国の人口は約 million peopleで数える ポール神田の世界は英語でつながっている

■国の人口は約 million peopleで数える。

海外とのビジネスでいつも、一瞬、呼吸が止まってしまう瞬間が必ずある。 それは数字の話の時だ。

特に、会議での、人口や数字の話は最重要な話となることが多いにもかかわらず、ついつい日本語に置き換えて考えるクセがついてしまっている。

数字のけたを翻訳で置き換えて考えている時間は、まったくないシチュエーションが多い。

例えば、人口の話の場合は、最初から日本の人口の約1億2,000万人は、「120million people」と覚えておいたほうがいいだろう。むしろ正確な数字では、 128 million people(1億2800万人=2010年)の方がCoolだが覚えやすい約120million peopleで十分だ。

そして、米国は313million peopleだが、約310million peopleで問題ない。

一けたの「億」の単位は、すべてmillionに置き換えても、全く問題ないが、それが、10億人を超えると、billionの値になるので、途端に難しくなる。

中国は1,345millon people = 1.3billion people
インドは、1,198millon people = 1.1billion people
2011年末に世界の人口は、7,000million people=7billionを突破している。

書かれた文章ならば、まだ、なんとなく視覚的にわかりやすいが、耳で聞いた場合のイメージでは、自分なりのmillion peopleやbillion peopleの感覚として持っておかなければ、えーっと?ということになってします。

人口は日本の「億人単位」に換算するよりも、常にmillion もしくはbillionの感覚で覚えておいた方が英語にする時には困らない。

その基準として、日本の人口の120millionをいつもベースにしておくとわかりやすい。ほとんどの人口統計などの単位が100万人(million people)だからだ。

母国の国民数から世界人口を類推するのが一番イメージしやすい。

ちなみに、日本の人口に比べて、アメリカで2.4倍、インドは9.3倍、中国は10.5倍、世界は54.6倍の人口サイズである。

■円は4けたずつ、ドルは3けたずつで繰り上がる!

そもそも、このmillionやbillionのややこしさは、日本のけたの4けた上がりと欧米の3けた上がりの差からきている。

日本でのけたは、一、十、百、千、万、億、兆、京、と繰り上がっている。

カンマは、通常3けたずつあるのにもかかわらず、日本語でのけたは「万」になってからは、4けたずつ単位けたが変わっている。万の単位が4けたもあるので、億の単位も4けたある。まぎらわしくなってしまうのだ。

1一
10 十
100 百
1,000 千
10,000 万
100,000,000 億
1,000,000,000,000 兆
10,000,000,000,000,000 京

一方、英語ではカンマごとに、正しく3けたずつで単位けたが変わる。これは、国際単位系にも似ているので世界中のどこでも非常にわかりやすい構造だ。

一 : one…1
十 : ten…10
百 : hundred…100
一千: thousand …1,000 (k: kiro)
百万: million ……1,000,000 (M: mega)
十億: billion ……1,000,000,000 (G: giga)
一兆: trillion ……1,000,000,000,000 (T: tera)

例えば、日本の会社の会計なども、

「195,000百万円」という単位を見て、「1,950億円」と瞬時にわかる人は多くないだろう。

100万円という単位の次の単位との兼ね合いが悪いからだ。

ただ、純利益までけたをそろえるとするとこの100万円単位の方が数字を見やすいメリットがある。

グリー株式会社の平成25年(2013)の業績予想(単位:百万円)

日本語での数の数え方と英語での数の数え方の違いは、3けたに合わせれば、まだいい。

なんとかなる。しかし、さらにそれに対して、通貨の場合、為替レートが発生するので、頭が痛くなるほど、ややこしくなってくる。

特に自社の売り上げを英語のドルに変えようとすると大変だ。とっさに出てこない。

そこで、海外の資料でも日本の企業は、yen表記ということになってくる。為替レートによっても変化してしまうからだ。

グリー株式会社の2013年のearnings forecasts(単位:百万円)

Net Sales = 売上高
Operating income=営業利益
Ordinary income=経常利益
Net income=最終利益 当期純利益

みたいな単語も頭にあると理解しやすい。

韓国証券市場でのサムスン電子(005930.ks)の株価の単位だけが桁違い!

われわれが韓国のウォンを見ると???となってしまうのと同様だろう。しかし、株式の相場で見る人にとっては現地の通貨でないと困ってしまうので国によって値は大きく変わる。

■Billionの数字の単位を一瞬にして日本円にイメージする方法

「ソフトバンクが米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを201億ドルで買収…」とニュースで見る。201億ドルがいまひとつイメージしにくい。

電卓で201に約80円をかけて、約16,080円 それに億を足せば、16,080億円となり、つまり、えっと~、1兆6080億円くらいと電卓でたたいてみて、初めて買収金額の大きさが実感できた!

しかし、実際のディールの金額は1兆6,080億円ではなく、201億ドルである。いや、正確にいうと 201億ドルは、「$20.1billion」と言わなくてはならない。円が対ドルで数円変わるだけで、数億円の誤差が発生するから、日本円に置き換えるのは意味のないことだ。

しかし、置き換えない事には数字にピンとこない。

20.1Billionの文字に80をかけて1,600billion円として換算すると日本円の規模がイメージできる。

なので、こんなbillionのつく数字の買収案件は、今後もますます多くなる傾向があるので、簡単に日本円でイメージする方法を伝授してみたい。

単純に$20.1billionは、80をかけて1,600billion円くらいだと判断すればいい(8と2をかけて出ているゼロを2つ繰り上げればいい)。

1,600billion円は、1が3けたを超えているので、単純に上の兆と判断できる。すると、1兆6,000億円くらいがイメージできるという仕組みだ。

それでは、次にアメリカの国家予算で考えて見よう。

アメリカの2012年度の予算は、$3,730billion($3.73 trillion)である。

面倒くさいので、$4,000billionとして、80をかけると、32+ゼロ4つだ。

320,000billion つまり約320兆円。

320 と「thousand billion yen」は兆円とすればいい。

そこからざっと約$300billion面倒くさがったので、80かけて、24+ゼロ3つで、

24,000billion 24 と「thousand billion yen」

つまり、24兆円マイナスすると、だいたい300兆円以下くらいだということがわかる。

日本の総額約90兆円の3.3倍くらいの規模だ。

しかし、こうやって通過を日本の円で換算する方法よりも、billionを直の$で、感じられるようにした方が面倒な計算をしなくてもすむ。

■日本の国家予算は、 約$1,130billionで覚えておく

日本の国家予算も人口の128 million peopleと同じくbillionで感じておくことの方が楽だ。 その方が米国の数字と何かと比較しやすい。

日本の国家予算、総額90兆3,339億円(H24年度=2012年度)$billion(10億)にすると、 約$1,133billionとなる。 約$1,000 billionという乱暴な覚え方でも大丈夫だ。

これだけでも、世界の国家予算と比較してどう?という時に、毎回日本円に翻訳する必要がいらない。 英語のポイントはできる限り、日本語に翻訳しないことだ。

http://news.mynavi.jp/news/2012/11/15/089/