テレビ広告費全体における損失総額は約540億円

http://www.nri.co.jp/news/2005/050531.html

野村総研の調査によると…

HDRユーザの平均テレビCMスキップ率などをもとに、2005年の企業の年間テレビ広告費全体における損失総額は約540億円となる可能性がある 。
・ HDD(ハード・ディスク・ドライブ)に録画した番組を視聴するときにテレビCMをすべてスキップする人は23.4%
過半数が80%以上スキップしています
NRIの調査でわかった平均CMスキップ率(64.3%)と平均録画消費率(HDDに録画した番組を消費する割合:34.2%)、HDR普及率(2005年15.2%)を、公表されている企業の年間テレビ広告費に掛け合わせると、2005年はテレビCM市場の約2.6%、金額にして約540億円の価値が失われるという試算になります(注1)。NRIでは、HDRの世帯普及率は今後伸びつづけ、5年後(2009
年)には44%程度になると予想しています

単純に計算すると、2009年には、1566億円の損害?となるが、果たして損害といえるのだろうか?むしろ、視聴率からの算出ではなく、録画された番組の再生視聴率などが重要ではないだろうか?

ボクの場合、HDRのおかげでTV視聴時間は同じだが、番組を選択して視聴している。結果として、提供スポンサーのCMは注目して見ている場合が多い。

また現在の視聴率の問題点として、調査手法は科学的であるが、
・電話帳に掲載されている電話番号からの無作為抽出
・わずかな謝礼で協力する優良な意識のモニター層
・働き盛りでも、9時から17時まで、個人宅に在宅している男女層からのサンプル抽出(ビデオリサーチ社がモニターにお願いする時間からの推測)
http://www.videor.co.jp/research/faq-a.htm#q4
http://www.videor.co.jp/research/about-vr.htm
という点は、実際にTVを視聴している人よりも、保守的であり、セキュリティのない電話番号簿に個人名を掲載するという層が多いのではないだろうか?在宅者の就業率などもモニターには反映されていないため、CMに対する購買効果の測定にはバイアスがあると考えていいと思う。

「義経」の視聴率21%や水戸黄門の16%の高視聴率は、こんな背景から生まれているのではないだろうか?

過去にビデオリサーチ社の訪問面接調査のアルバイトをやった経験があるが、在宅者のほとんどが面倒くさいとして、断られることが、ほとんどであり、リストを頼りに数件の良心的な人の協力がないと成立しなかった仕事だ。さらに、本当に毎日、TVを見て記帳されているものか、回収日までに適当に記載しているのかは、訪問調査員には、判断する材料がなさすぎることもある。

そういう意味では、現在の調査でTV広告の損失額は、あくまでも一つの推定金額として、とらえる必要があるだろう。

今後は、録画率や、TV番組のチャネルを自動的にランダムに回す方法や、録画率の高い番組に設定するようなサービスが登場することにより、TVCMの意味は大きく変わってくるのかも知れない。

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