ボクは、今日のこの日まで、3D映像は、単なる「オモチャ」であるとバカにしていた。
あるいは、デフレスパイラルを脱却するための家電業界の苦肉の奇策であるとも思っていた。
いや、どう、考えても、あんな偏光メガネをかけて家でテレビを見る生活は考えられない…はずだった。
しかし、実際に3Dを、家庭に近い環境で試してみて、これには新しい世界観があることを悟ることになってしまった。
3Dは、「コンテンツ」の「消費ツール」としてではなく、表現としての「アプリケーション」のひとつとして、考えることができることを発見したからである。
まず、映画館の3Dなどは、映画「アバター」を、【1】通常3D吹き替え 【2】IMAX3D字幕 【3】一般、2D と比較して 3度見比べての結論は、「没入感」の違いが一番であった。
立体というよりも、映画「アバター」の場合は、奥行きの演出によって、飛び出すのではなく、奥行き感を感じさせてリアリティーを感じさせるところにあった。
しかし、日本語字幕が登場することにより、プラスマイナス0の距離に視点が移動となるので、そのリアリティーは、遮られてしまう。3D映画は「字幕」があることにより「2.5D」になってしまうのだ。
そして、「臨場感」や「没入感」は、画面サイズに一番、影響される。そこに劇場映画の3Dの投入は、非日常の演出であるから商業的に成立するだろう。しかし、3Dメガネのレンタル料をとったりもする。
映画館も3Dが本格的になるならば、そろそろ、個人用の映画用3Dメガネを販売して本気度を見せてほしいものだ。毎回、他人がかけているメガネを再利用でかけたくない…特に夏場は…。レンタル料も馬鹿らしいいことにみんな気づき始める。興行としての3Dは、まだまだ、今後も続くがだろう。
しかし、問題は、家庭内だ。
家庭内でどれだけ、3Dメガネでテレビを見るのだろうか?これは、テレビで3Dで観たいと思うものは、映画かスポーツかコンサートくらいだろう。ニュースやバラエティーは3Dで、見たくもないし、まだ3D放送というものが実現していないので、パッケージ型となるだろう。
ボクは、コンテンツのパッケージ型ビジネスは、必ず斜陽産業になると断言しており、GoogleTVなどのネットワーク型のコンテンツの波は、必ず日本にも訪れると信じている。
そのためだけに、割高な3Dテレビを購入するのか?おそらく違う…。
さて、そこで、自宅での3Dの本質を探るために、まず、試しにPCゲームバージョンの、「バイオハザード5」に、チャレンジしてみた。
今回、テストで使用したのが、
NVIDIA 3D VIVION だ。
http://www.nvidia.co.jp/object/3d-vision-main-jp.html
まずは、セットアップ。
こちらのUSBで接続されたデバイスが、3Dグラスのコントローラー
USBなどをNVIDIA の推奨する条件にあうPCでセットアップする。
推奨条件はこちら↓
http://www.nvidia.co.jp/object/3d-vision-requirements-jp.html
モニターは、acer 23.6インチワイド液晶ディスプレイ NVIDIA 3D Vision対応 ブラック GD245HQBIDをモニター使用。
画面は小さめだけれども、3Dによるロールプレイングゲームの可能性は、非常に大きい。実際に3D酔いをふせぐためか、NVIDIA 3D Visionには、スクロールで、3Dの陰影の深さをスクロール調整することができる。これで、不自然な3Dで頭が痛くなるということを避けられそうだ。
また、ゲームであれば、このように、コントローラーを持ちながら、メガネをしているのは、一種の非日常な時間を過ごしている気分に慣れた。
なんといっても、自分がプレイヤーとなって、ゲームの世界に没入する「没入感」を得ることができる。それだけでなく、地形などの位置や「距離感」が鮮明になってくることは、ゲームのリアリティー度が変化してきた。
そして、また、ゲームの世界は、3DによるCGの世界で作成されているため、いろんなゲームを3Dで体験しやすい。
海外のPCゲームが3Dに最適化されてきている。
http://www.nvidia.co.jp/object/3d-vision-3d-games-jp.html
当然、ニンテンドーDSも3D対応、ソニーのPS3も3D対応と、2010年は、アーリーアダプターへの3D元年といえそうだ。とはいえ、実際の家庭で3Dテレビが普及するのには、10年くらいの時間がかかる。その間にどれだけの変化と新たなコンテクストと市場を発掘するかが我々の任務だ。
まず、家庭内3D市場の一番の主要な使われ方は、当然ながら、ゲームであるだろう。
ただし、ボクは、ロールプレイングゲームはウロウロしているのが面倒くさい。ドライブゲームは、ハンドルやクラッチシフトがなければ、まったく運転できない…。そもそも、ゲームしている精神的、時間的な余裕がまったくない…。映画のほうが怠惰なモードで楽だ。いつも、RPGゲームには、「降参ボタン」をつけてほしいと思う。降参ボタンを押すと、映画のようにラストまでまっしぐらしてくれる。それなら、ボクはまだゲームを、やり続けていたかもしれない。
ただ、ゲーマーの人たちにとっての目標は、次は「3D」というのがより鮮明になってきたのではないだろうか?。しかも、3Dテレビにも2010年末あたりから順次対応され始めるらしい。
つまり、LED液晶の高付加価値としての3D対応テレビが、「3Dゲームマシンモニタ」となる日が近いのだ。当然、PCからはHDMIの信号で配信され、PC側の3Dシャッターグラスで体感することとなる。
となると、モニターサイズは、「没入感」を得るためには、46インチ以上のLED液晶をおすすめしたい。46インチから65インチクラスの3D対応LED液晶で、エコポイントが使える今年の年末商戦が一番ディスプレイは期待ができそうだ。
そして、今回、ボクの心を打ったのが、フジの3Dビデオカメラ FinePix REAL 3D W1 である。単体で見ていて、裸眼で3Dになるけれども、まだまだ機種依存の色あいが強かったので、購入にまでは至らなかったが、
しかし、「NVIDIA 3D Vision」で見ることにより、一気に世界感が変わった!
