amazonで後藤健二さん書籍ベストセラー1位!

後藤健二さんの著作を見れば見るほど、戦場から希望を届けるという難しいジャンルに挑戦なさていることがよくわかる。

戦場では、希望や安全、そして平和は、ニュースとして扱われないからだ。ショッキングな映像や涙ぐましい写真ほど高く売れ、感動するストーリーは安く扱われるのだ。それが戦場でのジャーナリストの宿命だ。

その間に立ちながら、後藤健二さんは、悲惨さを描きながらそこから希望も必ず描いている。カメラが向いているところには必ず事実という名の意思が介在している。後藤さんの意図はカメラのアングルからもよくわかる。

https://www.youtube.com/watch?v=nyej04B5dIY

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amazonで後藤健二さんの書籍が続々とベストセラー1位になっている。ノンフィクション・伝記部門

ベストセラー1位

ベストセラー1位

後藤氏のリポートには一般の戦争報道とは大きく異なる特徴がある。戦争の勝者や敗者を追いかけるのではなく、悲惨な状況に追い込まれた普通の人々、とりわけ子どもたちの姿を伝えることに力を注いでいるのだ。こうした普通の人たちの頑張る姿が自分を動かしているのだと、後藤氏は言っていた。でも、交通手段も乏しい危険地帯にどうやって入るのか――そう聞かれると、どこに行っても普通の人たちが毎日の暮らしで使っている道があると、彼は答えていた。人々が道を示してくれるのだ、と。

1996年に通信社インデペンデント・プレスを立ち上げてから、後藤氏はチェチェン、アルバニア、コソボ、シエラレオネ、リベリア、アフガニスタン、イラク、シリアなど、数え切れないほどの紛争地帯からリポートを続けてきた。フリーランスのジャーナリストだから、費用の多くは自己負担だ。日本のメディアは自社に所属する記者を危険地帯に送りたがらない。そうした場所に自ら赴き現状を伝える後藤氏は、日本の企業ジャーナリストたちから広く尊敬されている。

彼のリポートはNHKやテレビ朝日など大手テレビ局で放送されることも多いが、安全面の責任はあくまで自分にあると後藤氏は言い張ってきた。そこには自分が危険な状況に陥ったとき、大手メディアの友人たちが非難を受けないようにとの気遣いがある。今回、後藤氏がイスラム武装集団に拘束される直前に残したビデオで、「何か起こっても責任は私にあります」と語っていたのも、そうした思いがあったようだ

http://toyokeizai.net/articles/-/59178