石油の価格が高騰し、灯油までもが値上げ。
日本エネルギー経済研究所石油情報センターの調査によると、北海道での灯油の平均配達価格は、2003年は49.5円、2004年58.3円、2005年は71.7円、2006年は78.8円、そして今年は88.4円となたそうだ。
北海道の1世帯当たりの灯油消費量は年間1,963リットルなので、今年は、173,529円の灯油代金がかかるという計算だ。
ちなみに全国平均は、685リットルなので6万554円となる。
むしろ、このまま年に10円づつ値上がりするとしたら、10年後には、36万9044円、なんと30年後には、76万1644円もの灯油代がかかってしまう計算になる。
米国に給油サービスする前に、国内を先に給油サービスする方が重要なんではないだろうか?
また、アブダビの政府系ファンド、IPIC(International Petroleum Investment Company)が約900憶円でコスモ石油の株式の20%取得し、筆頭株主になったり、同じくアブダビの政府系ファンドのアブダビ・ナショナル・エナジーが、カナダの天然ガス開発会社を約5700億円で100%買収している。
中東の石油高騰によるオイルマネーは、政府系ファンドとして、石油が無くなったあとの世界を見越して次世代エネルギーに注ぎ込まれるようだ。オイルマネーが外国の石油会社の実権を握るというのも非常に怖い話だろう。
アブダビを首都とするUAEの全政府ファンドは、115兆円も資産を持っている。この資金があれば、どれだけの買い物ができるのだろうか?
マイクロソフト 34兆円
グーグル 22兆円
トヨタ 22兆円
三菱UFJ 12兆円
任天堂 10兆円
ソニー 5兆円
野村ホールディングス4兆円
ソフトバンク 3兆円
セブン&アイ・ホールディングス 3兆円
これだけ買って、ようやく115兆円なのだ。
日本国家の平成19年度(2007年)の一般会計の歳出費が約83兆円なので、この額の大きさがうかがえる(しかし、この3倍にもおよぶ日本の特別会計はもっと謎なので別の機会に…)。
これだけの資金量があれば、買えない物は何もないといってもいい。
実際にソニーの大株主としても、DIC(ドバイ・インターナショナル・キャピタル)が出資し、元ソニーCEOの出井氏は、DICの諮問委員会に就任している(出井氏はアクセンチュアや百度(の取締役も兼ねている)。石油が高騰化すればするほど、中東の政府系ファンドの資金が、潤沢に見えてくるのは、大きな問題を含んでいるような気がしてきた。
石油価格の不安定要因が自作自演だとしたら…。
産油国が輸出量の調整しただけで、世界は瞬く間に変化を余議なくされてしまう。悪くは考えたくないが、それぞれの国の都合ってものもある。中東にとっても石油が枯渇した時には、縁の切れ目という自覚があるから、ドバイにリゾート作ったりして懸命に、石油のあとの世界で影響力を持ちたいと考える訳だ。
むしろ、ここはこの石油高騰だからこそ、化石燃料に頼らない代替エネルギーを模索するのはいいのかもしれない。
ウチでは、1年前から石油ファンヒーターをやめて、セラムヒートに変えてみた。
http://knn.typepad.com/knn/2006/11/daikin__erft11k.html
大きな家や部屋を温めるのには向かいないが、人体に直接あたたかさが伝わるのがとても体にやさしい。暖房でのどが痛むこともない。電気ストーブなのに3万円も!と思われるかもしれないがが、一度、店頭で、このあったかさを実感してみてほしい。
電気ストーブが化石燃料の代替とはならないが、少なくとも年10円値上がりするという信じられない石油マーケティングを阻止する方法のひとつにあるのかもしれない。電気を発電する方法が問われるが…。とにかくいちばん、いいのが、一度、石油の市場を「飽和市場」に少しでも戻すことだ。それだけで経済的な不安要素の大きな問題は一つなくなる。まずは、石油製品やサービスを節約することが「地球温暖化対策」以上に大事なのかもしれない。
海外旅行も3万円のパック旅行に、燃料費が一人あたり2万円だなんていうのも、なんだか。やりたい放題にされている気が、してならないように感じる。
石油がなくなるまでにあと何年かかるのか?むしろ、石油をできる限り使わないですむ生活にそろそろ慣れておいたほうが、あとあと枯渇した時に、苦労をせずにすむのかもしれない。