中国のVPN規制は不可能だ。ネット言論の統制を目指す習近平

一度、知ってしまったインターネットの広大な大国を、赤い規制で取り締まるのは不可能。
より深い、危険なダークサイドなサービスへと逃げるだけだ。

2017年6月1日施行、中国インターネット安全法

2017年6月1日施行、中国インターネット安全法が日系企業に与える影響

❏行政法令で公表が禁止されている情報等について、情報ネットワーク運営者に対してデータの送信や削除を求める権限、および中国外からの通信遮断等を求める権限(本法50条)
❏国家の安全・公共秩序の維持、および社会的安全に関わる緊急事態への対応のために、特定地域におけるネットワーク通信を制限する権限(本法58条)
https://business.bengo4.com/category3/article252

習氏、ネット統制に執念 越境VPN提供を摘発

❏中国当局は国外のネットワークに接続するVPN(仮想私設網)の規制に乗り出した。中国のインターネット規制を回避するために利用されることが多い個人
向けのVPNサービスを摘発し、世論統制を強める狙い。今のところ社内システムへの接続などに障害は起きておらず、企業の運営に悪影響は出ていないようだが、海外情報の制限は中国経済の成長の阻害要因になるのは確実だ。

❏「不法なVPNアプリを排除しなさい」。
浙江省のネット規制当局は8月17日、同省に本拠地を置く中国ネット通販最大手、アリババ集団の通販サイト「淘宝網(タオバオ)」の責任者を呼び出して指導したことを明らかにした。その後、タオバオからVPNアプリが一斉に消えた。

❏(2017年)7月末には米アップルがスマートフォン(スマホ)「iPhone」に搭載するアプリ販売市場「アップストア」の中国版でVPNアプリの販売を中止。

❏(2017年)
中国当局は1月、許可を得ていないVPNサービスの提供を禁じ、摘発を始めた。情報統制を強化する「インターネット安全法」の6月施行を前に、ネット規制の回避を目的とした個人向けアプリを標的にした。

❏国家インターネット情報弁公室は8月11日、国家の安全を脅かす情報を放置しているとして、騰訊控股(テンセント)、新浪(シナ)、百度(バイドゥ)の大手3社への調査に着手。3社の利用者は合計で13億人を超える。中国ネット企業幹部は「3社のサービスを押さえることで中国のネット世論をコントロールする狙いだ」との見方を示す。

❏共産党がネット検閲に本格的に乗り出したのは20年近く前。民主化運動やわいせつ画像など当局が「有害」として指定したサイトを自動的に閲覧できないようした仕組みを構築した。「金盾工程」や「グレート・ファイアウオール(ネットの長城)」と呼ばれる。

❏グーグルとフェイスブックは検閲に反対し、中国で利用できない状況が続く。一方、アップルやアマゾン・ドット・コムは中国の規制に対応。アップルはスマホの大半が中国製で中国当局と対立するのは難しいとされる。外資系証券アナリストは「中国のパイプが多く、利益を共有する米国企業は多い」と指摘する。

❏8月23日、湖北省武漢で国家インターネット安全学院の建設が始まった。総投資額は3500億円。2019年に開校し、約1万人の訓練を見込む。サイバーセキュリティーの権威、沈昌祥氏は「中国による完全独自のシステム構築が必要だ」とし、次世代のネットの長城を構築する構えだ。

❏「ネットの安全がなければ、国家の安全はない」。権力基盤固めを狙う習近平国家主席は持論に従い、中国独自のネット空間の確立に執念を燃やすが、反作用は大きい。

❏ベンチャー投資家も「ビジネスの種を見つけたり、世界経済の動きを見極める情報が減ったりすれば、起業や経営の判断に支障をきたす恐れもある」と懸念する。ネット言論の統制は、長期的に中国の経済社会へのマイナスが避けられない。

2017/9/6 21:00
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM28H8O_W7A900C1EA1000/

一方そんな中でも中国でAI研究ではGoogleが再度上陸している。
チームリーダーは、李飛飛 (フェイフェイ・リー) 氏。
https://www.ted.com/talks/fei_fei_li_how_we_re_teaching_computers_to_understand_pictures/transcript?language=zh-TW

❏米IT大手グーグルの関係者は(2017年12月)13日、中国で人工知能(AI)を研究する拠点「グーグルAI中国センター」を開設したと発表した。検閲をめぐる当局との対立で2010年に中国での検索サービスから撤退しており、中国メディアは「再上陸」と歓迎。巨大市場をにらみ、自動運転などの研究を進めるとみられる。

❏中国で「AIの女神」ともてはやされるグーグルAIチームの李飛飛(フェイフェイ・リー)氏。中国メディアによると、李氏は上海で開いた会議で、「AIに国境はない」と述べ、中国当局と協力する意向を表明した。

❏センターは北京に置き、李氏が陣頭指揮を執る。李氏はスタンフォード大に籍を置き、トヨタ自動車のAI開発にも関与しているという。中国でも、自動運転の研究に取り組むと見込まれる。

(2017/12/13-21:32)
中国でAI研究=グーグル「再上陸」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017121301287&g=int