視聴率という名の見えない視聴者

「フジテレビは4日、2004年度視聴率(ビデオリサーチ、関東地区)の全日、ゴールデン、プライムのいずれの時間帯でも民放、NHKの中でトップとなり12年ぶりの「三冠王」を達成したと発表した。三冠となった視聴率は、全日(午前6時−翌日午前零時)9.3%、ゴールデン(午後7−10時)13.7%、プライム(午後7−11時)14.0%。同局は、1月に発表した04年の年間視聴率でも11年ぶりの三冠王を達成していた。(2005年04月05日08時00分情報提供:サンケイスポーツ)」

視聴率の調査対象世帯数は、関東地区・関西地区・名古屋地区で600世帯、それ以外の地区は200世帯。
全国27地区 6250世帯で調査されている(ビデオリサーチ社の場合)。
関東地区のエリア内総世帯数は約15,798,000世帯であり、
世帯視聴率1%=約16万5千世帯
個人視聴率1%=約39万6千人
となっている。しかし、この視聴率は、すべてテレビの生放送のみのようである。

    「テレビの録画やゲームは視聴率に含まれません。
    視聴率の対象となるのは、地上波放送、BS放送、CS放送、CATVの放送です。VTRの録画・再生、テレビゲーム、パソコンなどは視聴率に含まれません」。

つまり、ハードディスクなどで予約録画された番組などは、番組視聴率に反映されないわけだ。また、PCでTVチューナーという視聴も視聴率にはまったく反映されていない。
ハードディスクレコーダーの市場規模の総需要は350万台市場であり、世帯所有率は10%である。IDC調査では
2007年で30%の普及率といわれる。

統計学的に正しい抽出方法によって選ばれている視聴率モニターではあるが、個人世帯が対象とされるため、モニター業務を依頼される、日中に在宅し
ていること。視聴率モニターになってもいいというボランタリーなマインドを持っていることなどによって、ある意味バイアスはかかっていると考えられないだろうか?

たとえば、個人視聴率の場合、男性で20歳から50歳の働き盛りの人が、在宅し、電話や訪問によって、視聴率のモニターを心よく協力してくれる人は、そうたくさ
んいるものではない。日記式のアンケートの留め置き調査などは、記入者側も大変な作業でもある。また、それらの協力者のテレビの視聴時間は、その時間帯に、会社で働く人たちよりも当然、長くなることも考えられる。

テレビの番組が無料で見られるのはもちろん、CMを提供している広告クライアントがいるからだ。広告クライアントはCM効果が当然気になるところだ。しか
し、現在の視聴率には「番組予約率」や「番組再生率」などまったく含まれてはいない。DVDレコーダーがVHSデッキ並みに普及したとるすると(IDC調査では
2007年で30%の普及率)、単に何時から何時まで何チャンネルが見られたかという調査データよりも、タイムシフトして見る視聴者の視聴傾向データの方
が重要となってくるだろう。現に米国のTivo社では、CMがスキップされたり、見ない番組として番組表から外された番組を広告スポンサーやTV局に提供
している。これはテレビ広告のビジネスモデルを根底から揺るがしかねない動向である。

特にライブ放送が重要視されないコンテンツ(スポーツ中継やライブ、ニュース以外)に関しては、ハードディスクで録画されることにより、放送される時間帯
までもがタイムシフトしてゆき、広告料金の安い深夜の時間でも「番組予約率」さえ高ければ価値があるという評価となり、「ゴールデンタイム・プライムタイム」という発想は
なくなっていくのではないだろうか?すると、三冠の視聴率の意味はかなりちがってくることだろう。

さらに、EPGがRSS化されると、個人のblogによって人気番組の評価やコミュニティが形成される。そして、内容についての情報リンクが掲載された
り、関連サイトなどの付加情報が登場したりする。すると人気blogが評価した番組だけを自宅のハードディスクレコーダーに録画しておいて見るというよう
な現象が起こり得る。例えば一週間以内であれば、TV番組を検索してから番組を選ぶといった、タイムシフトだけでなく、チャンネルまでも無視した「番組」
への直接視聴なども可能となるだろう。すると、困るのは当然CMである。番組提供はまだしも、スポットCMの存在が危うくなる。

しかし、反対にコマーシャル情報がRSS化されることによって、コマーシャルを見たいという「CMスキップ」ならぬ「番組スキップ」というテレビの見方も
登場するはずだ。たった15秒の時間で製品を記憶にとどめさせるよりも、ツーバイフォーの家を建てたいと思っている人や、RV車を欲しいと思う人たちが、
RSSでそれらのキーワードを指定しておくことによって、CMがハードディスクに蓄積されるという現象が考えられるだろう。また、ネットとシームレスなの
で、WWWサイトやECサイトを経由して、さらに情報を集めることも可能だ。ECでそのまま購入というケースも考えられる。そのアフリエイトで暮らす人も
さらに増えるだろう。

