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船旅で行くインディア ピースボート 第44回世界一周

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.1447   2004/01/19.Mon.発行

http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 20034部

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■KNNエンパワーメントコラム

船旅で行くインディア

神田敏晶

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KNNポール神田です。

おそまきながら、新年おめでとうございます。

昨年から船旅でメールもウェブもない生活をずっと続けており、シンガポールで原稿を送ることができずに、今週はインドからメールしています。

まず、こんなに長期の船旅は、はじめてだったのですが、毎日、船上でTV局をおこない、忙しい日々をすごしてきました。何しろ、地上波テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、インターネットなどのメディアから700名の乗客が隔離されていて、船内新聞(シーサー)と船内テレビ(トパーズTV)しかないので、絶大なる人気メディアとなります。

http://www.peaceboat.org/cruise/report/44th/mag/mag16/life02.shtml

また、船内の出来事がニュースとなるので、誰もが関心を抱くメディアとなるようです。「ビデオトースター3」をご協力いただいたデイストームさんに感謝いたします。やはりこれからのメディアは、自分に興味のある情報のみを提供してくれる「距離が近い」メディアと確信しました。

ピースボートの運営するトパーズ号による世界一周の旅は、洋上の面白い企画が毎日満載で退屈することがありませんでした。地上にいるよりも忙しいくらいです。朝・昼・晩の食事が料金にインクルードされています。3時のおやつにはデッキで紅茶とクッキーのティータイムがあったり、夜は3つのバーがオープンしており、東京にいる時よりも酒量は増えてしまいました。

食事と寝どころが安定してくると、人は自分の本来とりたかった行動を取るようです。この船内では、食うために働いているのは船のスタッフだけで、それ以外は乗客が独自にいろんな船内のハードを使って講座をひらくのです。

連日、新聞には翌日の講座が公開され、テレビの番組欄のように、講座でうめつくされていきます。乗客はほとんど無料で受けることができます(一部語学などが有料ですが)。それも専任の講師がやるのではなく、乗客同士が自主的に自分で教えられることを講座でやりだすのです。

ボクも自主企画で、短編映画を作ったり、会社を作る講座を開かせていただきました。反対にボクが履修したのが、「英会話」「スペイン語」「短歌」「社交ダンス」「空手」「サッカー」などです。船内にはフットサルコート兼バスケットボールコートがあります。

朝の食事は、ほとんど時間に間にあいませんでしたが、バイキング形式でした。しかし、皿を持っていくと、盛り付けてもらえるサービスなので、皿をもって移動するだけのゴージャスなバイキングです。夜はフルコースのサービスつきの食事です。

食事の味は、2週間目くらいから飽きてくるのですが、漬物などがあるので、海外にいる感覚はあまりありません。時差も時々、一時間長くする日があり、飛行機での旅行と比べてかなりの差があります。海の上をホテルが移動していて、外国が自然にむこうからやってくるという感覚に近いのです。

●ムンバイでのコンファレンスにて

しかし、1月16日に、一般乗客と別れて下船してからが、様相が変わってきました。「WSF2004」 http://www.wsfindia.org というインドのムンバイでのコンファレンスに参加しながら、現在その会場のプレスルームからのアクセス中です。

船旅中は、食事代金などすべてインクルードなので、BARで飲む酒代程度しかかかりませんが、インドに到着してからは、ボッタクリタクシーに物乞い親子、汚いトイレ、埃と汗、異様なニオイというまったく違った状況です。20数年前におとずれたボンベイ(ムンバイの昔の呼称)とまったく変わっていないのでこれも驚きです。

20年前の北京の発展ぶりとくらべて、ムンバイは何も変わっていないように見えます。唯一変わったのは、貧富の差がますます広がってきたことかもしれません。都心でのスポーツバーは日本と同等の料金ですが、スラムにいくと、数十円で食事ができます。
今回のコンファレンスは、平和や貧困、環境、差別などをテーマにした大規模なもので、7万人が集まります。普段のIT系では遭遇しないような団体とたくさん出会えます。まず、会場がムンバイから一時間ほどの巨大な空き地にテントなどをはりめぐらせて設営されています。宿泊は、ユースキャンプにテントをはって寝袋で寝ます。風呂もなくシャワーもなく、水道のみなので、かつてのヒッピームーブメントを彷彿させてくれます。阪神大震災の避難所暮らしにもどこか似ています。展示会というよりも、難民キャンプに近いのかもしれません(笑)。

インドでは、食事は右手の3本を使って食べて、トイレは左手で水でおしりを洗うということらしいのでとまどいっぱなしです。地面に座って地ベタにおいて手で食べる豆カレーの生活。マイスプーンとトイレットペーパーを持ち歩きなんとかしのぎますが、テーブルとイスのありがたさを感じます。また、水洗トイレを見つけたときには、嬉しさで便意がない自分に腹が立つほどです。

またタクシーのマナーもひどく、昨日はタクシーで走っていると目の前を犬が現れ、次の瞬間「キャイーン」という声のあとに鈍くタイヤが乗り上げる「ゴト、ゴト」という音、しかし、ドライバーはニコニコしながら「ソーリー、ソーリー」。さらに料金を事前に交渉したにもかかわらず、チップをせがみます。

反対にインドの習慣でおもしろいのが、何かと人が集まるところに人が集まるのです。日本人同士でミーティングしていると、気がつくとインドの人が集まっています。なにかおもしろそうなことにはとても興味を持つようです。また、行列する時の前の人との間がとても密着していて、とても奇妙です。なんでこのクソ暑い時にそんなに密着するのかがとても不思議です。暑さとカレーと体臭といろんなニオイの中でカンファレンスは進んでいきます。かつてデモというと、叫んだりうるさいイメージでしたが、最近の平和活動というと、音楽やダンスなどをまぜたパフォーマンス色が濃くなってきたようです。人が怒っている姿よりも、楽しんでいる姿を見せるほうが最近のデモのアートなのかもしれません。

そんなインドからですが、今週の水曜日にはヨルダンのアンマンに入り、それからイラクのバグダッドまで夜行バスで10数時間です。来週にはバクダッドの最新情報をお送りしたいと思います。

 

 

 

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