1998年11月16日(月) 第241号
- ミラビリス”なサービスでコミュニケーションをめざすICQ–
世界中のユーザーを一瞬に捜しだし、コミュニケートできるイスラ
エル生まれのアプリケーション「ICQ」。ミラビリス社CEOのヨゼ
フ・ヴァルディ氏に話をうかがった。
ミラビリス社CEO ヨゼフ・ヴァルディ(Joseph Vardi)氏
登録ユーザー数2,100万人、新規登録者が毎日6,000人、400万人が毎
日利用し、最大ピーク時には70万人が接続される世界最大のインター
ネットメッセージングサービス「ICQ」がAOLの経済的支援、2億8700
万ドル(約370億円)を受けて、この秋、新しいポータルサービスを開
始する。CEOのヨゼフ・ヴァルダ氏に聞く。
「1996年、今からたった2年前、イスラエルの4人の子供たちが開発し
たソフトがICQ。I SEEK YOU(あなたを捜す)を、もじって命名され
ました。父親である私は彼らに対して投資を行い、ミラビリス社を
設立しました。彼らのアイデアはインターネットの中で、まさに社
名どおり、ミラビリス(「信じられないぐらいすばらしい」のラテ
ン語)な成長を遂げました。
キッズたちの仕事は世界のインターネットユーザーの心をとらえ、
今では世界最大のメッセージングサービスとなっています。無料の
サービスということもあり、世界の皆さんに使っていただきとても
光栄に思っています。また、2億8700万ドル(約370億円)でAOL社に
買収していただきましたが(笑)、開発は今までどおり、イスラエ
ルで、全く同じメンバーでミラビリス社で行っています。これから
もICQはICQのままなのです。現在、開発をさらに進め、さらに”ミラ
ビリス”なサービスを付加させていこうとしています。ポータルサー
ビスは間もなく、皆様にお使いいただけると思います。
有料化されるというウワサがよく聞かれますが、私たちは基本的に
無料でサービスを提供したいと願っていますから、ご安心くださ
い。たくさんの方に使っていただくことによって新しいインター
ネットのインフラを築くことができるのです。AOL社はそのための良
きパートナーともいえるでしょう。マイクロソフト社とも、この市
場では、いい関係を築いています(笑)。
コミュニケーションメディアは、これからも大きく変わります。こ
れらの変革が私たちの目標なのです。電子メールが読めたり、URLで
Webとの間をいったりきたりすることができ、クライアントがネット
ワークに存在すれば、そこから新たなコミュニケーションを発生さ
せることができるのです。近い将来、電子メールやWeb、メッセージ
ングなどが統合されたフルコネクティビティな環境が登場すると思
います。ポータル戦略はその足掛かりのひとつにすぎません」
億万長者とは思えない、ヨレヨレのシャツにズボンとボサボサの
髪。イスラエルの小国から世界を相手に商売する彼等は、考える事に
専念する仕事を選んだ。マーケティングやセールスはアメリカにまか
せ、R&Dに仕事の8割をかけて最新のインターネット技術を開発する。
バルディ氏が日本の商社にICQを売り込んだ時に日本の商社は、
興味を示さなかったそうだ。日本は開発を目指すのか?
マーケティングを目指すのか?どちらも中途半端な気がしてならない。
彼等の前では日本は、アジア市場の単なるブローカーにすぎないような
気もした。しかし、アジアの中からも孤立したFarEastな島国なのであっ
た。空洞化する前に、我々には、やるべきことが、まだまだたくさんあ
りそうに感じた。
関連リンク記事
【ZDNet/JAPAN】
http://www.zdnet.co.jp/news/9811/13/icq.html
AOLの「デスクトップポータル」のニュース
「ICQ99」速報が読めます。
【イスラエルのハイテク情報】
http://www.globes.co.il/cgi-bin/Serve_Arena/level/English/1.3.8
最新のイスラエルのハイテク情報が英語で読めます。
【ICQ道場】
http://www.fitweb.or.jp/~asuka/web/icq/index.html
asuka@tym.fitweb.or.jp
ICQに関する日本語総合ページ。初心者から上級者まで対応!ICQに
関するQ&Aから最新情報までがすべて日本語で読むことができます。
【ICQ Information Service 】
http://www4.justnet.ne.jp/~sphere/icq.html
imagome@power.vip.co.jp
MacユーザーのためのICQに関する日本語ページ。Mac版のICQをてい
ねいに解説している。デザインも洗練されています。
【みんなのおともだち帳】
http://www.sala.or.jp/~tkoba/
nani@mail.goo.ne.jp
日本のICQを使用しているおともだちをみつけようというページ。日
本独自のICQの文化を育んでいます。親しみやすいページです。