2008年08月27日(水)、都内某所で、姫井由美子議員とお話する機会があった。
昨日のニュースを見て、もうひとつ質問をしておくべきだったと後悔した…。
姫井議員は、昨年の参議院選で超!話題になった議員である。
ボクも参議院選に出馬していたことをご存知だったようで、スキャンダルについて、政治家としての心情をを聞かせていただいた。
政治の世界を志す人にとって、スキャンダルは命取り、しかも女性で、しかも不倫ネタであり、メディアにとっては格好のネタである。
ボクは、ブログが炎上しただけで一年間も落ち込んだことがあるだけに、矢おもてに立たれている姫井さんにどうしても聞いてみたかった。
姫井議員は「2つあります、まず一つは、”やまない嵐はない”ということですね」。
「やまない嵐とは?」
「嵐っていつかは必ずなくなるじゃないですか。いつかは必ずなくなるんだから待てばいいんですね」。
確かにそうだ…と思った。普通は言い訳をしたくなったり、否定したり、逆ギレしたり、反省したフリをしたりする。辞職という選択だってありえただろう。しかし、あえて、本心かどうかは別として、「やまない嵐はない」という姫井議員の口からは、日本中を敵にまわしても、自分のモチベーションを維持するためには必要なワーディングだったと思う。
「そして2番目は?」
「それは、もぉ、名前を覚えてもらえるじゃないですかぁ(笑)どれだけたくさんの人に自分のことを覚えてもらえるかが大事なんですよ〜」とあっけらかんにお話されました。
こうやって文字にすると、「ムムム…」と思われる人がいるかと思われるが、姫井さんの言っていることの意味はよくわかる。政治家にとって、どんなことでも、関心を持たれることはとても重要なことだからだ。さらに、膿を出しきっている人(おそらく…)にとっては、これ以上のマイナスポイントはないだろう。
不倫スキャンダルで、母親として妻として、そして地元有権者にも政党にも、多大な影響を与えてしまった国会議員である。
こんなスキャンダルの状況でも、名前を覚えていただけるというポジティブな捉え方ができるという強さを感じるとともに、自分を自分で鼓舞していこうというスタンスを感じることができた。
姫井さんは、解散のない参議院であと5年も任期があるので、次の選挙についてのことを聞いても意味がないと思って聞いていなかった。
それがとても悔やまれる。
なんと、離党して新党結成だからびっくりした!
それも昨日お会いしていて、もしかすると何かを聞き出せていたのかもしれないからだ…。
何よりも、あっけらかんとして明るく名刺を配りまわっていた姫井議員。離党を目前にして、また話題になるのを予感していたかのようだった。
ボクの姫井議員の印象は、昨年の民主党の圧勝から、スキャンダル、そして、その反応。くったくのない笑顔に、「とってもやんちゃな人」や「AKYあえて空気を読まない人」であった。
さらに今回の離党という大胆な発表の前日に会ってみて、くったくのない、天真爛漫な笑顔の裏にこんな理由があったのかと思いかなり印象は変わった。実は、「したたかな人」だったのである。
いい意味でのしたたかさである。
彼女が率先しているのか、誰かが彼女を利用しているのか、また、それを知って利用されているのか?荒波が好きなのか?今回の本意はよくわからない。
しかし、民主党のリーダーシップが叫ばれる中、なんといってもこれはインパクトのあることだ。
実はこれは、参議院だけの問題でなく、新党ともなれば、衆議院にも影響が出てくるのかもしれない。与党ではちょっと?しかし民主でも?といった、割れた票が流れる可能性が出てくるからだ。
もしかすると、売名行為としても注目が浴びることができる「改革クラブ」へ動く議員は少なくないのかもしれない。
公認をもらえない自民党議員が入党してもおかしくないだろう。公設秘書が自殺というスキャンダルな杉村議員なども無所属で参戦するよりも、総選挙(衆議院総選挙)で、改革クラブとして出馬したほうがいいという見方もできなくもない。
ただ、推薦や公認として当選するまでには、多大な選挙費用や時間、人脈、地盤を、党が肩代わりしている。単なる離党というだけでは仁義的にはとても許されないはずだ。
だから、少ない投資ですむタレント候補が多くなる傾向にある。オリンピックの2金の北島選手が出馬してもおかしくない時代だ。
しかし、いったん国会議員となったからには、政党の党員というよりも、国会議員としての職務のために動くのは、国民のためなのかもしれない。
ゆれる参議院でキャスティングボードをいくら握れても、政党団体ともなれば、やはり衆議院でどれだけ数がとれるのかにかかってくる。法案を通す邪魔はできても、作ることができない限り、本来の政治ではないと思う。
民主・渡辺秀央元郵政相や姫井 由美子参議院議員らが離党し、29日にも新党立ち上げへ
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00139485.html
今回の新党「改革クラブ」の結成は民主党にとっては、とても手痛い状況である。
せっかく勝ち取った「ねじれ国会」での票割れが想定されるからだ。飼い犬に手を噛まれるといったところか?
参議院の政党議席 自民(83)+公明(21)で合計104
民主党(120)が 120→ 117
で政局には、影響はないように思われる…が!!
民主 117 (120-3)
自民 083
公明 021
共産 007
社民 005
改革 005(民主より3 無所属より2)
自民&公明と民主党との差は、わずか13議席。
さらに決議を左右する過半数の122議席(全242議席)までは、民主党だけでは、5議席が足りない。
共産や社民、しかも少数の無所属議員の動きも気になるだろう。
「改革クラブ」という新党の登場により、参議院でのパワーバランスが、さらにねじれる「超ねじれ国会」となりそうだ。自公連立 VS 民主 VS サードパーティーとしての構図が誕生したからだ。
参議院でのパワーバランスが変更すると、無所属議員の議席がとても重要となる。我が友、川田龍平は最後の一人になっても、参議院の良識の府で、この緊張したパワーバランスを無所属のままで均衡を保ってほしい。
政治のための政治にはもうコリゴリだから。