それは突然やってくる…。
いや、兆候は、顕著にあらわれていた。
先週の週末くらいから、メインのiMac24インチが、恐ろしく文字入力の反応が遅くなり、検索するだけでも、相当文字を打ち込んでからも数秒待たされる状態。テキストがクラウドにいって、戻ってきてから表示されるという感覚。
直近のインストール挙動といえば、FireFoxのアップグレード、アドオンでdeliciousをインストール。iWork’09の再インストール、さらにDropBoxなど、もしかして、EyeFiかな?…。
あまりにもいろんな”方々”が出たり入ったりしているので、病原菌の主ですら発見しずらい。
一時の問題かと思っていたが、ますます調子が悪い…。
「ピー」という空虚な音がなったり、一瞬、黒い幕がおりてきて、リスタートしてくださいと、さらにあやしくなった。
そして、ついに昨日、ついに内蔵のOS入りの有料アプリがどっさりはいったHDDがまったく起動しなくなり、デスクトップには大きく「?」だけが、空虚に点滅している。
何度リスタートしても、なおらない。パッケージ版のOSからリスタートすることにする。
そこで期待したいのが、TimeMachineだ。
しかし、TimeMachineそのものも何度となくエラーが出ていたのも少しは気になるが…。
半年ほど前からSamsong製の1TBの7200回転が、8,000円で買えたので、350GBをTimeMachineに設定し、残りをデータに割り当てていたことが保険となった。
TimeMachineの設定はMacのLeopard OS10.5を使っている人ならば、無償である。
このソフトが無償というのはすごいと思う。今まで何度となくバックアップソフトを試してみたが、とにかく面倒くさい。TimeMachineは、ものぐさなボクでも使えるので、普通の人ならばもっと便利だろう。
バックアップの重要さは、バックアップのしやすさではなく、データがぶっ飛んでから、それが復旧できて初めて実感できる。それまでは、単なる350GBの保険としてしか認識できていなかった。
今回は、楽ちんなバックアップだけでなく、稼働させてみて改めて感動の逸品だと思った。
設定しているアプリケーションは、一か月前のものを使うことにし、しかし、データは本日のたった2時間前のデータを呼び戻すという、過去の世界の、いいとこどりができる仕組みとなっている。これはすごい!
クラウドコンピューティングが、もてはやされ、何でもクラウドサービス化だが、一か月間くらいのバックアップが大容量で自宅でできてしまうというのが、このTimeMachineのいいところだろう。
はじめて復旧を稼働させる時のインタフェースは、一瞬ドキドキするけど、一度使えばかなり安心だ。これで、もう手放せなくなる。
過去へさかのぼる気分がとても斬新だ。みるみるうちに、懐かしいデスクトップに変わっていく。
たった一か月前の当時のデスクトップだけでも、なんだか懐かしい気がしてきた。
一年ごとに自分のデスクトップの写真を撮影しておくと、自分自身の成長の姿が、大人になった今でも、実感できるのかもしれない。オマケで昨年の今日のデスクトップみたいな機能があってもいいと思った。
昨年の「本日のデスクトップ」とかが見えると、仕事を比較できるとともに、発想支援となる業種はあるだろう。
ちょっとお値段の高い「TimeCupsel」を購入しなくても、TimeMachineは、機能するので、Macの人は外付けHDDを買えば、ぜひ内蔵HDDをそのままUSB外付けでバックアップとっておくだけで、将来的に、ド感激する日がやってくることだろう。
これぞ、まさしく未来の理想の「勝手コンピューティング」だ。
「勝手によろしくやっておいてくれる」という機能が重要だ。
コンピュータ、マルチメディア、ネットといろいろトレンドの波はやってきたけど、ユーザーにしわ寄せがかかることが多すぎる。もっと楽で怠惰で快適なコンピュータ環境が必要だ。まさにTimeMachineは無料でこんなことを勝手にやってくれている。
Appleは、iLifeやiWorkを売る前に、TimeMachineを販売すべきだろう。むしろTimeMachineProとして、mac.comビジネスの年額課金をこちらと併せ持つことも視野にいれるべきだろう。
当然、これで市場が40億円相当ありそうだと思った頃に、必ずMicrosoftが参入してくるので、動向を注目しておきたい。あとだしジャンケンの、「プロフェッショナル仕事の流儀」だ。ほんと、ムカつくマーケティング手法(怒)。
Microsoftが、セキュリティの有料サービスを開始した時は、誰のために、今まで、セキュリティソフトを購入していたのかと、独占禁止法の問題よりも頭にきたものだ。まぁ、AppleのMacだとウィルスにも安全!セールストークも間違ったプロモーションだと思う。 振込サギがより潜在顧客の多い層のところを狙うのと同じだから、Macだと振込サギにも相手にされていないくろらいのシェアなんだと理解しておいたほうがいい。
しかし、我々ユーザーは、Appleのシェアを気にする必要はない。Appleに一番つぶれてもらって困るのは、独占禁止法と長いおつきあいをしているMicroSoftなのだから。
だからAppleが安泰という訳でもない。
そもそも、この2社の独占体制はITの歴史的に見ても実に長すぎる政権である。
GoogleやFaceBook ASUSといっても、ハードウェアやシステムソフトで影響を及ぼしていない。
デスクトップ版のアンドロイドをGoogleとASUSあたりが組むとおもしろいことになりそうだが…。
スティーブ・ジョブズなき、アップルも企業としては非常にリスクがある。彼一人で動かしているわけではないが、企業、サービス、製品、ブランドの象徴としても重要だ。
今一番、TimeMachineを贈って喜ばれるのは、アップル社なのかもしれない。
あなたなら、いつの時代のアップル社にTimeMachineしたい?