ユニーファミリマートHDが業務提携だけではなく、資本でも関係性が深くなりそうだ。
実質的に、ユニーファミリマートHDが、ドンキHDの20%を2120億円で取得し、ドンキHDが、ユニーファミリマートHDの所有するユニー株を60%を282億円で取得するスキームだ。
ドンキHDの株主構成は、ほとんどが、創業者の安田隆夫氏の資産管理会社
ユニーファミリマートHDがTOBによる買い付けを行うとすると、安田隆夫氏の資産管理会社以外からの買い付けも増える…。
ユニーファミリマートHDの狙いは…安定した株主による、
ファミマ>ドンキ>ユニーの流通市場グループ
の経営安定化が考えられる。
安田隆夫氏の経営ノウハウでコンビニファミマ(Nextコンビニ、ドンファミ)などでの特徴のある店舗など、ポスト GSM (総合スーパー店舗運営)の新興勢力となることだろう。
老舗のユニーファミリマートHDと、雑草あがりの泥棒市場からのドンキホーテ。
新たな流通がはじまる機会だ。
ドンキの『個店主義のチェーン化』が最大化されることだろう。
『魔境』のジャングルのような『買い場』 非合理的な文化祭陳列こそが、有店舗ならではの演出。
http://www.donki.com//shared/pdf/ir/ir_zaimu_shiryou/717/DQHD_FY2018_Q4_Presentation_CEO_XQJF7.pdf
□ユニー・ファミリーマートホールディングスは11日、ドン・キホーテホールディングスに対して株式公開買い付け(TOB)を実施して20.17%を取得すると発表した。同時にドンキホHがユニファミ傘下スーパー事業「ユニー」の株式6割を282億円で追加取得し完全子会社化することも明らかにした。ユニファミはすでに提携関係にあるドンキホHの強みを活用し、事業の強化を目指す。
□ユニファミはドンキホH株を1株当たり6600円で買い付け、総額は約2119億円となる。10日のドンキホHの株価終値を9.1%上回る。実施は11月上旬を目指しており、ドンキホH取締役会で買い付けへの賛同が得られてから20ー30営業日以内に実施する予定としている。20%の取得が実現すればユニファミが筆頭株主となる。
ドン・キホーテ安田隆夫の貯金通帳丸投げ経営
【安田】八方手を尽くしたが、それでも思うような店はなかなかできなかった。最後は、「これでダメならもうやめよう」と腹をくくって、商品部門別に、仕入れから陳列、販売まで担当者にすべて丸投げした。それも各部門の担当者全員に、それぞれ専用の預金通帳を持たせて商売させるという徹底した権限委譲を行った。つまり、各部門の担当者が「個人商店主」になるというシステムだ。この「権限委譲による個人商店主システム」は、後年のドンキ最大のサクセス要因になった。
《従業員たちがドンキ流の圧縮陳列を実践できなかったのは、安田氏が泥棒市場で得た原体験を共有できていなかったからだ。だが徹底した権限委譲を実行することで、従業員たちは自ら試行錯誤し、失敗や成功の体験を積み重ね、ノウハウを取得していった。
結果的に、安田氏は、従業員たちに「泥棒市場」時代の原体験を疑似共有させることに成功した。その後、この権限委譲システムは安田氏の想定以上の好循環を始め、ドン・キホーテの大躍進を支える礎となった。》
■すべての出発地点は『泥棒市場』 と『ナイトマーケット』の鉱脈発見!
大学をサボって雀荘に通い、また、ボクサーに憧れてジムに入門。子供の頃に事故で左目の視力を失ったことが災いして、ボクサーは断念した。中堅の不動産会社に入るもすぐに倒産。港湾労働や新聞の拡張団で日銭を稼ぎながら、無頼の生活を送った。
「20代の頃にバカな人生を送ったせいで、人間の本質的な部分をいやおうなしに学ばせてもらいました」
たどり着いたのが、処分品やサンプル品などを安価で販売するバッタ屋という仕事だった。1978年、29歳で西荻窪に「泥棒市場」を開店する。ドンキの原型はすべてここにある。
まだセブン-イレブンが11時で閉店していた時代、深夜遅くまで一人で商品の陳列をしていたところ、営業中と勘違いした客が立ち寄った。これがナイトマーケットという鉱脈を掘り当てるきっかけとなった。商品棚は「取りにくい、見にくい、探しにくい」という、流通業の教科書をすべて否定する手法をとった。溢れかえる商品を並べるためだ。店は異様な活況を呈す。1989年、安田はドン・キホーテ一号店を府中に立ち上げた。
「当時、大手のチェーンストアが隆盛を極めていた。しかし、我々にはそれをオペレーションする資本も人材もない。すべてにおいて勝てる要素がありませんでした」
ならばとことん逆を行こう、と安田は考えた。ただし、店のキャラだけ立てても、お客様は商品を買ってくれない。
「人の心を掴むのはどうすればいいか。心のひだに触れて、分け入っていくこと。これを商売の“座標軸”にしないと、受け入れられない」