政府は2015年度から米セグウェイやトヨタ自動車などの搭乗型移動支援ロボットが全国の公道で実証実験を行えるよう規制を緩和する。現状は国が定めた特区でしか公道での走行実験が原則認められておらず、欧米などに比べて同ロボットの普及を遅らせる主因の一つ
「おせーよ!!」と声を大にして言いたい!
セグウェイの公道走行における道路運送車両法違反という交通違反で書類送検され、略式起訴で罰金50万円、うち労役で支払いを行ったのが2004年だったからすでに11年の月日が流れてしまっている。
その間、何をやってこられていたのだろうか?
実証実験では、自転車に乗った保安員と共に延べ9,000キロメートル以上走り、事故がなく、雇用も生んだという。
しかも今だに、公道の実証実験だ。死ぬまで実験してろっ!て気になる。日本が自動社産業並みの技術を立証できる絶好の機会を踏みにじってしまっている。
トヨタやホンダなどのロビー活動と共に、自賠責保険という一番の切り札にめどがついた模様だ。 自賠責保険という巨大な国土交通省利権がようやくまとまったと見ることもできるだろう。
❏今回の規制緩和により、民間事業者などは各地の運輸局や警察署の認可などを得れば搭乗型移動支援ロボットの公道実証試験が可能になる
❏ 通勤や出張時のほか、高齢者の外出時における移動用途が想定される。
❏同ロボットの開発・実用化はセグウェイやトヨタ以外に、日立製作所やアイシン精機、産業技術総合研究所などが参入
❏現在の公道実証は茨城県つくば市、東京都大田区、愛知県豊田市の3特区に限定
❏各特区での実験ではこれまで特に問題が発生せず、一方で実用化に向けたノウハウ蓄積や関連産業の雇用増加を確認できたという。そのため、今回全国へ特例措置を広げる判断に至った。
セグウェイは、現代における赤旗法
1865年、イギリスでのホントのオハナシ。
ガソリン車普及する前の蒸気機関の自動車を公道で走行するためには、安全のために、郊外では、時速6km/h 市街地では時速3km/hのスピード制限とする「赤旗法」があった。自動車は、運転手、機関員、赤い旗を持って車両の60ヤード(55メートル)前方を歩く赤旗者の3名で運用することを規定とされていた。赤い旗かランタンを持った人は、歩く速度を守り、騎手や馬に自動車の接近を予告しなければならなかった。
自動車は最低3人いなければ、公道を走行することができなかったのである。このイギリスの「赤旗法」の法律は、1878年改正まで、13年間続いた。この悪法のおかげで、イギリスにおける自動車産業の発達を妨げ、ドイツやフランスに遅れをとることになる。
赤旗法 wikipedia より
茨城県つくば市が構造改革特区の一つとして、日本で初めてセグウェイのような搭乗型移動支援ロボットが公道を走れるロボット実験特区に認定されて3年が過ぎた。だが規制緩和のスピードは遅く実験は遅れている。生活支援ロボットは安倍政権の「日本再興戦略」の重点分野のはずだが、規制の壁は厚く実用化に黄色信号がともっている。
なんと、走行実験には「保安要員を必ず随行させること」という規制があった。セグウェイの観光ツアーもあるが、そこには、必ず、自転車に乗った保安員の姿が見られるという。インストラクター+自転車による保安員がいなければ観光ツアーも成立しない。
セグウェイによる通勤実験を行うにも、1人のセグウェイに対して、1人の保安員が必要という。何のためのロボット特区なんだ? しかももう3年も経過しているのに。
保安員なしでも安全走行できる実証として、延べ9,000キロメートル以上走った実績もあるという。
しかし、今だに保安員がいなければ走行ができない。
まるで、19世紀のイギリスの赤旗法そのものだ。
20世紀の戦後の日本を復興した産業はなんだったんだろう?自動車産業だ。
そして、21世紀、最も日本に期待されている産業はなんだろう? ロボット産業だ。そのロボット産業の実証実験をやる特区でさえも、赤旗法が撤廃できなんて、19世紀のイギリス同様に、ドイツやフランスの後追いになりかねない。