「生物的快楽」と「報酬的快楽」一夫一婦制のほ乳類は全体の3% 脳科学者 中野信子

非常に興味ぶかい、エピソード。脳科学者・中野信子
http://ameblo.jp/nobukonakano/

一夫一婦制のほ乳類は全体の3%しかいません。一夫一婦制の代表的な存在にプレーリーハタネズミがいますが、一匹のメスとの愛着形成ができるとほかのメスを脳が受け入れないんです。でも人間は違いますよね。再婚もするし、婚姻関係があっても、ほかの異性と浮気をします。人間の脳は一夫一婦制のほ乳類の脳とは違う構造なんです。

「一夫一妻制と一夫多妻制の違いを引き起こす遺伝子」
http://meme.biology.tohoku.ac.jp/INTROEVOL/vole.html

❏よく「当たる確率は低いけれど、自分は運がいいから当たるかもしれない」と考える人がいますが、これは認知バイアスがかかっているためです。宝くじの1等が当たる確率は1000万分の1です。東京都の人口のうちひとりしか当たりません。

「生物的な快楽」とは、おいしいものを食べたり、○○○をしたときに得られる直接的な快楽です。「報酬的な快楽」とは、農作物を育てたり受験勉強をするなど、ある目的を達成するため努力しているときに得られる快楽です。ランナーズハイなどもこれに当たります。
そして、報酬的な快楽のほうが、直接的な快楽より強いんです。よく、「ゲームにハマっていてご飯を食べるのを忘れていた」ということがありますが、それは食欲によって得られる快楽をゲームが代替しているからなんですね。そして、こうした報酬的な快楽のなかでも特に強いのが“自分語りの快楽”です。
SNSなどで自分の行動や考えを書くと世界中の人から「いいね!」などと肯定されます。こうした社会的報酬は○○○の快楽よりもすごく大きい

「生物的快楽の○○○」と「報酬的快楽の愛情」と、どちらも同じ快楽物質のドーパミンが出るために混乱しているのですが、○○○と愛情は別ものです。切り離して考えなくてはなりません。そして、多くの動物は性行為だけあれば十分なんです。

❏脳には「速いシステム」と「遅いシステム」の二重の意思決定回路がある
マシュマロ実験」というものがあって、子供の前にお菓子を用意して「15分間留守にするけど、帰ってくるまでにお菓子が残っていたら、もう一皿あげるからね」と言って、その部屋を出ていきます。すると、7割の子供は15分間我慢できずに食べてしまうんです。
15分待てばマシュマロを倍食べられて得をするという論理的思考は人間の進化の過程で後からできた回路なので、なかなか優位に働きません。

❏もし、間違った行動を起こしたくない場合は、拙速な判断は避けるべきです。そして、じっくりと考える癖をつけるといいかもしれません。
話し合いをしていると、最初に確信を持って発言した人にシンパシーを感じる人が多いのです。
そのため、後から最初の人の意見がなぜ間違っているのか、自分の意見がなぜ正しいのかをみんなが納得するように説明してもなかなかリーダーにはなれません。
これも速いシステムの影響を受けていて、7対3の割合でそうなります。つまり、人間は実力のある人よりも、確信のある人のほうにひかれるのです。

❏間違った方向に行ったとき、間違ったリーダーを選ばなかった3割の人たちが「おかしい!」と声をあげて、世の中を変えていくしかないんです。

脳科学者・中野信子「人間は実力のある人よりも、確信のある人のほうにひかれるのです」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140923-00036130-playboyz-soci

❏モテる男性には2つのタイプがある。
1つは、『ウソをつける人、リスクをとれる人』、つまり遊び人だという。「なぜかというと、女性は本能として子孫を残す行動をとるからです。排卵期の女性は、そういう男性を好む。男性のそういうところは、子どもにも遺伝するので、自分が産む子どもも遊び人になる可能性が高く、子孫を残す行動を取ってくれる」。

もう1つは、やはり優しい男性、だそうだ。「排卵期以外は、優しい人がモテますね。他人に親切にするところを見せられると、女性は心を惹かれてしまう。その理由は、優しい男性は、子育て行動にコミットしてくれる、と思うからです。自衛隊員とか消防士とかも、体を張って誰かを守る仕事をされている方に女性が魅力を感じるのは、そういう理由です」と、説明する。

http://thepage.jp/detail/20140828-00000008-wordleaf