https://www.youtube.com/watch?v=6G1OHLyMY7U
【映画】「永遠の0」金曜ロードショー
金曜ロードショー 「永遠の0」を観た。
戦争映画は、好きではなくできるかぎり見ないことにしている。それは、小さな頃に、父に連れられていって、何度も何度も、戦争中の苦労話を聞かされるのがいやだったからだ。
史実としての知識を短時間に当事者意識に立つという意味では価値があるが…。しかし、いつも録画している金曜ロードショー。ついつい見てしまった…。
映画の中で、三浦春馬と吹石一恵は自分たちの本当の祖父(岡田准一)の足跡をたどる。インターネットで見つけた戦友会名簿から祖父、「宮部久蔵を知ってますか?」の手紙を出し、返事のあった方々から祖父の話を聞くというところからスタートする。戦争中、しかも直接戦ってきた人の話を直接聞ける時間は、あとそんなに残されていない。もし、それを映像化できれば、それぞれのゼロが見られるはずだ。
「私らは”愛”というコトバは使いません」
老いた帰還兵へのインタビューのうち、橋爪功は、「私らは”愛”というコトバは使いません」と当時の家族愛を語る。
そう、「個人の幸福」を口にすることさえ、はばかられる弾圧の空気があったからだ。それを岡田准一は、口に出すことによって、仲間からうとまられる。それは誰もが封印している本当の感情だったからだ。この言いたいことがいえない「空気」ほど恐ろしいものはない。
「世界のために」、「社会のために」、「家族の為に」、「愛する人の為に」、言うのは簡単だ。誰もが同じ感情に共感できる。
しかし、一旦、それらが、「我が社のために」、「日本人のために」、「国家のために」となれば、殺戮さえも、無感情で行える。さらに、たくさん殺戮すれば、勲章がもらえ、報奨され、社会的地位も上がる。言いたいことが言えない「空気」を封印してはならない。
「◯◯のために」を、自分以外の「誰かのために」と、置き換えることによって、それらの暴走は食い止められる。そもそも、私らは”ために”という偽善化されたコトバを使わなければないほうが良い。
「ために」が「愛」に変わるだけで、行動はやさしくなる。たとえ「国家への愛」や「日本人への愛」であっても…。
橋爪功が、模型のゼロ戦を曳航すると…ゼロ戦へとオーバーラップする…。真珠湾攻撃のシーンだ。
CG映像で見せる歴史的戦闘シーン
映像は、CGの素晴らしさにともないリアリティがある。特に真珠湾攻撃の魚雷や、空母赤城は見事に再現、いや再創造された。米グラマン機とゼロ戦との空中戦も派手さはないが見事な出来栄えだ。
映画「パールハーバー」などもリアリティを持っていたが、この映画の方が日本側からの視点で見ることができる 映画「トラ・トラ・トラ」などの映画との特撮とはは雲泥の差だ。映像技術の進化はすさまじい。
この映画の戦闘シーンをみれば見るほど、「命」を賭しての戦闘ということを実感することができる。「スターウォーズ」などの戦闘シーンもよく見るが、そこには、「命」を賭している情感はまったくいだかない。戦闘がひとつのストレス発散に近い。
残念なのは重いテーマの中に挿入される、長い長いCMタイム。完全ノーカットだから仕方がないのかもしれないが、脳天気なCMに毎度、映画のストーリーが分断される。真剣に見ている間にふざけたCMは逆にイメージが悪く感じる。むしろ、前編後編と分けてサッカーのようなCM挿入時間にしてもらいたいほどだ。近日、放映される映画「アイアンマン3」の愛する者のために闘う…のコピーが空々しく思えて仕方がない。しかし、完全ノーカットといいながらも、エンドロールの最初くらいは見せて欲しかった。何度もサビが聞かされる桑田佳祐の声は最後まで流れることがなかった…。
戦争を現代的に理解するシーン
合コンに現れた三浦春馬。
女の子たちと一緒に、沖縄、サイパン、ハワイのリゾートへ誘う計画を聞かされる。この映画の第2次世界大戦の血で染められた舞台が、もはや、完全に観光リゾート地へと変化している。
そして、世代が変われば戦争は、すでに過去の歴史のひとつとなる。家族の中にも戦争体験のある親族がいなくなるのもあと少しだ。
そこで「自爆テロ=神風特攻隊」の話となる。お国の為に、天皇陛下万歳で命を賭していた時代。誰もがそんな時代に、自分は「ノー」といえただろうか?
