【映画】『死刑台のエレベーター』のメディア考

ルイ・マル監督 の『死刑台のエレベーター』1958年

若干25歳のルイ・マル監督の自主制作ながらのデビュー作品

映画に予算など関係ないことを物語る映画だ。

『カメラ万年筆』と言われたヌーベルバーグ初期の自由な演出と大胆な構図。誰もが映画を撮影できる時代の幕開け。

全編に流れる、マイルス・デイビスのクールなジャズ。

完全犯罪となる予定が、思わぬ方向へ走り出す。

自主制作ながらも、安っぽさを感じないのが、高級車やロケ先の豪華さだ。

低予算ならば、お金をかけずにモノを調達してくることに限る。

https://www.youtube.com/watch?v=On9hWewcYZw

 

メディア考としては、電話の交換システム

そう、内線電話の基本は、交換手がケーブルで接続していた。

電話機のようなサイズの、鉛筆削りは、一瞬電話で鉛筆が削れるのかと思うほど。

この時計は、とっても斬新!細かな分は、表示せず 7時40分くらいを表示する。

 

オフィスにズラリと構えているのは、タイプライターだ。女性の仕事は、『タイピスト』と呼ばれ、男性の手書き文字をタイピングするだけの仕事が花形の女性の仕事だった。

当時の男性は、タイプできなかった。いや、タイプは、女性がやるものという感覚だ。

 

自主制作映画だが、ロールスロイスやこのベンツのガルウィング 300SL などが、登場する。それだけでも、低予算感がまったくなくなる。

映画の中のガルウィングはいつまでたっても新車のままだ。

https://www.youtube.com/watch?v=pmvdR4zvLms

 

新聞が、字母を組みこんだ組版による活版印刷だ。一文字づつ組み込む。

これは、一度でも体験してみると当時のメディアの仕組みが大変だった事がよくわかる。たかだか60年前だ。

印刷術誕生の15世紀からつい60年前まで、原理は同じであった。

電算写真植字、DTP、ダイレクト刷版、すでにPCレベルでプリントをコマンドすれば輪転機が動き始める。

デジタルカメラ、スマートフォンの普及で激変したのが、銀塩フィルムと現像の工程だ。

暗室の中で、酸っぱい現像液に浸すことによって印画紙にフイルムの画像が浮き上がってくる。

映画では、犯人たちの証拠写真をじんわりと浮かび出す。

しかし、この写真は、誰が撮影したものかがきになる。本来ならば自撮りの写真でなければいけないはずだ。

#NHKBSプレミアム 2019/03/14/THU

ルイマル

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB

死刑台のエレベーター

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E5%88%91%E5%8F%B0%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC

日本で2010年にリメイクされている

https://www.amazon.co.jp/死刑台のエレベーター-吉瀬美智子/dp/B00IA99MMU