『コンサルを超える問題解決と価値創造の全技法』
フレームワークを学習するだけでなくコラムとしても楽しんで読める。コンサルタントの頭の中の思考パターンを総合的に学習できる。
なによりも、ビジネス界、ベンチャー界、スタートアップ界にはびこる、業界のカタカナ語辞典として、一読しておくだけで、何冊ものコンサルタント系書物を読まないですむことが一番この書のメリットだろう。
『競争戦略』のマイケル・ポーターに対しては敵対的だが、しっかりと紹介されている。
マッキンゼーとボストンコンサルティングで長年働いた筆者の両社の比較もユニークだ。ただ、東大出身やハーバード大、三菱商事などを自虐的に語るところは、インテリ感が少々、ハナにつく。また、マッキンゼーとボスコンで要職であったこともあえて何度もいう必要はない。
マッキンゼーは、刑事コロンボ型で犯人もトリックもわかっていてロジカルに問いていく。完全犯罪がくつがえされる。究極のロジカルシンキング。
ボストンコンサルティングは、読者と一緒に推理をくわえていく、エルキュール・ポアロ型であるという。共感とストーリー性を重んじる。
むしろ、後半の著者の思想の広がりがとてもおもしろい。
次の著書では、コンサルタントを超えた『人間力』の書で楽しませてほしい。
海外体験が長いと、自ずから、『日本人』という自らの原体験を感じることとなる。
その中で、自分がどこで何をやるのか…。
日本の中では考えない思考が自然と身につくというのがとても腑に落ちた。
フリップ・ザ・コイン
コインを裏がえしただけの答え。
『現象』だけを見て『モグラたたき』で『問題解決』しようとする。本質的な問題を発見しなければならない。
チョークポイント
首をしめるような『問題点』をチョークポイントという。
正しい『課題設定』が重要だ。
イシューからはじめよ
「イシューからはじめよ」の安宅和人氏(ヤフー!CSO)のマッキンゼーでインターンシップの指導を担当していたとき、5日間の期間のうち2日をこの『課題設定』に当てていた。
科学者は必ず仮説を持った上で現象を観察する。
そして、そして仮説を作り直すのだ。
犬の道ではなくイシュー度の高いところを掘る。
なんでも見えるところを嗅ぎ回る犬の道を歩みだしては遠回りになる…。
犬の道と同様の言葉、『ボイル・ジ・オーシャン』海の宝物を探すために、水をすべて沸騰させるという行為。
エレベーターテスト
エレベーターが1台しかない10階建ての建物。
1の答え
もう一度エレベータを調節する
2の答え
健康増進のために階段の裏を進める
3の答え
エレベーターの前に鏡を置く
みだしなみを整える時間をもたせる。
答え
問題の本質は時間の長さではなく、手持ち無沙汰をどう解決させるかが問われている。
『WHY』を5回繰り返す
本質的な部分が見えてくる。顧客はすでに答えを持っている
間違いは『こうすべきだ』と結論づけない。
『WHY NOT YET』なぜまだやれていないのか?
WHYのあとで絞り出された課題は…なぜできていないのか?を考える。それによって、その後に、『HOW』どうしたらできるのかを考える。
『決断』断ずることを決める時
意思決定とは限られたリソースの中で何かを選ぶことだ。
バスケット分析
おむつとビールの相関関係
実際に今日から、となりに置いてみるという売り方でわかることもある。
ビッグデータ分析やデータマイニングも一緒
定番フレームワーク
MECE
PEST分析
SWOT分析
3C分析
5F分析
アンゾフの成長マトリクス
BCGマトリクス
洞察力、 3つのI
インパクト、イノベーション、インプルメント、
共感力、3つのS
シンプル、スパイス、ストーリー
人間力、3つのP
パースペクティブ、パーソナリティ、パッション
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
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