FlashからHTML 5 スティーブ・ジョブズの書簡

YouTube、従来のFlashに代わってHTML5をデフォルトに
米Googleは2015年01月27日(現地時間)、動画サービスのYouTubeにおいて、ブラウザのChromeやInternet Explorer 11、Safari 8、Firefoxのベータ版でアクセスした場合、これまでのFlashではなく、HTML5で動画が再生されるよう、デフォルトに設定したことを明らかにした。従来のFlashから変更したことで、様々なメリットがあると説明している。

YouTubeでは、HTML5をデフォルトとするメリットを大きく5つ挙げている。

1つ目はMediaSource ExtensionsというAPIを使ったABRのストリーミング配信への対応で、回線の状況に応じて適した解像度やビットレートで配信できることにより、全体で50%以上、特に回線が混雑している場合は80%以上のバッファリング時間を削減できるとしている。また、対応デバイスとして、HDMIスティックのChromecast以外にも、XboxやPlayStation 4(PS4)などゲーム機もライブストリーミングに利用できるとしている。

 2つめはVP9コーデックへの対応で、従来比で通信帯域を35%抑えながら高画質なビデオを配信可能としている。ファイルサイズが小さくなることで、より多くの人が4KやHDの60fps映像も配信しやすくなり、再生までの時間もこれまでに比べ15~80%早くなるという。現在、既に数十億のVP9映像が配信されているという。

 3つ目は暗号化関連で、FlashやSilverlightなど従来のプラットフォームでは、それぞれ異なる暗号化技術と紐づいた形になっているのに対し、HTML5では、1つの対応プレーヤーで様々なプラットフォームや暗号化技術に対応したことで、スムーズに再生できるとしている。

 4つ目はWebRTC(Web Real-Time Communication)への対応。Google Hangoutを使ったビデオチャットが、別途プラグインなどを必要とせずブラウザ内で行なえる。

 5つ目は全画面表示。HTML5の新しいフルスクリーンAPIにより、標準のHTML UI上で、4Kビデオにもフル対応した全画面表示が行なえるという。

http://japan.cnet.com/news/service/35059655/

YouTubeはビデオのデフォルトをFlashからHTML 5に移行すると発表しました。アップルは長らくFlashをサポートせず批判されてきましたが、それに対してスティーブ・ジョブズが発表した2010年の声明が残っています。

彼が5年前にFlashとAdobeや、これからの時代の変化をどう考えていたか垣間見ることができます。

FlashはPCの時代にPCとマウスのために作られた。AdobeにとってFlashは成功しているビジネスだから、FlashをPC以外にも進めてくるのは理解できる。しかしモバイルの時代は低出力のデバイスとタッチインターフェース、オープンウェブスタンダードが重要であるのに、そのすべての分野でAdobeはうまくいっていない。

iOSにコンテンツを提供するメディアが殺到していることからどんなビデオやウェブコンテンツを消費することにもFlashが必要でないことがわかる。加えてApp Storeにある25万ものアプリ自体が、グラフィックの豊富なアプリを何万もの開発者が作ることにFlashは必要でないことを示している。
https://www.apple.com/hotnews/thoughts-on-flash/

ジョブズがこのレターを書いてから5年経った今、FlashからHTML 5への移行が本格的に起きていることを見ると改めて彼の先見の明に驚かされます。

いや、むしろアップルがモバイルの時代を築いてきたことを考えると彼自身が流れを作ったと言った方が正しいのかも。

引用元: YouTubeがFlashからHTML 5に移行した今こそ振り返るスティーブ・ジョブズの5年前のレター : ギズモード・ジャパン.