【映画】「JIMI:栄光への軌跡」を観てきた。
これは、ロックの歴史に立ち会ったような気がする映画だ!ロックミュージックを語るにはこの映画をみておくべきだ!
この映画の凄さは、映画としてではなく歴史的な現場へ、タイムマシンとして、しかも特等席で見せてくれることにある。
ジミ・ヘンドリックス。
1966〜1970年レコードデビューからたったの4年間、1500日の活動期間だった。しかし、なぜこれほどまでにも伝説[レジェンド]となったのか…。この映画はそんなレジェンドの足跡の目撃者となれる映画だ。
この再現ぶりがハンパない!
CGを使わず、アーティスト「アウトキャスト」のアンドレ・ベンジャミンがここまで演じてしまうとは!
キース・リチャーズの恋人、リンダ・キースに見いだされるジミー・ジェイムス=ジミ・ヘンドリックス
linda keith
ヴォーグのモデル時代のリンダ・キース
キースと一緒の頃のリンダ・キース
https://www.youtube.com/watch?v=vI8GtrVep2c
https://www.youtube.com/watch?v=Z3X696rG8N0
ローリング・ストーンズがアメリカ遠征の際に、キースの恋人であるキース・リンダが、ジミ・ヘンドリックスを発掘する。
リンダはまずストーンズのマネージャーのアンドリューにジミのライヴを観させたが、この時のジミのパフォーマンスがよくなかったこととジミのファッション・センスがひどすぎたため、アンドリューの気を引くことにはならず、さらにアンドリューもキースの機嫌を心配するばかりで、ジミのことはむしろ知りたがっていない様子だったとリンダは語っている。
その後、リンダは後にサイアー・レコードを創立し、マドンナの才能を見出すことなるシーモア・スタインにもジミのライヴを観させることになったが、この時にジミはギターをステージで破壊し、これがあまりにも物議を呼んだため、スタインはその後尻込みしてしまったという。しかも、この時、ジミが破壊したギターは実はキースのギターをリンダが貸したものだったとか。
しかし、ジ・アニマルズのマネージャー、チャス・チャンドラーを誘って、ジミのライヴをニューヨークのカフェでの午後の出番で観に行った時、遂に自分の見込んでいたものを目撃することになったとリンダは語っている。
http://ro69.jp/news/detail/89044
ロック界では、三角関係が常識? クラプトン&ハリソンパティ・ボイドと共に。
LSDからマリフォナ、ドラッグ・カルチャーとベトナム戦争と黒人公民権運動の1960年サイケデリック時代
ジミは、リンダ・キースから角砂糖にLSDを染み込ませたシュガーポットを初めて体験し、自分がマリリン・モンローに変身した幻覚を見る。
アメリカでジミといちゃついていることにイラついたストーンズのキース・リチャーズは、リンダ・キースの父親に告口を行った。キースこんまいぞ!
