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人道支援よりも「ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです」と発言していた!「117カイロスピーチ」2015年1月17日安倍首相カイロスピーチより

安倍総理の発言を確認してみた。

「1分56秒」で語っているスピーチは、明確なISIL批判である。

そこに、肝心な「人道支援」の言葉はない…。
「イラクシリアの難民・避難民支援トルコ レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人財開発インフラ整備を含めISILと闘う周辺各国に総額2億ドル程度支援をお約束します。」

と発言していた!これでは、いくら人道支援と後で言っても発言していないのだから仕方がない。

2015年2月1日、ついに、イスラム国の暴挙によって、新たな局面を日本は迎えてしまった。「テロには絶対に屈しない。人命第一。」という相反する二重の約束のうち、ひとつは実現できなかった。

そして、イスラム国のメッセージは…
❏「お前たち愚かな有志連合は、われわれがアラーのご加護により、権威と力のあるイスラム教カリフ国家であり、お前たちの血を欲しがっている軍であることを理解できていない。
安倍、勝ち目のない戦争に参加するというお前の無謀な決断のために、このナイフは後藤を殺すだけでなくお前の国民がどこにいようとも虐殺をもたらすだろう。日本の悪夢を今始めよう。」の後、刃を後藤健二さんに向けた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150201-00000013-jij-m_est

イスラム国がなぜこの暴挙にでたのか?
そして2億ドルという脅迫のあてつけをおこなったのか?
すべては、このスピーチのコミットメントからだという彼らの言い分だ。
アベノミクス政策の国外アピールに、想定外の勢力が反応してしまったのだ

日本国民として、このスピーチは、ぜひ一読し、これからの「悪夢」を、覚悟をしておく必要があると思う。

政府が…首相が…与党が…の問題ではない。
日本国民が信を問われて、日本国民が選んだ代表者の言葉だ

しかし、すべてにわたり円借款によって、日本の技術を中東に売り込むためのセールススピーチにしか聞こえてこない。海外協力と言いながら、この気前の良すぎる円借款は、いままでの東南アジアからの高度成長の返済があるからこそ、再融資が可能なのだ。しかし、国債の借金を考え、消費税負担を考えた場合にこれほどまでの海外協力は必要だったのだろうか?と今更ながら悔やまれる。

我々に決してそんなつもりがなくても、このスピーチでは、カネだけでなく、十二分に中東の問題に対して、日本は中庸な立場として参加するコミットメントしている

問題は、「人道支援の為の」という枕詞もなく…

❏イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します

と宣言してしまっている。

これで「人道支援」であったの詭弁は通用しないだろう。動画を見ても明らかだ。
これは、首相のスピーチライターは強く反省すべきだろう。

一方、イスラム国は、日本人への干渉が世界に対して、これほどまでにアピールできたとすると、海外の邦人保護にかぎらず、これだけ観光ビザが緩和されている日本の現状を考えると、国内でのテロにも警戒すべきである。

オウムのサリン級のテロが、イスラム国から、日本に向けていつ行われても不思議ではない状況である。それは、中東で人質を取るよりも、日本を相手にしたほうがより世界にアピールしやすいことを彼らは学習してしまったからだ。

日本はこの20年間国内テロを経験していない。過剰に反応する国民性も学習している。

中東の邦人だけではなく、入国する外国人の管理に対してもテロへの警戒を強めるべきだと思う。そして、テロに対しての予行演習も必須となるだろう。自爆テロのパーツは、秋葉原でも買い集めることができてしまう。
日本の安心・安全を再度強固に意識すべきだろう。

日本という国は、中東に「中庸」という名のパンドラを知らぬ間に開けてしまったのだ。

それにしても、ODA Official Development Assistance(政府開発援助)にバラ巻きすぎではないだろうか?

2013年度には2兆円!
消費税に換算すると約1%以上となる金額の円借款だ。

● 日本のODA実績とJICA事業
日本の2013年(暦年)におけるODA実績(東欧、卒業国および欧州復興開発銀行(EBRD)向けを含む支出総額(暫定値))は、総額227億6,380万ドル(2兆2,215億円)です。この内訳は無償資金協力が71億2,060万ドル(6,949億円)、技術協力が29億2,289万ドル(2,852億円)、政府貸付などが97億4,831万ドル(9,513億円)でした。
http://www.jica.go.jp/about/report/2014/ku57pq00001nohem-att/05.pdf

平成27年1月17日
日エジプト経済合同委員会合における安倍内閣総理大臣政策スピーチ

中庸(ちゅうよう)が最善:活力に満ち安定した中東へ

❏ 2年前、私の政府はこの考えに立って、中東全体に向けた22億ドルの支援を約束し、これまでにすべて、実行に移しました。本日この場で皆様にご報告できることは、私にとって大きな喜びです。

❏「中庸が最善」の精神に裏打ちされた、活力に満ち、中東地域の人々が安心して暮らせる、安定した中東を取り戻すこと。日本の協力は、まさしくそのためにあります。エジプトの皆様、中東の人々に、知ってほしいと願わずにはいられません。