再生環境とアプリケーションを手にいれたからだ。
再生環境が3Dディスプレイ化することにより、立体としての思い出や記憶が残るという新たなフォーマットを得たのだ。もちろん、通常撮影もできるし、さらに3Dを可能とする、7cmの右目と左目の両眼による記録だ。
この2眼ビデオカメラで撮影された映像。7cm離したカメラ間はステーを経由して、三脚の穴をネジで固定した。
そうなると、機種依存ではなく、フォーマットを再生するアプリゲーションの種類によって3Dによる空間を共有することの可能性と市場が見えてくる。
それまでは、自作3D映像をつくると、青、赤 のアナグリフに対応したものがベーシックであったが、YouTubeが3Dフォーマットに変換するタグ「」を読み取り、3D用にエンコードに対応しはじめた。
さらに、Windowsでは、むっちゃんのステレオワールド
http://stereo.jpn.org/jpn/
なる先駆者がパーソナルな3Dでの楽しむアプリケーションを提供している。
3D Vision 3Dディスプレイ 3Dカメラを揃えても、10万円以内である。
2011年以降、本格的な3D映像によるコミュニケーションで、何が変わるのかを先取りするのにこの投資は決して高いものではないように思える。パナソニックからは2010年8月下旬から「HDC-TM750」や「HDC-TM650」のオプションの3Dレンズ「VW-CLT1」が発売となる。
自作3Dは、自分でやってみても簡単にできるので挑戦する価値はありだろう。7cmほど、カメラ間をあければ、3D映像の素材は作成できる。
もちろん、市販のコンテンツを消費するよりも、作り手側の頭に、新たな3D空間という表現上でのアプリケーションが加わるメリットはものすごく大きいだろう。
3D用に遠近感や奥行きのある被写体といった撮影場所をさがすというのも今までなかったロケハンとなった。
はじめて、撮影された自分の3D映像には、はじめてビデオを撮影して編集した時の感動と同等のものを覚える。
開発アプリケーションが揃い、3Dビデオカメラ群が増え、再生環境が整備された頃、今まで誰も考えつかなかったような3Dの活用法がきっと現れることだろう。
本来カメラの元祖のダゲレオタイプは、画家のデッサンツールから生まれた。動画カメラの元祖のマイブリッジカメラは動くものを捉えるために、ライフル銃の形をしていた。
3Dを見るためのメガネが、いつしかARや、レイヤー層化されたテレビを見るものになっていても決しておかしくないだろう。まずは、3D市場で何が起きているのか? また、何が起きようとしているのかを見極めるのは、自分も体験してみなくては何も語れないだろう。
市販のコンテンツではなく、3D撮影された映像を「NVIDIA 3D Vision」で自作3D視聴!
こちらはNVIDIAのイベントブースでのダンスコンパニオン。動きがあったほうが3Dは楽しめる!
こちらは、家の近所でのブランコによる3D
同じ、動画をYouTube 3Dにアップロード
Youtubeには3Dのオプションが追記されたので、タグの部分に…
yt3d:enable=true yt3d:aspect=16:9 yt3d:swap=true
のおまじない呪文を打ち込むことにより、3D表示が可能となる。
このように、遠近感や空間の差異があるものほど、3Dで記録に残すことによって、新たなコンテンツの未来を感じることができると思う。
近い将来、3D対応テレビに買い換えると、同じようなことが大画面で実現できるのかもしれない。
オープンなプラットフォームで、いち早く、自作3Dコンテンツを大画面で見たくなった…。
こちらは、画面をデュアルディスプレイで表示。