ユニクロのフェアトレード

Toshiaki Kanda 2003年10月05日 日曜日
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ユニクロのカシミアセーターはいいプライスでいいものをと思っていたが、意外なところで、世界の中での均衡が保たれていない状況をやなぎだ氏のメルマガで知るところとなった。

誰が悪いわけではないが、いいものをもっと安くはどこかにひずみを生じさせる要因を含んでいる。悪いものを高くよりは数段ましだが…。

でも、一着くらいはアイテムに加えておきたいので、微妙なところだ。

Daily_Topics@egroups.co.jp 今日のひとこと
「ユニクロのカシミアセーター」

●ユニクロのカシミアセーターが4,900円で往年のフリースよもう一度の思いで、
今年の戦略商品で大々的にパブリシテイーを活用して販売を始めた。
(マスコミは御先棒担ぎしてるけど?)

この商品はモンゴル出身の社員が、入社前に里帰りした時にお土産物屋で売っている
カシミヤがあまりに安いので、社内の商品企画担当者を説得して全社的なプロジェク
トになったとTVの特集番組で紹介していた(以下の記事のごとくのパブリシテイー)。
待てよ?こりゃ単にファーストリテーリングの広告戦略にマスコミがこぞって踊らさ
れているだけじゃないか……また、やられてる!フリースよもう一度戦略だな?

やなぎだは無印良品を企画していた時に内モンゴル呼和浩特(ホホフト)にまで
カシミヤを追い掛けた。
到着した空港からホテルまでの間、空にまたたく満天の星は、近くて沢山で、こんな
に空って星があるんだ!….って、
はじめて見る大量の星に大感激したのを覚えている。
そこで、事前学習のカシミヤとキャメルの毛刈りから洗毛までの行程をじっくりと
学んだのである。
最高級である首の下の喉部分(1頭からわずかした取れず、殆どがスコットランドに
輸出される)から、胸、腹、横腹、背とだんだん毛質は硬くなり、価格も安くなる。
さらに、糸曳き、編み立て、縫製行程はスコットランドのホイックに出向いて行った。

ここは、エジンバラから延々と車を飛ばしてやっと到着できるような村。
やなぎだのお目当ては、「ライル&スッコット」の編立て縫製工場だった。

▼NHKのクローズアプ現代で彼の地(スコットランドのホイック)を紹介している
(5月9日: フェアトレードとローカルプロデュース)

英国には、フェアトレードタウンが次々と誕生している。途上国の産業を維持する
ために、国際価格の3倍もの価格で買い込んで輸入する。
プリングルのセーターの社長、「他人の真似をしない」。地元で作ることで、復活
した。

競争から共存へ
プリングルのセーターは、80年代から90年代、国際化の戦略が20カ国でライ
センス契約をした。品質が落ちて、値段を下げても売れなくなった。2000人いた
従業員の90%が解雇された。

キム・ウィンザー社長(女性)、グローバル化に逆行するものだった。今にも潰れ
そうだった会社の社長になる決断をしたのは、エネルギーも決断もない会社だったが、
それが自分に求められていることだと考えた。このブランドは、確かなものを作るブ
ランドだと思った。
スコットランドのホイックの村に工場がある。当時、別の会社のブランドが作られ
ていた。今は、ライセンス生産から撤退した。職人たちには、高い技術があった。
国谷「安い労働力の中国で生産をしているが、そのような選択肢は考えなかったの
か」。
ウィンザー「世界最高の技術を持っている職人がいた。値段は多少高くなっても国
内で作る。工場に高級な機械が使われないで残っていることを見つけて、この工場で
しか作れないものを作り出した」。
売り上げが80%以上増加。高くても良いものは売れることが証明された。
ウィンザー「本物の職人芸が求められている。ブランドに対する情熱をみんなが持っ
ている。これが非常に重要である。自分に対して正直でいようと思う」。

フェアトレード
公平な貿易。ここ数年、フェアトレード商品を置くスーパーが増えている。フェア
トレードを推し進めてきた例が、コーヒー会社、カフェダイレクト。
ニューマン社長(やはり女性)は、コーヒーを仕入れる場所を必ず訪問している。
ウガンダのコーヒー農園を訪れて、生産者に対して、本当の価格が支払われていない
ことが分かった。

ペルーの例、1999年の画像。生産者との関係を高めることによって、確実な商
品を長く供給してもらう。出荷も大変な労働だった。今は、フェアトレードで得た所
得を負担してトラックを買った。
生産者が経営的に自立できるように促している。双方向の関係がフェアトレードの
有るべき姿である。
生産者の犠牲に基づいてなりたっている巨大貿易は、本物ではない。
美味しいコーヒーを飲みませんか、と消費者に訴えている。
BSEやテロが、食べ物のあり方に新しい考え方をもたらした。カフェダイレクト
は、コーヒー業界の6位にまで成長した。
ニューマン社長も、以前はベストプライスを追求する巨大企業に勤めていたが、今
は、フェアプライスを目指しているのだ。

C先生:ローカルプロダクションのような主張は、個人的には1999年以前からし
ている。ガラスの技術戦略2025年なるものをまとめたときに、21世紀には、再
び「本物」の時代が来る。これをリアル(バリュー)と呼び、情報面でのリアルと併
せて、リアルが21世紀のキーワードだという報告書を書いたのが、1999年7月
である。

A君:現在は、プレミアムという言葉で表現しているようですが。

C先生:理想はエコプレミアム。すなわち、環境的に優れているから価値が高いとい
う商品を売ること。これが日本が世界に先駆けて行うべきことだ。トヨタ・プリウス
は、ひょっとしたら、それに類する商品かもしれない。
プリングルのセーターは愛用品なので、ローカルプロダクション商品を日本でも作
るメーカーが出ることを期待。

●さて、ユニクロの今回の行為はどうなんだろうか?

