- 16階調グレースケール表示の9.7インチディスプレイを搭載
(現行の「Kindle 2」には、6インチのディスプレイが装備されている) - 最高3500冊分の書籍、定期刊行物、ドキュメントなどを保存可能
- ポートレートモードまたはランドスケープモードに両対応する自動回転スクリーン
- PDFリーダーの内蔵
- 月額基本料金や年間契約不要の3Gワイヤレス通信ネットワークサポート
- 「何日間も充電なしで読める」バッテリ性能
- 書籍を声に出して読んでくれるテキスト読み上げ機能の搭載
by CNET JAPAN
Kindle DXが、Amazonから2009年の夏より、発売される。Amazon.comでは早速予約が開始される。
早速、米国の住所あてで予約してみた!
※日本には当然ながら出荷できなかった。
ちなみに重さは、18.9 ouncesだから、535グラムだろう。
4GBのストレージで、実質3.3GBが使用できる
USBポート 付属 オーディオ3.5mmのミニステレオ標準ジャック 等々
KindleとKindle DXを 比較するとサイズはこれだけ大きくなっている。
このサイズになって、雑誌や新聞がついに電子化されても読める気がしてきた。
2009年、ようやく、本当にようやくだが、「電子ネットワーク書籍」の時代へ突入するかもしれない。
日本の製品でも、ソニーやパナソニックがハードウェアとしては、当時では問題ない製品を出荷していたが、コンテンツを提供するプラットフォーム側に問題があったと言わざるをえない。
アップルの「iTunes」の成功により、音楽業界は大きく様変わりをした。Musicの世界の出来事が、BookやMagazineの世界でもありえるというのは、出版業界の中でも、もはや常識である。
米国の新聞、雑誌業界が、kindleへのサービスを開始したことには意味がある。
かさなる制作コスト、印刷コスト、配送コストとトレードオフし、しかもネットでの無料配信よりは、まだkindleの方がましという判断を下した結果といえるだろう。
このポータブルリーダー市場(もはや電子ブックではないだろう)、プレイヤーは大きく分けて、
1.Amazon
2.Google
3.Apple
4.Microsoft のプレイヤーが存在する。
デバイス機器は、台湾メーカーなどから多数参入されるだろうが、コンテンツのアグリゲーションと課金が、一番の課題だから、コンテンツサプライヤーと相性のいい関係が必要となる。
コンテンツサプライヤーの心理から言って、一番可能性が高いのが有料モデルの 1.Amazonだ。
現在Amazonの書籍の売り上げのうち35%はKindle Storeである。
無料化ビジネスモデルの2.Googleが市場を握る前に、課金の可能性が見えるAmazonとの提携はわかりやすい。
しかし、Googleも課金モデルで対応できるインフラは整備されているので、一概に嫌われているわけではない。
また、ロングテールのしっぽの先の商品を広告モデルで展開し、不良在庫が広告代金を稼ぎだせば話は全く別だ。ただ、このビジネスモデルを理解できるかどうかが問題だろう。
一方、3.Appleは、iTunesに、新聞、雑誌のカテゴリーを作り、デバイスを提供すればいいだけだ。
おそらく今頃は、NDA契約の最終確認といったところではないだろうか?
iAppに代表されるクラウドソーシングによるアプリケーションの多様なレバレッヂも期待できるので、多彩なコンテンツ活用が見いだされる可能性を秘めている。
Microsoftは、40億円規模の市場になると参入(kindleは推定137億円)なので、とっくに参入していてもおかしくないはずである。ビューワーとしては、Microsoft Readerで参入しているが、コンテンツプラットフォームに対して興味がないわけではないだろう。いずれにしても、何かが登場してくることは、
しかし、日本の業界は米国より先に、紙の利権を捨てる気はサラサラ無い。しかし、kindleや、その他のプレイヤーの黒船プラットフォームは、突然、日本語対応という状況で乗り込んでくることだろう。そのことだけは覚悟をしておかなければならない。
例えば、産経NetView(月額315円)などは、すぐに提携し、kindleの販売も手がけたほうが良いだろう。http://www.sankei.co.jp/netview/
ちなみに、産経NetViewに、申し込んでも、プロバイダー経由でないと課金されないので、過去のプロバイダーにアカウントが残っており、そのID(すっかり忘れてしまった)がないと申し込めなかった。
こういう機会損失を産経新聞さんは、知っているのだろうか?
もはやプロバイダー経由の小額課金の時代でもないだろう。自社で課金もやるべきだろう。
新聞社は、kindleへ、海外衛生版だけでもテストしてみるのも意味があるだろう。今後の対応のリサーチとなるだろう。
モバイルでいつでもどこでも、読みたい。検索して読みたい。書籍をいつでも持ち歩けるという行為は、iPodと同じ現象を生み出す可能性を秘めている。
アップルの新モバイルカテゴリ--「iPhoneとMacBookの中間」は実現するか
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000056049,20392566,00.htm
アップルのiPhoneもしくは、iPod Touchの新製品はどのくらいの大きさになるのかが、先ず気になるが、電子ブックとしての可能性は高まってきている。
泣いても、笑っても、この夏、ポータブルリーダーのビジネスモデルが開花するか?どうかを我々は見届けることができるだろう。
出版コンテンツのデリバリー手段が変るという、このグーテンベルグ時代の500年以来、最大のチャンスを、クライシスとして見るかどうかが運命の分かれ道だろう。
そして、最大の難問は、実はユーザーであるボクたちのパッケージの所有欲との意識との戦いだ。
ボクたち世代は、レコードパッケージの所有欲は、CDのプラスチックと紙ペラに変った瞬間に急激に変った。
だから、CDの膨大な数には価値を見いだせなかった。iTunesにおさまり、カバーフローでジャケ写が見えれば納得できた。
しかし、書籍は違う、書棚に並ぶ背表紙の題字が大事なのだ。数ある蔵書の前に立った時に、沸き立つひらめきやアイデアはkindleでは、蔵書が「見えない化」されてしまう。
書き込みや蛍光ペンにドッグイヤーに付箋によるインデクシングなども重要だ。
むしろ、空間による蔵書の認識が可能だったが、ポータブルリーダー機では、偶然の出会いがわずかになってしまう。それが果たして、良いのか悪いのか?
書籍の所有欲と、テキストコンテンツの価値、ディスプレイで本を読む時代になっても、これらはもっと議論されるべきことだろう。
関連情報
アマゾンの電子書籍端末「新型キンドル」の実力“書籍界のiPod”にはなれない?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090216/186159/
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http://digitallife.jp.msn.com/article/article.aspx/genreid=104/articleid=411153/