ABインベブによる、680億ポンド(1040億ドル)SABミラー買収案が、暗礁にのりあげているという。
SABミラーの大株主である、約27%を保有するアルトリアは、買収に対して賛成。しかし、他の株主の説得にはまだ時間がかかりそうだ。14%を保有するサント・ドミンゴ一族がクビを縦にふるのは金額だけの問題なのだろうか?
ABインベブ、英SABミラーへの買収提案価格を再度引き上げ
ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)は12日、第2位の英SABミラーに対する買収提案価格を従来の1株42.15ポンドから同43.50ポンドに引き上げた。
同社への提案は4度目。インベブは当初38ポンドだった提案額を40ポンド、42.15ポンドと引き上げてきたものの、そのつどSABは提案を拒否してきた。今回の提案は9月14日のSAB株終値に48%超上乗せした水準。インベブは正式買収に乗り出すか否かの判断を14日1600GMT(日本時間15日午前1時)までに決める必要がある。
これまでにSABの主要10株主のうち3株主が、取締役会と同様、提案への反対を表明しているが、約27%を保有する食品・たばこ大手のアルトリア・グループは提案受け入れを支持。14%相当を保有するサント・ドミンゴ一族は提案に反対している。
新たな提案について、SAB、アルトリア、サント・ドミンゴ一族からのコメントは得られていない。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/12/sabmiller-m-a-shareholders-idJPKCN0S61PV20151012
ABインベブの買収提案、SABミラー直ちに拒否
ビール世界第2位の英SABミラーは7日、最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)が示した買収価格引き上げ提案を即座に拒否した。企業価値680億ポンド(1040億ドル)の評価は不十分と指摘した。
SABミラーは、最大株主の米食品・たばこ大手、アルトリア・グループ指名メンバーを除いて、取締役会が提案を拒否したと明らかにした。SABミラーは買収提案について声明で、「本社や、独特で他社の追随を許さぬ足跡、単体での見通しについて、まだ非常に著しく過小評価している」とした。
ヤン・デュ・プレシス会長は、同社が「世界の酒造業界のクラウン・ジュエル(最も重要な資産)」と主張。ABインベブが示した買収提案について「多くの当社株主にとって魅力的でない内容」と述べた。
一方で、最大株主のアルトリアは買収提案を支持、代替案の受け入れ用意もあると表明した。
SABミラーを買収すれば、ABインベブはアフリカや一部中南米、アジア市場を射程に入れる。アフリカの飲酒可能年齢人口は今後数年間急増、中流階級のビール消費も伸びると見込まれている。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/07/sabmiller-m-a-ab-inbev-idJPKCN0S11A620151007