。

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