キングジムが携帯原稿端末「ポメラ」を11月10日に発売すると発表した。
文庫本サイズの本体に折りたたみ式の17mmパンタグラフキーボード。
4インチの液晶ディスプレイを搭載。
テキストファイル(.txt形式)作成機能。
高速2秒起動と連続約20時間の長時間電池駆動(単4アルカリ2本)を実現。
パールホワイト、プレミアムブラック、トワイライトオレンジの3色。
希望小売価格は2万7300円(税込)。
折り畳むと、文庫本サイズ(幅145mm×奥行き100mm×高さ30mm かなり厚め?の文庫本700ページくらいだろう)だという。
重量は370g
なかなか興味ぶかい製品だ。
この製品スペックを見て、わかる人なら思い出すのが、NECのモバイルギアだろう。
ボクも長年MC-MK22を愛用していただけに、このDNAを引き継ぐ継承者がなんと、キングジムから登場することにエールを送りたい。一体、何をしているんだ!NECは!
成澤祥治氏がいないことにはモバギは復活しないのか?
最近のNECノートパソコンは評価できるものが多いが、それにも増して、モバイルギアを復刻すべきことによって、新たな書くためのプロの戦略ツールとしてのブランドをも手にすることができるのに非常に残念だ。かつてNECは、ワープロ「文豪シリーズ」で名をはせたこともあった。「文豪ミニ7GX」これも非常にお世話になったマシンだ。ボクのカクという行為の原型は彼が作ってくれた。つまり、ボクは、ワープロ専用機の21世紀版の「モバギ」が欲しいのだ。
かつてのモバイルギアは、作家やジャーナリストなど、書くためのプロが好んで使っていた戦闘マシンであった。単三電池2個で、なんと1週間持続できる。とりだして、ふたをあければすぐに起動。
さらにモデム内蔵で、ISDN公衆電話や、音響カプラーでデータを飛ばすなんてこともできた。
完璧なるポケットDOSマシンとして機能していたのに、マイクロソフトのWindows CEを搭載したあたりからだんだん雲行きが怪しくなる。
まるで、現在の携帯のスマートフォンの事情と非常に似てくるから不思議だ。
シンプルな機能を望んでいるユーザーに、身勝手な多機能をかぶせ、カラー化でGUIを重くのせ、結果としてどんどん使いづらくしてしまった。
NTT DOCOMOと組んでシグマリオンとして、携帯データ端末として、再登場するが、かつての「モバギ伝説」をシグマリオンでは、塗り替えることはできなかった。DOCOMOの月額契約も必要だったし。
他にもHPのLX200、富士通のオアシスポケット3なども登場していたが、現在、シンプルな携帯原稿端末市場は絶滅してしまい、オークション市場でしか流通されていない。
そこで、2008年11月10日(月)キングジムから、「ポメラ」の登場だ。
なぜ、キングジムなんだ?
これは文房具としての「メモ書き市場」としてのアプローチだろう。おそらく、家電量販店以外にも、流通経路として、大手文具店では、おそらく「テプラ」の横でデモ実演されることだろう。
キングジム側からすると、テプラはユーザーのツールだったが、今やPC周辺のプリンタ機器になりつつある。だから、ポメラでは再度、ユーザーをメインに置きたかった考えではないだろうか?
しかし、価格設定にやや難がありそうに思える。
ネット接続できるオプションを付記した上での可能性ならば、これでもよかった。
ネット接続を完全にないものとすると、ニンテンドーDSiのSDに記録でき、パンタグラフキーボードをつけてATOKを搭載すれば、1万4800円程度で、携帯原稿端末が完成するだろう。
しかもW-iFi付きだ。当然、今までのゲームも使える。
また、ポメラの370gという重さに至るまでには、DS Lite(218g)+ iPhone 3G (133g)+19gが必要だ。オリンパスのE-420の一眼本体が380gなので、370gという重量ももう少し21世紀的にダイエットしてほしいものだ。
少なくとも、USBの拡張性とWi-Fi対応が、21世紀初頭、現在の「携帯原稿端末」の2万7300円(税込)の標準スペックではないだろうか?
むしろ、ネットアクセスをあえて遮断するなら、数ある電子辞書の数冊分の機能くらいには、アクセスできる部分を残してほしいものだ。
当然、あの「Wikipedia」も毎年、世論辞書としてパッケージ版が更新されれば、BtoBで電子辞書メーカーに販売するくらいのビジネスモデルがあってもいいだろう。
電子辞書がしゃべったり、ワンセグがついたりせずに、キーボードピッチ17mmの外部キーボードをつけてくれればそれだけでも「携帯原稿端末」になるはずなのに…。セイコーや、シャープや、カシオや、キヤノンはワープロを知らない訳ではない。
キングジムがこの製品を投入してくれて、大ヒットにでもなってくれれば、この市場が活気づき、大きくなり活性化するのだが、価格設定が本当に、ただ、ただ、気になる。
それでも、質感のインプレッションまでは、絶対に触ってみるまでわからない。
現在、無電源で20時間も、原稿を打ち続けるマシンは発売されていないのだから、それでもボクは期待したい!