エクセルの先祖、ビジカルクは何をもたらしたのか? 新・電子立国


http://ascii.jp/elem/000/001/462/1462002/

エクセルはビジネスの定番であるが、表計算ソフト「ビジカルク(VisiCalc)」が誕生したのは、1979年10月。

アップルIIが唯一、稼働するパーソナルコンピュータであった。

MITの学生であったボブ・フランクストンダニエル・ブルックリンらが、開発・販売。

【発見・気づき】

教授が黒板に金融モデルを書くのを見ていた。その教授が間違いに気づいてパラメータを修正しようとしたとき、表の中の大部分を消して書き直さなければならなくなった。これを見たブリックリンは、このような計算をコンピュータ上で処理する「電子式表計算」を思いついたのである。

【仮説】

ブリックリンは当初、表計算専用のハードウェアを設計・製造して販売することを考えていたが、フィルストラは「わざわざハードを作らなくても、既に売れているハード向けにソフトを作って売ったほうが賢明だ」とブリックリンを説得し、当時既にベストセラーとなっていたApple II向けにソフトを作ることを勧めた。そこでブリックリンは友人のフランクストンと共同でSoftware Arts社を設立し開発をスタートさせた[1]

【社会環境】
Apple II(1977)がすでにベストセラーとなっていた。

【顧客】
ビジネス・スクール卒のMBAホルダーが大量に活躍しはじめた時期である。大型コンピュータは変えなくてもApple IIなら購入できた。

【ビジネスモデル】原価は9ドル(フロッピーディスクは2ドル後はマニュアルバインダー)で、定価は99ドル 年間10万本。利益は900万ドル

【脅威】
大型コンピュータですでに表計算があった。ソフトウェアに特許という概念がなかった(著作権のみ)。

IBMがおもちゃでなく、PC市場に参入を考えた。ロータス123(1983年発売)を生む。ロータス社の創業者、ミッチ・ケイパーはビジカルクの販売担当者

ロータス社(1982年創設)は、オンラインヘルプやチュートリアル、顧客サポートに注力する。一番の功績はIBM PCに着目したこと。利用顧客が大勢いたこと。同様にIBM PCにBASICを売り切りではなく、コミッションで提供したのがマイクロソフト。ソフトがハードを牽引する時代が始まった。