1970年代をピークに活躍したアーティスト。
あれから、4〜50年を経て現在 2010年の中盤。21世紀の1/10が終わった…。
1970年代、当時20代だったアーティストも、60代から70代へ、あちら側へデビューする人が続々と多くなるわけだ。
これからますます、70年代アーティストの訃報は続く…。
デビッド・ボウイのSpace Oddity も1969年だった。アポロ11号の月面着陸も1969年
1960年代との大きな違いは、70年代のレコード産業の拡大化だろう。
1961年 ミュージックライフ復刊
60年代はトランジスタ・ラジオからの音楽とレコードプレーヤーで、ようやくラジオへの音楽著作権問題が解決し、ラジオで音楽をかけるとヒットするというマーケティングが立証され、ヒットランキングがさかんになる。ランクインするとミリオンセラーとなる。
フリーで聞けるラジオだが、音質が悪く、いつでも自由に聞けない。録音デバイスがなかった頃。だからレコードやアルバムを購買するという図式が成立したのが50年台後半から60年代。
音楽産業がビッグマーケット化した70年代
そして、70年代には大音響での大型ステレオシステムが普及してくる。
さらに、「システムコンポーネント」とFMラジオでの高品質が音楽産業を巨大化させたからだ。
また、AMラジオから、音楽は高品質なFMラジオへと変遷する。
オープンリールレコーダーからカセットレコーダーがシステムコンポーネントに組み込まれはじめる。
音楽デバイス(ステレオ)の大衆化がヒットを産む相関関係を作った。
さらに映画のオリジナルサウンドトラック面でのタイアップなども70年代からだ。
テレビの音楽番組での歌謡曲からロックの雑誌のブーム。
1972年 ロッキング・オン創刊
さらにそのレコードを録音したコンテンツを、モバイルにしたのが、1979年発売の初代ウォークマン(再生専用カセットプレーヤー)。
何よりも、この頃の音楽のユーザーがまだ、この頃の曲を聴き続けていることが業界をシュリンクさせている。
MTV1981年、CD1982年
音楽ビデオ専門チャンネルMTVが1981年に開局。
プロモーションビデオではなく、MTV用のビデオが制作されるようになる。
日本ではオーディオメーカーが多く、ソフトよりもハードウェアの売上を重視したため、レンタルレコードが世界でも唯一の合法化。学生でも大量の音楽を消費できる環境を生んだ。
CD(コンパクト・ディスク)の登場は1982年。たったの5年間で街のレコード屋はCDショップへと変化する。
取り扱い品目とスペースは4倍の在庫に増えた。
70年代現役アーティストがあちらがわへ
50年代のアーティストはすでに、あちら側。
60年代のアーティストといえば、ほとんどがビートルズ世代とローリング・ストーンズ世代。どちらも70年代アーティストと21世紀でも君臨している。MTV CD 時代から、ネット、ストリーミング時代に至るまで。
そして、また、再結成を繰り返し、現役で活躍しているからこそ、現役感がある。いくら現役でも高齢には勝てない。現役バリバリの70年代アーティストに音楽が硬直化しているのだ。
定年がないので、死ぬまで70年代アーティストは音楽を「現役」でやり続ける…。
さらに、その頃のティーンエージャーたちが、今もなお70年代の音楽を聞き続けることにより、再結成がマーケティング的にも成立している。興行は富裕層で時間もある中高年層にマッチしている。
さらに、新しく音楽に目覚めた人が、時代に関係なく、楽曲やMTVをYouTubeで無尽蔵に視聴できる環境ができたので、音楽は売れないが、消費さはされている。だからこそ、ストリーミングによる月額サブスクリプションに舵を切らなければならなくなった。
エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、ポールマッカートニー、まだまだ60〜70年代アーティストが来日ラッシュが続く…。70年代の大御所が稼げばかせぐほど…新手の市場はシュリンクしている。
いつかは、舞台のうえで倒れるアーティストも登場してくることを覚悟しておかなければならない。
2003年世界の音楽市場規模