❏ここで私は再び、お約束します。日本政府は、中東全体を視野に入れ、人道支援、インフラ整備など非軍事の分野で、25億ドル相当の支援を、新たに実施いたします

大エジプト博物館(GEM 、ジェム)の建設や、エジプト日本科学技術大学(E-Just 、イー・ジャスト)の事業で、皆さんと一緒に働けることは、私たちにとって大いなる喜びです。
日本の協力でできた小児病院を、皆さんが「日本病院」と今でも呼んでいること、首相閣下もよくご存知ですが、運河の橋が、日本の支援でできたと覚えてくださっていること。ひとつひとつ、私たちの誇りです。

私たちが築いてきた友情の物語に、新たなページを加えるときがきました。
エジプトが安定すれば、中東は大きく発展し、繁栄するでしょう。
私は日本からご一緒いただいたビジネス・リーダーの皆様に、ぜひこの精神にたって、エジプトへの関わりを増やしていただきたいと願っています。

❏日本政府は、その下支えに力を惜しみません。
E-Just(イー・ジャスト)にとって便利で、有望な産業立地とも近いボルグ・エル・アラブ(Borg El-Arab)国際空港の拡張を、お手伝いします。電力網の整備とあわせ、3億6000万ドルの円借款を提供します

カイロ地下鉄など交通インフラや、再生可能エネルギー、火力発電に、日本は最先端の、環境に優しい技術を提供します。エジプト発展の、一助となるため、ひいては、中東全体に安定の基礎を広げていくためです。

❏その目的のため、私が明日からしようとしていることをお聞き下さい。
まず私はアンマンで、激動する情勢の最前線に立つヨルダン政府に対し、変わらぬ支援を表明します。国王アブドゥッラー二世には、宗教間の融和に対するご努力に、心から敬意を表すつもりです。パレスチナでは、保健医療、水道整備や西岸とガザの難民支援など、民生安定に役立つ施策を明らかにします

❏イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します

イラクでは、全党派を含む、国民融和内閣による安定的な統治が絶対に必要です。日本は、そのための努力を支援し続けます。

❏地域から暴力の芽を摘むには、たとえ時間がかかっても、民生を安定させ、中間層を育てる以外、早道はありません。「中庸が最善(ハイルル・ウムーリ・アウサトハー)」。日本はそこに、果たすべき大いなる役割があると考えています。

❏ 中東和平を進めるには、周辺国を含めた対話、協働、信頼関係づくりが不可欠だと信じる日本は9年前、ヨルダン川西岸に「平和と繁栄の回廊」をつくる提案をしました。このプロジェクトが和平にとって何より大切な資産――地域における全ての関係者の信頼を育ててくれること。それこそが、私たちの切なる願いです。その願いのために、日本は、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンと一緒になって取組を進めています。

❏「平和と繁栄の回廊」はやがて、一大観光ルートになる可能性を秘めています。パレスチナを、ツーリズムで賑わう場所にしようではありませんか。日本は、喜んでその触媒になります。

❏1997年以来足かけ18年、日本政府は、イスラエル、パレスチナ双方の青年を招き、日本で共に過ごしてもらう事業を続けてきました。私のもとに来てくれたとき、私は青年たちに、7世紀の人、聖徳太子の言葉を贈りました。「和を以て貴しと為す」という言葉です。
彼らこそ、和平を担う若い力となってほしい。そんな願いを託しました。今回は訪問先で、「卒業生」の皆さんを集めて同窓会を開きます。

❏日本は近い将来、パレスチナを、国家として承認できる日が来ると信じています。その日が早くなるよう、いわゆる二国家解決を進めるため、イスラエル、パレスチナ双方に、交渉の再開を訴えます。
「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」という枠組みのことも、ご記憶ください

戦争の荒廃から復活した日本、わずか一世代で経済的飛躍を遂げた東南アジア諸国は、パレスチナの支援に活かせる経験と智慧において豊富です。持ち寄って実際に役立てようと、日本の肝煎りで始まったものでした。
中東和平にとって不可欠の、「信頼」が育つよう、息長く協力を続けてきたのが日本です。私たちに果たすべき役割がある限り、勇んで引き受ける覚悟だと申し添えます。

❏大いなる可能性を秘めた中東地域。しかし、この地域を取り巻く情勢は、近代史上、もっとも大きなチャレンジの一つに晒されていると言っても過言ではないように思えます。
しかし、それだからこそ「中庸が最善(ハイルル・ウムーリ・アウサトハー)」と、私は最後に繰り返したいと思います。
過激主義でなく漸進主義をとり、何よりも民生の安定を目指し、歩んで行かれる努力に私は最大の敬意を表します。憎しみでなく、寛容、そして中庸をむねとして中東がその巨大な歩みを着実にするとき、世界は祝福に包まれます

❏そのためにこそ、日本とエジプトが、新たな1ページをめくるべきだと申し上げました。日本とエジプトに、そして日本と中東に、タヒヤー・サダーカ(友情よ永遠なれ)。シュクラン・ジャジーラン(有り難うございました)。

http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0117speech.html

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