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はじめてのMac OS X

KNNエンパワーメントコラム by日刊デジタルクリエイターズ http://www.dgcr.com

MacintoshのOSを、ようやくMac OS Xにした。
……というよりも、新しいMacintoshを選択するにあたり、OS XしかOSの選択肢がなかったからだ。
……というよりも、新しいPCを購入するにあたり、Macintoshという選択肢が残ったからでもある。

事件はWindowsのデスクトップの不調からである。カノープスのDV Stormがささっているマシンが突然終了してしまうという事態に見舞われ、ビデオ編集が連休中にできなくなり、急遽、新しいPCを検討せざるをえなくなった。

本当であれば、PanasonicのLets noteの6月の新製品「W2」のレッドモデル 
http://www.mylets.jp/w2/index.html
を購入する予定であったが、そんな悠長なことをいっていられなくなり、ペンティアム4のデスクトップなどを検討した。

しかし、メーカー品のデスクトップは、異様な液晶テレビ付きのものばかりで、触手が伸びないどころか、辟易とするようなものばかりだ。ノートは現在のVAIO GRX90Pで十分で対象外。Macintoshはバリエーションが驚くほど少なく、eMacが安価でいいかと思うが、CRTを置く物理的なスペースがもはや存在しない。20インチのiMacなどは、テレビ代わりとしてもいいのかと思いはじめた。

そういえば、インターネットの普及期には、Windows対象のサービスばかりで、Macintoshの使用率はほとんど、FinalCutProとiTunesのみとなってしまった。Mac OS Xにあまり魅力を感じず、ソフトもOS9時代のものばかりであったせいで、未だにそれらで十分と思っていた。

しかし、最近の「まつかさレポート」に見られた「ガレージバンド」の評判は、元落ちこぼれ音楽人にも、興味津々であり、ソフトの充実してきているMac OSXも選択肢にはいるようになりつつあった。新しいFinalCutProも気になる。

こんな時には、旧友のMacintoshエバンジェリストは、非常にというか、親切すぎるほど熱心に相談にのってくれる。現在のOS X は、絶対に損はないと断言する。しかし、この日を契機に、Windowsパソコンと長く接していることによって、パソコンに対して愛着を抱くことを忘れてしまっていたボクが、またもやMacのエンスージストに入る魅力を感じはじめるきっかけになるとは…。青春時代の甘い恋愛感が、また戻ってきたようなものだ。

G5のデスクトップを選択しようとしたが、あの大きさには、もう驚いてしまった。あんな巨大なデスクトップは、机の上はおろか、机の下にも置くスペースがないじゃないか! するとMacのチョイスはiMacかノートサイズしかない。エバンジェリストは、絶対にPowerBookの拡張性を推薦する。

iMacの液晶に魅力を感じながらも、マルチモニタで使用している液晶環境はすでに部屋にWindowsだけで3面あり、さらに液晶を増やすと部屋がすべて液晶画面に浸食されてしまう。そこで渋々とノートを選択するようになった。

デザインの変わり映えのしないPowerBookG4よりもG4化したiBookと十分と思った。しかも10万円も安い。色も純白でいい。エバンジェリストは、iBookの欠点を語りはじめた。1,024×768ピクセルしかないディスプレイサイズ、ミラー
リングしかできない映像出力……。

選択枝は、PowerBook G4となった。ここまできたら、もちろんSuperDriveだ。支払いは夏のボーナス時でいいらしい……。うーん、まんまと罠にはまってしまった。しかし、かつてあったMacintoshを購入した時のウキウキ感はなぜだかない。一秒でも早くパッケージから取り出したい気分はなかった。自分が大人になってしまったからだろうか? しかし、その感情は翌日に見事に裏切られた。

無駄なほど金をかけたパッケージを開けたとたんにシンプルな説明書と、これまた無駄と思える「Designed by Apple in California」のシート。このシートは何を意味しているのかは不明が、米国製ではなくカリフォルニアというのが気にかかった。クパティーノでもよかったと思うが、最初にMacintoshを購入した人が最初に目にする、アップルからのメッセージが込められていると感じた。

実際に製造はアジアのどこかかもしれないが、カリフォルニアでデザインされたコンピュータを今から使うんだという意識をアップルは顧客に提供しているのだろう。これは最初のMacで目にした「Read me First」にあたるメッセージに近い。最近はRead me firstといわなくてもいいだけの資料しかはいっていないのが残念でもあるが…。

はじめてのMac OS Xは、ボクにとっては、Linux OSを触るような違和感でいっぱいであったが、洗練されたナビゲーションは、Windows漬けのボクに新たな感動を与え続けてくれた。何よりも、過去のMacintoshのインタフェースデザインが確実に進化していた。単にスピードアップしただけではなく、ユーザーインタフェースに芸術性すら感じさせてくれる。

一見すると変わり映えしない銀色のデザインも、使っているうちに「いぶし銀」のような魅力に変わりつつある。バッテリの持ちもLet’s noteには及ばないまでも、充分ACケーブルを持ち歩かなくてすむ持続時間だ。心配していたOS X であるが、細かいところまでは、よくわからないまでも、一度でもMacを使ったことがあれば難なく使いこなせそうだ。

むしろ、Windows XPが今だに CドライブやDドライブといったフロッピー時代のドライブ設定名を使用していることへの疑問がフツフツとわいてきた。コンピュータの初心者は、なぜCからドライブ名がはじまるのかが、不思議でしょうがないだろう。
OS X付属のiLifeソフトウェアの秀逸さは、ハードウェアとOSとソフトウェアの三位一体の成果であろう。しかし、不安は残されている。ソフトを提供するサードバーティーが介在しなくなったOSに、どれだけの未来があるのだろうか?

サードパーティーもアップルと仕事をしていく上に不安を感じることだろう。このあたりの環境を、かつてのアップルのようなサードベンダーとのつきあいかたを考えるべきだろう。オマケと思えないソフトを提供する以上、リスクはつきまとう。

基本的なソフトウェアが提供されているのは、ユーザーとしては嬉しい事であるが、業界全体で考えればどうかと思う。アップル以上のソフトウェアをデザインできる会社はそれほど多くないからだ。いっそのこと、自己完結するメー
カーを目指すのであれば、スプレッドシートやデータベースも基本ソフトとして提供してほしいものだ。映像関連ばかりでなく、Microsoftの「Money」にかわるようなパーソナルマネージメントソフトは、iCalと連携すればさらに便利になることだろう。iCalも2週間で見られるモードが欲しいゾ。

映像編集専用に臨時で導入したMac OS Xであったが、使いはじめて数時間でメインマシンになってしまいそうな勢いを感じる。しかし、Beckyで構築した巨大なメールフィルタをどうやってMacに移植すればいいのかはわからないが、メールとブラウザが使えればいいというPCの使いかたから、再び、それ以外のクリエイティブなことをコンピュータでやりたくさせてくれるOSに出会ったことを嬉しく思う。

少なくとも、最初にWWDCで出会った頃のMac OS Xとは大きく変化していた。ジョブズのわがままと思われたOS Xであったが、ここまで使い心地のよい環境になっているとは! すごく嬉しいとともに、これからのソフトウェアの出費が
怖い気がする。しかし、OS Xの機能に負けないMacらしいアプリケーションがもっと登場しなければならないことには変わりはないだろう。

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