皮肉にも、今回の低価格戦略の発端はオ−スラリア人の妻を持つ、モンゴリアンが
ユニクロに入社した事に端を発している(別に彼個人が悪いのではなく企業体質だ。
高級素材カシミヤ(勿論最高の部位のみの一頭からひとにぎりしか取れない毛)を
熟練職人の手で大切に加工して作り上げた、風合いの良い長もちするセーターにした
ものと、輸出することの出来ない部位の毛を使って色のバラエテイーと軽い目付けで
販売価格を下げたものとは、比較する事自体がナンセンスなのに、マスコミはこぞっ
て取り上げて、何年ぶりかで前年対比の売上向上をしたユニクロを取り上げるのは如
何な物か?ま、取材記者の商品知識の欠如と本物を知らない上滑りな判断が問題なの
かもしれないが、流される生活者の目が腐ってしまったのかも知れない?
ユニクロには、「フェアトレードとローカルプロデュース」なんて政策的なモラルは
持ち合わせていないらしい?もちかけた、モンゴリアンはここまで考えているのだろ
うか?自らの手で、祖国の経済の首を絞めている事に気がついてはいないのだろうな?

カシミアの価格は、基本的には毛の質(部位)と一着当たりの使用重量と加工技術で
決まるわけで、毛質を落として軽くすれば、それだけで安くなるのは当然で、安かろ
う悪かろうとは言わないが、それなりの商品と言う事になる…..
安物文化旺盛の現代ニッポンの、本物を知らない若者が飛びつく事を狙っているのだ
ろうが、物の分別のつく大人が買ってはね….? でも、買うんだろうね?

ちょうど、10年程前にカシミア、アイリシュリネン等の高級素材の廉価版開発で量販
店(価格指向のチェーンストア)が競った時期があるが、結果としてマーケットの荒
廃を招いて、企業も生活者も幸せには成れなかった。当時、その流れに一線を画して
「質販店」を標榜したSAISONの中の西友は「無印良品」「主婦の目」等の品質維持と
リーズナブルな価格で商品開発戦略をとって支持を得たが、経営陣が変わって価格戦
略を全面に出した事で、ファン(信者)を失ってしまって没落してしまた…..(涙)

▼Kyoto Shimbun 2003.09.16 Newsカシミヤでも「価格破壊」
ユニクロ、4900円から

カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは16日、中国
産の最高級カシミヤを100%使用したセーターを、4900−7900円の価格帯
で17日から発売すると、発表した。

衣料品の低価格化をリードしてきた同社が、高級品のイメージが強いカシミヤ製品
でも「価格破壊」に挑戦した形で、同品質の他社製品より「最低でも2−3割は安い」
(同社)という。

使用されているカシミヤは、中国・内モンゴル自治区が原産。原毛の採取から、製
品化までを現地で一括管理することで高品質、低価格を実現した。商品は、女性用が
カーディガンなど3種類、男性用がタートルネックセーターなど2種類。

記者会見した玉塚元一社長は「今まで限られた人たち向けの商品だったが、カシミ
ヤ素材はとてもいいものなので、幅広い方々に着てほしい」とアピールした。

▼Asahi News 2003年09月16日(火)
ユニクロ、カシミヤで価格破壊 従来より2、3割安く

カジュアル衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、高品質
の中国・内モンゴル産のカシミヤを100%使用した男女向けのセーターを、秋冬物
の目玉商品として17日に全国発売する。

中国で一貫生産することで、4900〜7900円と従来の低価格帯商品に比べて
2〜3割安くなっている、という。「高級品としてなかなか手が届かなかったカシミ
ヤの常識を新しくする」(玉塚元一社長)

また定番のフリースについては、社外デザイナーと組んでデザインを重視。より軽
い商品など、品ぞろえも強化する。

▼KYODO News 2003年09月16日(火)
カシミヤでも「価格破壊」 ユニクロ、4900円から

カジュアル衣料店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは16日、中国
産の最高級カシミヤを100%使用したセーターを、4900−7900円の価格帯
で17日から発売すると、発表した。
衣料品の低価格化をリードしてきた同社が、高級品のイメージが強いカシミヤ製品
でも「価格破壊」に挑戦した形で、同品質の他社製品より「最低でも2−3割は安い」
(同社)という。
使用されているカシミヤは、中国・内モンゴル自治区が原産。原毛の採取から、製
品化までを現地で一括管理することで高品質、低価格を実現した。商品は、女性用が
カーディガンなど3種類、男性用がタートルネックセーターなど2種類。
記者会見した玉塚元一社長は「今まで限られた人たち向けの商品だったが、カシミ
ヤ素材はとてもいいものなので、幅広い方々に着てほしい」とアピールした。

やなぎだには、消して良い商品開発アイテムだったとは思えないのだが…..?
シーズン末期の年末から年明けのユニクロの店頭価格と販売残状況に興味がある!
おっと、もしかしてこれも広告宣伝戦略に乗せられてしまったのかな(爆)?

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Category: コラム
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