時代の空気に左右されず、「ノー」と言える勇気を持つことはできない。そんな時代の空気が作られようとしていることには「ノー」と言いやすい。
国のために、現在の「特攻」を強いられる空気。これほど、恐ろしいものはない。特攻には一種の恍惚感があるからやっかいなのだ。
TV東京版「永遠の0」特攻はテロなのか?
https://www.youtube.com/watch?v=E27i9FLv6fA
別れの言葉は「靖国で会おう」
この映画の最大のカギは、「祖父」であった
ヤクザの大親分となった戦友から、衝撃的な事実を聞く。
実は自分の身近にいる祖父こそが、最大の岡田准一の理解者であることを知る。
これは衝撃的なオチである。「決して愉快なオチ」ではない。
ネタバレ注意!
おじいちゃんの告白…。
ちょっと待って、おじいちゃん!
こういう話は、何度も何度も語り継がなければならない話だ。
祖母に口止めされていたことが祖父の口から解き明かされる。
自分の家族を託せる友がいるかどうか。
託すだけでなく、託された側の立場も考えなければならない。
戦争は、終わった後にも大きな問題を常に引き起こす。
戦争でオトコは駆りだされ、お国のために、誇りをかけて、命を賭す。
しかし、残されたオンナとコドモの生活はもっと大変だ。
戦後の多くの未亡人は、大変な想いで新たな生活を築きはじめる。
映画「犬神家の一族」も復員兵がもどってきた事によって、おこる事件だった。映画「トミー」も復員兵が家に戻ってきた時には、すでに奥さんが新しい家庭を築いていた事によってのショックが引き起こす。
戦争を起こさない方法
戦争ほど、馬鹿げた行為はない。しかし、人類は戦争を好んでやってきた。いや、人類ではない、オトコが主導して戦争をおこなってきた。
オトコには闘いを好むDNAが強くプログラミングされている。それを阻止するためには、オンナがもっと権力を握るべきなのだ。参政権が認められ、社会進出がしやすくなり、卵子凍結保存に補助金が出るなど、バースコントロールも自在になってきてくる。妊娠し、幼児がひとりで食事ができる3歳までの約5年間。2人いれば、約8年間。この間をなんとか社会でカバーできればオンナは社会に出やすい。
オンナがもっと社会に影響を及ぼすと、オトコの暴走が止められる。それしか戦争を食い止める方法はないのではないだろうか?
オトコに頼らなくても行きられる社会を、オンナが作る必要がある。そのためには多くの女性議員がオトコ並に働ける環境を整備する必要がある。そのためには…まだまだやるべきことはたくさんある。
今月2015/08/01 後悔される、映画「日本の一番長い日」も見たくなった。
http://nihon-ichi.jp/
永遠の0
https://ja.wikipedia.org/wiki/永遠の0
真珠湾攻撃 1941/12/08
https://ja.wikipedia.org/wiki/真珠湾攻撃
ミッドウェー海戦 1942/06/05
https://ja.wikipedia.org/wiki/ミッドウェー海戦
ラバウル航空隊
https://ja.wikipedia.org/wiki/ラバウル航空隊
ガダルカナル島の戦い 1942/08/07
https://ja.wikipedia.org/wiki/ガダルカナル島の戦い
ラバウル空襲 1943/10/12
https://ja.wikipedia.org/wiki/ラバウル空襲
沖縄戦 1945/03/26
https://ja.wikipedia.org/wiki/沖縄戦
沖縄菊水作戦 1945/04/06
https://ja.wikipedia.org/wiki/菊水作戦
玉音放送 1945/08/15
https://ja.wikipedia.org/wiki/玉音放送
原作者 百田尚樹
https://www.youtube.com/watch?v=SOqLH34L1-Y
永遠の0は売れなかった 「戦争のフィクション」は売れないジンクス