2008年02月20日、電通は毎年恒例の「日本の広告費(PDF)」を発表した。
国内広告費 国内広告費 7兆191億円
テレビ広告費 1兆9,981億円(前年比0.9%減)
新聞広告費 9,462億円(5.2%減)
インターネット広告費 6,003億円(24.4%増)
※新聞との差は3459億円(新聞の63%テレビの30%)
全広告費のシェアは8.5% 2006年は6,1%
媒体費4,591億円と制作費1,412億円の合計とういう金額
連動型広告 1,282億円(37.8%増)
モバイル広告費 621億円(59.2%増)※携帯電話の契約数が2007年末で約1億52万台)
雑誌広告費 4,585億円(4.0%減)
ラジオ広告費 1,671億円(4.2%減)
プロモーションメディア広告費(1.9%増)フリーペーパー・フリーマガジンやDM等
衛星メディア関連広告費も(10.8%増) BSデジタル放送等
2008年の広告費予測は、前年比1.7%増の7兆1,354億円(北京オリンピックなどの好材料により)。
※今年の発表から、広告費の推定範囲を改訂している。
1)雑誌の推定対象に専門誌と地方誌などを追加、
2)インターネット広告費は広告制
作費も推定(他のメディアには制作費は合算していない)
3)フリーペーパー・フリーマガジンの広告料を推定 (顕著な新市場となったからか?)
2006年のインターネット広告費は3,630億円
だったが、今回の改訂により広告制作費1,196億円を加えた4,826億円に修正されている(2006年段階で雑誌の広告費を抜いていたということとなる)。
インターネット広告費は、2006年の予測よりも急増していることが下記のグラフからもわかる。
PDFをよーく見るとこのような記述がある。
<マスコミ四媒体広告制作費>
・ マスコミ四媒体広告制作費は3,434億円、前年比98.9%。
うち、テレビCM制作費は2,026億円、前年比101.2%
(注:広告制作費は媒体別広告費に含まれている)
どうして、今までインターネット広告費はCM制作費を含んでいなかったのだろうか?パイが小さかったとか?制作会社の実態がつかめなかったとか?
また、四媒体に広告制作費が含まれていたとすると、こんな比較ができる。
(※は発表値をこちらで計算したもの)
テレビ 1兆9,981億円は
※媒体費1兆7955円 製作費2026億円で、広告費用の中での制作費比率はたったの※10.1%
インターネットの場合は、6,003億円なので
媒体費4,591億円と制作費1,412億円で、広告費用の中での制作費比率は※23.5%
広告制作費比率だけで比較した場合、テレビCM制作よりも、ネット広告CM制作のほうが、いい労働環境だということがわかる。しかし、あまり羽振りがいいように見えないのは制作費の母数がテレビの※69%しかないから?
さらに、連動型広告費1,282億円(ネット媒体費の※構成比27.9%)の数字を考えると、テレビCMよりはるかに楽チンな制作物だ。※3割近くがテキスト広告と青リンクだけですむのだから…。
しかし、テレビ対ネットの媒体費比率でみると、※ネットはテレビの25%しかないので、いかにテレビ媒体費の費用効率がいいのかということが見えてくる。
発表データのもっと細かいクロス集計ができると、広告業界のいろんな環境がもっと「見える化」されそうだ。