YouTuberという職業が日本でも定着化!
これはつまり…いままでのCMに無理があったことの裏返し。より、視聴者に近い側の代弁者が求められている。良いことだけではなく、悪いことも、キャラクターを通じて、情報が伝わる。それを含めての「広告」という概念の理解が必要だ。
若者人気の本領が発揮されたのが、今年7月に行われたヤマハ発動機の新商品である、3輪スクーター「トリシティ125」のプロモーションだ。ヤマハ発はHIKAKINさんを新商品の試乗会に招き、動画でその模様をレポートしてもらった。
結果は大当たり。動画の再生回数は半日で60万回を突破し、「乗ってみたい」「カッコいい」など、動画へのコメントが数多く寄せられた。費用面でも、ネットのバナー広告なら1クリック当たり100~300円のコストが発生するところを、1再生当たり数円に抑えることができた。ヤマハ発動機広報宣伝部の野中憲氏は「若者のバイク離れは深刻。そのため10~20代の利用者が多いユーチューブで、若者に新商品やヤマハというメーカーを知ってもらおうと考えた」とHIKAKINさんを起用した狙いを語る。
このほかにも、女性ユーチューバーの佐々木あさひさんがネスレ日本の粉末飲料「ふわラテ」を得意のメイクアップと連動させて紹介したり、これまたユーチューバーで役者でもある瀬戸弘司さんが軽快なラップで養命酒をPRしたりするなど、企業による活用は広がっている。
背景の一つには、テレビCMでは情報を届けられない層が出てきていることがある。ユーチューブを頻繁に見る人はテレビをあまり見ない傾向にある。つまり、テレビからユーチューブへと、若年層を中心に視聴者のシフトが起きているのだ。さらに、ユーチューブなら、通常数億円かかるテレビCMよりも、はるかに安い費用で広告効果の高い動画を配信することができる。
視聴者からの反応も概して良好。なぜなら「ユーチューバーは商品のよいところも悪いところも好きなように発信し、企業に発言を押し付けられることがない」。後出するuuumと提携した戦略PR会社ブルーカレント・ジャパンの本田哲也社長は言う。
もっとも、動画の再生による広告収入は、100万回の再生で10万円程度が目安。商品レビュー動画で人気のユーチューバー、ジェットダイスケさんは「動画の広告収入だけではなかなか生活できない。企業とのタイアップ企画が必須」と明かす。
そうした中、ユーチューバーと企業とを橋渡しする会社も現れた。2013年6月に設立された、日本初のユーチューバー専門マネジメント会社のuuum(ウーム)がそれだ。
所属するユーチューバーはHIKAKINさん、ジェットダイスケさんなど現在29人。ユーチューバーが動画の制作に集中できるよう、企業とのタイアップ案件の調整やメディア取材の対応準備などをユーチューバーに代わって行う。
uuumの鎌田和樹社長は「マスメディアの時代から、個人がメディアになる時代に変わってきている」と見る。現実にはユーチューブで食べていけるのはごくわずかのトップ層だけ。だがユーチューバーの活躍の広がりは、個人の発信力がマスメディアの影響力に追いつき追い越すことのできる可能性を示している。
引用元: だからヤマ発は「YouTuber」を起用した (東洋経済オンライン) – Yahoo!ニュース BUSINESS.