【サービス】サポート電話、1分30秒間の企業コストは年間41億4612万円

電話会社各社の料金支払をクレジットカード払いにしたら、毎月の郵送での料金支払いがこなくなるため、ネットで確認する羽目になった。

突然、勝手に自動的に与えられたIDとパスワードとお客様番号。もうこれは記憶できないので、evernoteのパスワードノートに記録。しかし、ブラウザからなぜか、アクセスできないので、サポートに電話してみた。

幸い、すんなりとつながった。

いつも、「しばらくお待ちください」の名のもとに、あなたの「しばらく」とは、「いったい何秒?いや、何分のこと?」だろうと考えてしまう…。でも、今日はラッキーだった。
しかし、自分の問題解決を伝えるまでに、「1分30秒の儀式」が待っている…。

 

【1】「はい。私、○○株式会社東京支店第○カスタマーサポートセンター 藤間と申します! お客様、本日のお電話、はい!ありがとうございます!まず、お客様のユーザーIDをお伺いできまでしょうか?」

 

「えーと…、○○○○○○○○番です」

 

【1】「はい!ありがとうございます!」

 

【2】「お名前を頂戴できますでしょうか?」

 

「カンダトシアキと申します」

 

【1】「はい!ありがとうございます!」

 

【3】「続いて、ご住所をお願いできますでしょうか?」

 

「東京都目黒区中目黒1-1-17第二恵比寿苑608です(とても早口になってしまう。オペレーターはディスプレイを見ていることだから…)」

 

【1】「はい!ありがとうございます!」

 

【4】「続いて、ご登録されておられます、お電話番号をお願いします。」

 

「090-7889-3604です(もう、面倒くさいなぁ…)」

 

【1】「はい!ありがとうございます!」

 

【5】「神田敏晶様、ご本人でしょうか?」

 

「はい(もうイライラするなあ…)」

 

【1】「はい!ありがとうございます!」

 

【6】「ご本人確認のために、生年月日をお教えいただけますでしょうか?」

 

「西暦1961年10月12日です」

 

【1】「はい!ありがとうございます!」

 

【7】「神田敏晶様、本日のお電話、ありがとうございます!お手間をとらせました。ご本に確認ができました。それでは、お客様の困っておられることを教えていただけますでしょうか?」

 

【0】こちらが、ようやく、「はい!ありがとうございます!」と答えるまでに、軽く1分30秒も経過している。

これが、個人情報保護法が制定されてからの「1分30秒の無駄な儀式」が増えてしまった。

 

ボクの「分給」を講演料の本番時間から算出すると、本人確認のためだけに、「1,666円」も無駄にしていることとなる。

時給850円の学生でも「分給=21.25円=90秒」を失っていることとなる。

 

さらに、企業で働いている人で考えると、サポートに問い合わせているだけで、その3〜5倍の人件費が消耗されていることとなる。さらにだ…。そのすべての90秒の本人確認のための時間をすべてのサポートを受ける人から奪うことにより、電話のサポートの待ち時間が増え…その待ち時間は増大していくという結果となる。

 

日本国民の平均年収は、
※406万円で、※※月間で144時間18.9日の労働時間だ(年間1728時間 226.8日 休みは139日)。

つまり、

日本国民の平均日給は、1万7,901円

 

1日8時間で計算すると、

 

日本国民の平均時給は、2,237円 

 

日本国民の平均分給は、37円

 

サポート電話で待たされる1分30秒(90秒)で代替される代替労働時間コストは、
一人あたり最低55.5円という計算が成り立つ。

 

それを※※※日本の労働人口6,282万人をかけると、年に一度サポートに電話するだけで、
「3億4,551万円分」の時間が「個人情報保護」の名のもとに消耗されている。

 

もちろん、この金額は、サポート電話に電話がすんなり繋がった場合の話だ。

もしも3分間(6億9,102万円)待たされて、つながった場合は、「10億3653万円」の消耗。

この数字は、日本の労働人口が年に一度だけサポートに電話したとしたらというフェルミ推定による計算だ。

春夏秋冬と4回ほどサポートに電話連絡して、3分待たされ、1分30秒本人確認されると…

なんと、「41億4612万円」分の機会損失を生み出している。

 

あくまでもこれは個人の給与ベースなので、企業の売上ベースの機会損失はその人件費の3倍と見積もっても、
124億3836万円」分のビジネスチャンスを消耗している。

このうちの半分を利益として、課税できるとすると、課税所得が800万円以下の中小企業が大半としても、22%(普通法人は30%)の課税で、「13億6821万円」となる。

つまり、電話サポートの改善だけで13億6821万円の税収アップが期待できるのである。

風が吹けば桶屋が儲かる的な計算で市場規模をはかることができる。

年に4回、サポートに電話するだけで、「41億4612万円」分の機会損失は恐ろしくないだろうか?

 

 

※サラリーマンの平均年収(平成21年版2009年)より

http://nensyu-labo.com/2nd_salary.htm

 

※※毎月勤労統計調査平成21年分結果確報(厚生労働相)より

http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/21/21r/mk21r.html

 

※※※日本の労働人口 6282万人(平成21年2009年)

http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/youyaku.pdf

 

サービス提供側も、サポート担当は、電話口で、朝から晩まで、

 

【1】「はい!ありがとうございます!」とおそらく、「申し訳ありません」と「大変ご迷惑おかけいたしました」を、一人を相手に10分間、やり取りしたとして、一人に20回。1日にすると、なんと200回も、感謝と謝罪の言葉を繰り返している。

これは精神衛生上あまりよろしいものでもない。心からそう思えない言葉を何度も、何度も口先だけで繰り返すのだから…。

さらに、これがサポート専門の企業の一担当者であれば、サポート時間とサポート頻度をあげなくてはならない(利益維持のために改善してはならない)ので、クリエイティブな改善策をだしてはいけないのだ。サポートすべき顧客とクライアントに対して、できるだけ、時間を延長し、サポート頻度を上げるためには、サービスを決して向上してはならない。

 

まったく困った話だ…。

 

個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律 2003年05月23日成立)は、2005年の04月01日のエイプリールフールから施行された。

 

当時の社会的背景として、何万人の個人情報が漏洩することにより、被害が発生する警鐘としての法案であった。また、内部の社員が持ち出して、換金化などができる市場も存在したことにより立案化された。

 

ただ、現在この法案を観直して、実際には漏洩するだけでは何も事件化されないので、悪用された場合にもっと、罰則をきびしくすることによって、最大公約数的に全く個人情報を持っていないという前提条件は撤回してもらいたいものだ。

 

特に、上記のような単なる電話サポートであれば、「ワンタイムパスワード」や、簡易な本人確認でも問題はおきないはずだ。実際に、電話の元で、クレジットカードの下4桁や、女性が電話で、自分の電話番号をしゃべらされるというのは、非人道的な本人確認のようだ。隣で、傍聴すれば、かなりの個人情報は日常漏洩させる機会を生んでいる。

漏洩させないために、個人情報をストックしないということを前提とするのではなく、情報漏洩が悪用されない、悪用された場合の処罰を厳罰とし、軽度の個人確認はもっとスピーディーにすべきだ。

 

でなければ、個人の情報保護に関する法律が個人の情報を保護していないことになるのではないだろうか?

 

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