ソニーの中での音楽という位置づけ
2013年度のソニー7兆円の事業ドメイン別売上はこの通りで、音楽は4,417億円だ。
- 1兆2,576億円 モバイルプロダクツ&コミュニケーション
- 1兆0,077億円 金融
- 9,948億円 ホームエンタテインメント&サウンド
- 8,486億円 デバイス
- 7,327億円 映画
- 7,304億円 イメージングプロダクツ&ソリューション
- 7,071億円 ゲーム
- 4,417億円 音楽
合計 5兆8,206億円 他 1兆9,494億円
さらにポートフォリオで見ると、音楽事業は、売却対象として考えてられてもおかしくない。しかし、ソニーのラジオやラジカセを売って来たのはハードとソフトの融合の賜物であった。しかし、それはもう過去の成功体験に変わろうとしている。
2013年の世界の音楽業界の売上は
150億ドル(1兆5,000億円)
コンテンツとしての音楽市場が前年比3.9%減の約1兆5,000億円(IFPI(国際レコード産業連盟)調べ)と停滞する一方、フェス・クラブ市場は4,000億円超となっている。
http://www.ifpi.org/downloads/Digital-Music-Report-2014.pdf
また米国での売上比率は、ダウンロード40% CD&レコード35% ストリーミング21%。
つまり、ダウンロードとストリーミングのノンパッケージの合計は、すでに61%に達している。
あきらかに、音楽のフィジカルなCD媒体音源に対しての需要は激減してきている。全世界で150億ドルしかない市場なのだ。
このデータを観るだけで、今後の音楽著作権ビジネスは、データ提供での定額課金の包括契約だろう。
ソニーATVのビートルズ新規事業を企画する
わかりやすい企画で版権ビジネスを分解すると、たとえば、ソニーATV最大のビートルズの資産を活用するのに、楽譜だけではもったいない。フェスやクラブシーンが4000億円市場であれば、そこにビートルズの楽曲を提供すればよいのではないだろうか?
現在、YouTubeには違法でビートルズのパートごとの音源が大量にアップロードされている。そのパートごとの音源や、プロデューサーのジョージ・マーティンが操作しているコントローラー卓をそのままユーザーに与え、一曲づつリミックス用として販売する。もしくは年間2万円で使い放題などの定額課金だ。
そして、音源を商用販売するには、すべてユニバーサルミュージックの特別サイトから販売されるというスキームだ。
ビートルズ関連消費は100万円以上、楽曲消費は3万円以下の構図を変える!
現在、ビートルズの全楽曲を買ったところで3万円以下だ。
ちなみにボクは、リバプールの巡礼に50万円。ヘフナーに16万円、リッケンバッカーに、24万円、その他、ビートルズイベントに1回5,000円近く消費してきている。ポールのライブには数10万円。ビートルズへの直接消費は人生で3万円だが…。関連消費は100万円を軽く超える。
ビートルズの楽曲の音質を変えただけで、買い換えるマニア層が世界に1,000万人以上いるのだ。
年間2万円で定額で自由にビートルズの楽曲をクリエイティブに合法的に使えるとなるとありがたく支払うコアなユーザーはもっと世界にいることだろう。これだけで、年間2,000億円の売上だ。しかも毎年継続していくのだ。また、これらが新しい音楽として、再出版されることにより、新たな音源に触れたファンがビートルズに目覚めるという効果も期待できる。
これだけで、ソニーの音楽ビジネス4,417億円の半分の規模となる。
ソニーATVを売却する前に、版権会社ができる新規ビジネスをもっと考慮すべきではないだろうか?
もしくは、GoogleやAppleあたりが、ソニーATVを買収交渉するのはどうだろうか?
すべてネットでビートルズがブラウザで無料で聞けたり、GarageBandファイルで提供されたビートルズの音源で音作りをするなど…夢は広がるばかりだ。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kandatoshiaki/20141227-00041845/