すでにRSSに広告が配信されるという事業も始まっている。

2005年4月4日
                         株式会社ネットエイジ

     ネットエイジ、「RSSコンテンツマッチ広告」を開始
   〜RSS広告メディアのネットワークを構築、日本で初めて〜

株式会社ネットエイジ(本社 東京都渋谷区、代表取締役社長 西川 潔)は、
4月4日、RSSを利用した広告出稿/配信サービスである、
「RSSコンテンツマッチ広告」を開始します。

「RSSコンテンツマッチ広告」とは、RSSフィードを広告ネットワーク化し、
精度の高いコンテンツマッチ広告を配信するサービスです。今まで広告挿入が
不可能だったRSSフィードに、簡単に広告を出稿することが可能になります。

ネットエイジは、「RSSコンテンツマッチ広告」を日本初のRSS広告配信
サービスとして、他社に先駆けて提供します。同時に、ニュースサイト、
ブログASP事業者および個人のブログサイトを対象に、広告配信ソリューションを
提供し、巨大なRSSトラフィックを抱える「RSS広告メディアネットワーク」を
構築します。
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【背景】
従来のコンテンツマッチ広告は、ホームページ全体を対象としているため、
異なるカテゴリーの情報が混在するページに適切な広告を表示することは
技術的な問題がありました。これに対し、ネットエイジが提供する
「RSSコンテンツマッチ広告」は、記事ごとのRSSフィード(エントリーごとの
ブログ、ニュースの記事など)を対象としているため、精度の高いコンテンツ
マッチ広告を配信することが可能です。

ニュースサイトおよびブログASP事業者や個人ブログの寄稿者は、今まで広告
媒体の対象とはならなかったRSSフィードを、一般のウェブサイトより効果の
高い広告媒体として販売することが可能となり、広告出稿企業は、従来のウェブ
サイトと比較して、一層効果的な広告の展開が可能となりました。

【概要】
今回「RSSコンテンツマッチ広告」で提供するサービスは以下の通りです。

■RSS広告出稿/配信システム
広告出稿管理画面から、出稿したいキーワード・広告本文・出稿単価等を設定
するだけで、出稿が完了します。成果レポート等もウェブ上から確認、短時間
で効果的な広告出稿が可能となります。

■精度の高いコンテンツマッチ広告の配信
RSSフィードを独自の日本語解析システムで分析し、内容に最もマッチした
広告を配信するため、従来のバナー広告と比較して、高い効果が期待できます。

上記サービスは、シェアモデルの広告配信として、ニュースサイトおよびASP
事業者や個人ブログの寄稿者などのメディア側とネットエイジで利益を配分します。
また、広告掲載比率はメディア側による設定が可能で、読者の反応の高い、
最適な広告比率はメディア側で管理します。

ネットエイジは上記メディアを「RSS広告メディアネットワーク」として
統合し、広告配信ソリューションとして広告主企業に提供します。また、
上記メディアに対しては、ネットエイジグループの他事業と協業し、オンライン・
携帯広告に関心の高い広告主企業に対する強い営業力を提供して行きます。

ネットエイジは、2005年12月までに「RSS広告メディアネットワーク」として、
50社以上のニュースサイトおよびASP事業者の導入を見込んでいます。

                                 以上

【RSSについて】
RSSとは、ウェブサイト等の要約を構造化して記述するXMLベースのフォーマッ
トで、ユーザーはウェブサイトを訪れることなく、情報を収集することが可能です。

RSSは情報収集目的のために利用する場合がほとんどであるため、情報収集の
モチベーションが高いユーザーに接触することが可能となります。さらにRSS
フィードは通常のウェブサイトに掲載されている情報を要約したものであるため、
コンテンツマッチ広告に適しており、非常に高い広告効果が期待できます。

【株式会社ネットエイジについて】
インターネットビジネスに特化したインキュベータ(事業育成)企業。現在ま
でに30を越えるインターネット関連事業を育成しており、FreeML、ネットマイル、
富士山マガジンサービスなど、その育成会社の多くは順調な成長過程にあります。
また現在までにインターネット関連企業の17社に資本参加をしています。
さらに新規事業育成を行う大手企業に対して、技術開発コンサルティングならびに
事業開発コンサルティングのプロフェッショナルサービスを提供しています。
(URL: http://www.netage.co.jp )

<本事業に関するお問い合わせ先>
株式会社ネットエイジ 田中 弦(たなか ゆづる)、倉森(くらもり)
Tel:03-5459-3675
E-mail:yuzuru@netage.co.jp、kuramori@netage.co.jp

 

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