さらに、リンダは、借り物のギターを使っていたジミに、キースのギターとエフェクターを勝手にプレゼントしてしまうという。映画ではホワイトボディにローズネックのストラトキャスター。
後に、キース・リチャーズはリンダ・キースに「ルビー・チューズデイ」を贈る。
https://www.youtube.com/watch?v=eUKz2fvb6jY
ジミ・ヘンドリックスはリンダ・キースに「レッドハウス」を贈る。
https://www.youtube.com/watch?v=ys0WAPhf9vY
アニマルズのベーシスト、チェスが、マネージャーとして参画する。そしてジミをロンドンへ連れて行く、クリーム時代のエリック・クラプトンのライブで、セッションのきっかけを作る。
この伝説のクラプトンがジミのプレイにぶっとんだシーンが見事に、再現されている。
1966年10月01日リージェント工科大学でのCREAMでのライブだ。
このセッションでジミとエリック・クラプトンの交流は続いた。
そして、ついにメンバーオーディションを繰り返し、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスが結成されデビューする。
1966年12月にシングル「ヘイ・ジョー」でデビューする。
その「ヘイ・ジョー」もキース・リチャーズの元にあったティム・ローズのデモ版をリンダ・キースがジミに聞かせたことがきっかけだった。
https://www.youtube.com/watch?v=u9Fe1kR-xvw
JIMIをとりまく女たち キャシー・エッチンガムとイダ
ジミとキャシー・エッチンガム
リンダ・キースとの間に割って入って、新・恋人となった、キャシー・エッチンガムは、色々とジミを支えながらもいろんな問題を作る。
可哀想に「スッポン女」とまで罵倒される。「foxy lady」のモデル女性なのに…。
同時にイダの登場で、キャシーも、ミュージシャンやアーティストの、エゴを知らされる。
「自分しか愛せない奴ら」という属性をだ。アーティストはそんな自己愛に満ちているのだ。
イダはジミをマルコムXに紹介する。
「(ガールフレンドの)キャシー・エチンガムは、自分とジミのためのアパートを自分で決めるようになっていた。彼が金を送ってくると、二人はメイフェアーにあるブルック・ストリート25番地に引っ越した。 (略) そのアパートは、かって17~18世紀に作曲家のジョージ・フレデリック・ヘンデルが住んでいた場所だと分かった。ジミはこれにえらくご満悦で、ヘンデルがやったようにここで作曲すると言い出し、キャシーにヘンデルのLPを全部買ってくるように言ったりした。ある面で、ヘンデルは当時のジミ・ヘンドリックスだった。ヘンデルはかってヴォクスホール・ガーデンのリハーサルを見にくるだけで1万2千人の観客を集めたことがある。音楽を勉強している学生などは、そのアパートを見学に来て、ツアー・ガイドがジミ・ヘンドリックスなので唖然としたものだ。」(下巻140p)
http://leopard.air-nifty.com/offending_instruments/jimi_hendrix/
黒人が差別されていた時代。今よりももっと…。しかしジミは…?
JIMIがキャシー・エッチンガムとデートをしていると、白人警察が、いちゃもんをつけてくる時代。軍服が汚れる…。そこでJIMIがとった行動とは…。マルコムXとの立ち位置との違いに驚く。
マルコムXとの出会い
CDやYouTubeで音楽や映像の再現はカンタンでもこの頃の社会を経験することはできない。
しかし、映画はそんな歴史的再現も可能としてくれる。
それが、ロンドンでのジミとマルコムXとの対談だ。
二人の会話はずっとすれ違う…。
マルコムXはイギリスの黒人の意識をあげようとするが、ジミは自分にとって白人も黒人も関係ない。
音楽のジャンルでカテゴリー分けをされるのを嫌がるジミが、肌の色でのカテゴリー分けも嫌っていたようだ。
ザ・ビートルズの前でサージェントを演奏する
映画のハイライトはブライアン・エプスタイン主催のサージェント・ペパーズの完成記念コンサート。1967年でのサヴィル・シアターでのライブだ。
ビートルズが、満を持して発表するコンセプトアルバムの記念コンサート。
ジミのぶっとびぶりを表現するのが発売記念されたばかりのビートルズのアルバムを楽屋でコピーして本番で演奏する。これにはビートルズのメンバーもみんなが驚愕する。そして、今やそのホンモノの映像もすぐに視聴できる!
Watch your Ear! (気をつけよう!※アタマではなく耳に!)
ポール・マッカートニーの推薦で1967年モンタレーポップフェスティバルが決まる。そこへ向かうシーンで映画は終わる。
JIMI2も ぜひ制作してほしい!
こちらはホンモノのジミ・ヘンドリックスのkilling floor 1967年モンタレーポップフェスティバル
これから公開される ジェームス・ブラウンの映画もオススメだ!
黒人の描き方が真逆だからだ。
http://jamesbrown-movie.jp/
https://www.youtube.com/watch?v=6V4cCr_g8gg
https://www.youtube.com/watch?v=pRg9h-XCHKs