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JASRACは「放送通信融合」の少なくとも味方ではないようだ

CNETにJASRACに関するインタビューが掲載された。
http://japan.cnet.com/interview/biz/story/0,2000055955,20364047,00.htm
「JASRACは「放送通信融合」の敵か味方か」–菅原常任理事に聞く」

「JASRACはコンテンツホルダーではありません。つまり、ある特定の著作物について最大効用を考えたマーケティング戦略を組むことはなく、相手が誰であろうと、つまりは1次利用であろうが2次利用であろうが区別することなく利用を許可する。ビジネスの成否などは判断材料にありません(菅原常任理事 談)」

気になるのが、JASRACという公益法人である社団法人は、音楽業界への産業的寄与というよりも、役所がまるで徴税を行うかのように、決められた音楽使用料をただ徴収しているだけという印象を受けた点だ。

「相手が誰であろうと構わない」「ビジネスの成否は問わない」「もちろん、協会収入という面において成功していただくに越したことはありませんが(笑)」という点が、公益法人というよりも、まるで役所のような印象を受けたところだ。

そうそも公益法人というものは、
①公益に関する事業を行うこと、
②営利を目的としないこと、
③主務官庁の許可を得ることが必要
であるはずだ。

ジャズ喫茶等への強引なライブ演奏の取り立て
http://blog.livedoor.jp/jasrac1/archives/4242682.html
http://www.local.co.jp/news-drift/news-toukou.html
さらに1000億円を超える使用料の分配なども明確ではない点や、膨大な天下り理事の退職金などが指摘されている。

これが、公益に関する事業のなすことなのだろうか?さらに営利を目的としない社団法人のすることなのだろうか?

週刊ダイヤモンド
「日本音楽著作権協会(ジャスラック)/使用料1000億円の巨大利権 音楽を食い物にする呆れた実態」
http://img.yahoo.co.jp/i/evt/magazine/news/08-1.jpg
http://img.yahoo.co.jp/i/evt/magazine/news/08-2.jpg

この記事に対してのJASRACの訴訟
http://www.jasrac.or.jp/release/05/11_1.html

常にJASRACは訴訟という方的措置で、公益になることを目指しているようだ(笑)。

さらに、③主務官庁での許可を得るだけでなく、面倒まで見ているから、ますます面倒なことになる。

中島聡さんも
「文化庁からJASRACへの天下り」は全面禁止にすべき」
http://blog.japan.cnet.com/nakajima/archives/003395.html

と指摘しているとおり、この利権がある限り、現状を維持するほうが美味しいのだから、放送と通信が融合する新しい社会を歓迎するわけがないだろう。

「契約体系については、地上波テレビ局同様、総収入の2%をお支払いいだだく形になります。理屈的には個人複製をオープンしたユーザー個人に料金を収めていただくのが正式ですが、それを運営主体であるYouTube、ないしはニコニコ動画が本人にかわって処理する、という形式を採用することになるでしょう」。

テレビ局はビートルズの楽曲でもSMAPの楽曲でもJASRACのおかげで自由に使用することができる。しかもまとめて支払って、分配比率はJASRACの「使用料規程」に委ねられている。

JASRAC使用料の分配について
http://www.jasrac.or.jp/profile/business/assent.html

テレビ局側も、どの楽曲を使ったなどの正確な使用楽曲のデータ提供は、煩雑さを理由に、楽曲ごとには報告がなされておらず、特定の期間の調査によって決められているのが現状だ。これで作詞・作曲者の信託された業務といえるのだろうか?総収入の2%というのも各テレビ局から徴収できるのだから相当な金額になるだろう。

しかし、もっと大きな問題は、「飲食店でのカラオケ演奏」などの収入だ。膨大になるので、統計学的な処理で行われているという点だ。実際にボクの店でもJASRACに楽曲使用料を払ってきている。
しかし、ボクのマニアックな趣味の楽曲がどのように分配されているのかを年に一度も調査をしようとしていないのが不思議でならない。請求書だけは、必ず毎年やってくるが…。

せめて統計的な資料に頼るだけはでなく、iTunesのプレイリストの共有サービスやAudioScrobblerなどで、電子的に各店舗のプレイリスト収集を実態に近づけるべく、収集するような実験くらいしても損はないのではないだろうか?
少なくとも訴状を書いている暇があるならば、そういった努力を惜しむべきではない。

ボクの支払った年間6300円の楽曲使用料のうち、ヘビーにかけている沢田研二さんにわたっているのかが?とても気になる。


【Photo】今年も請求書だけは確実に届く…音楽の調査はどうなっているんだろうか?

 

これらの信託された一番重要な分配のシステムそのものが、膨大を理由に統計データで一括処理している以上、JASRACのお役所的な体質は変わりそうにないだろう。

ましてやYouTubeなどのサービスによって、テレビやラジオ以外で、楽曲をマーケティング的に知ることができるチャンスが生まれていることもある。
PandoraやLast.fmが日本から締め出されることによっての「機会損失」も、公益を考える立場で本当は計算すべきだろう。

今後、いつまでテレビやラジオだけで楽曲のプロモーションが可能なのだろうか?
信託された楽曲の使用料徴収だけではなく、信託された楽曲のマネージメントまでもふくめた広義の著作管理団体をめざしていただきたい。
社会における不特定多数の公益のためにも。

JASRAC2.0化を早急に望みたい!